まず、画像が綺麗なことに驚く。
この点について僕は驚きすぎかもしれない。
おのれ、チームPerfume、もういいか。
この映像作品がDVDに収録されたことをまず喜びたいです。
この映像はプロモーション用の映像ではない、いわゆるミュージックビデオというものとも違います。
歌詞の世界と映像のイメージが切り離されている。
サウンドから受ける感覚を関和亮という映像作家が具象化したらああなった、というように感じます。
マトリックスを思わせるCG部分と「DF」の衣装を身につけ、メイクに彩られた3人の常に動き続ける顔と、曲に合わせてフリーダムに踊るシルエットの断片。
一つ一つのシルエットが映る時間はほんのわずかなものなのに、映った瞬間にメンバーの誰のシルエットか直観的に分かる。
MIKIKOさんが手がけた最高の作品、Perfumeは、MIKIKOさんの振り付けが無くとも、どの一瞬も優れた人物画のように、ファッション雑誌のグラビアのように、自らの肉体をデザイン出来る。
静止画像でものっちの身体のうねりが感じられるし、あ~ちゃんはその身体能力の高さを証明していて、かしゆかは身体ごと無表情です。
関さんは画家のようにPerfumeをとらえて、各時代の彼女たちの姿を肖像画のように残し続けています。
今回のVJ映像「Butterfly Budoukaaaaaaaaaan!!!!! ver.」でも数ヶ月単位で大人びていくPerfumeの、2008年秋、の姿が時間から切り取られ、残されています。
「Butterfly」と言えば、ボーカリストあ~ちゃんが天性の声質の美しさを生かし、わざとのように無機質に、ぶっきらぼうに歌うことで歌詞の世界の情景をたくみに描き出す名曲。
感情を過剰に込めなくても成立する歌がある。
中田サウンドとの壮絶な戦いを経てあ~ちゃんが獲得した新たな表現力は、感情ではなく情景を歌うこの楽曲の魅力を余すところなく聴くものに伝えてきます。
サウンド、歌唱、映像が、お互いに妥協することなく、自らの主張を押し通したまま融合した奇蹟。
それが、このもう一つの「Butterfly」です ▽・w・▽