さて、あなたは国立代々木競技場第一体育館周辺にたどりついています。


代々木公園の中を歩き、ああここであ~ちゃんがクマさんの縫いぐるみと、おおここでかしゆかがキャメラを…、とマカロニ気分に浸り、歩道橋に書いてある模様がのっちが映っていたものとまったく同じだ、と模様に沿って歩いてしまったり。


Perfumeファンなら誰でもやらずにはいられないプチマカロニツアー(ロケ場所を全部回るのは大変です、留宇さんありがとう)を実行して、ようやく自分も一人前のPerfumeファンになれたような感慨に浸ってしまうでしょう。


以前なら週末ともなれば路上ライブがあちこちで催されて賑わっていたものですが、現在は禁止されていて路上パフォーマーはほとんどいません。


公園から歩道橋を渡ってNHKのあるけやき通りのある側に行くと、売店がありましてそこで飲み物や軽食が買えますし、おそらくライブ当日には観客を当て込んで屋台もちらほらと出ているんじゃないか、と思われます。


ここであなたは屋台の焼きそばを買い食い、屋台の焼きそばって匂いはあんなにおいしそうなのに、なんで実際に買って食べるとイマイチの味なんだろう?と、深遠な人生の謎に思いをはせ、少しのお金と取り戻せない貴重な時間をロス。


ここであなたは迷います。


まだ、ライブ開始までは時間がある(あなたは張り切りすぎて早く到着してしまい、まだお昼過ぎくらい、せいぜい1時か2時くらいです)、物販にいまから並ぶのは大変そうだし、もう少し周辺を歩いてみてもいいんじゃないか。


仕方のない人ですね。


では、一ヶ所だけ、割と近場にある聖地を巡礼してみますか?


あなたは原宿駅方面に戻ります。

そこで青山通り明治通り(間違えてました、ごめんなさい)との交差点まで続く250mほどのゆるい下り坂を歩いてください。


この下り坂はすぐに分ります、道の左右には洒落のめしたお店、いや、ショップが立ち並んでやがりますから。


歩いていると、行き交う人がみんなすごくお洒落さんなことに驚くでしょう。

誰か一人を呼び止めて「街を歩くだけで、なんでそんなに気合の入ったお洒落をしているのかね?」と、尋ねてみたくなりますが、彼らには彼らの、或いは彼女達には彼女達のライフスタイルというものがあります。

見てみぬふりをしておきましょう。


道を下りきると、大きな交差点に出ます。


あなたが下り坂の右側を歩いていたなら、横断歩道を渡って向い側、下り坂の左側の道へ渡ってください。

左側へ渡っていた人はそのまま進行方向の横断歩道を渡ります。

渡ったらそこを左折、これまた洒落のめしたショップが立ち並ぶ道をプレッシャーにめげずに歩くこと数分、聖地の一つ、原宿アストロホールにたどり着きます。


気をつけて歩いていないと分らないくらいにひっそりとしたライブ会場なので慎重に歩いてください。


アストロホールと言えば、Perfume初のライブDVD「bitter」に収められた


Perfumeがいっぱいサンタ呼んじゃいました(でしたっけ?)


が行われた場所です。


まず会場の規模の控えめさ加減に驚いてください。

地味な出入り口。

掲示板に張られているスケジュールに登場するアーティストたちに対する自分の無知への驚愕。


記念に写メでも、と思っても道が狭くて車道にでもはみ出さないと全貌が写せないことに対する焦り。

じゃあ、向かい側から、と道を渡るのにまた横断歩道まで戻らなければならないことへの苛立ち。


意味なく会場内に入りたくなる衝動。

別にPerfumeが中にいるわけじゃないし、というニヒリズム。


原宿アストロホールは、あなたに自分の内側にある色々な感情を体験させてくれることでしょう。


さあ、聖地巡礼は済ませました。


物販の行列が伸びている時間です。

会場周辺に戻りましょう ▽・w・▽ノ⇒