2008年2月12日に渋谷AXで行われたライブ
Perfume ~ソックス フィックス マックス
で披露されたインディーズ期の楽曲は、メドレーを含めると14曲に及びます。
3曲目に「ドーナッツ」、6曲目に「ファンデーション」、8曲目には「イミテ」、衣装替えのあとには「コンドラ、リニア、メッセージ、ビタドロ、引力、白黒、ジェニー」をメドレーで披露、さらに13曲目に「レシピ」、14曲目に「Perfume」、さらにさらにアンコール1曲目が「アトラクション」、2曲目が「ジェットシューズ」!
当時のライブレポや2ちゃんの中では、すでに一部で「メッセージ」や「ジェットシューズ」というレアな曲までを披露したことから、これでインディーズの曲を含むセットリストに一区切りをつけて、これからはあまり披露されることがなくなるんじゃないか、という懸念が表明されていました。
この懸念は現在までのところ現実のものとなっています。
GAMEツアーでは、基本セットリストの中からインディーズ期の楽曲がかなり落とされ、特にシングルリード曲は3曲ともアンコール候補曲の中の1曲、という扱いにされてしまいました。
武道館ではさらにインディーズ期の楽曲は減っています。
このようなインディーズ期の楽曲に対する扱いは、ずっと続く措置なのか、封印されてしまったのかどうか、の答えが、DDDで出るのではないか、という気がしています。
GAMEツアーは、アルバム発売とタイミングを合わせて行われましたから、新曲中心となるのがむしろ当然、相対的にインディーズ期の楽曲が減っただけかもしれませんし、武道館ライブは大イベントということで、やはり掟さんがラジオ番組で言っていたようにちょっと「よそゆきセットリスト」だったかな、という印象がありました。
DDDも大イベントですし、コンセプトは「ディスコ」ですからちょっとイメージ的に合わないものが多いかな、とも思うんですが、実際のところがどうなのか、今からとても楽しみにしています。
これは、まったく個人的な意見にしか過ぎないんですけど、僕はPerfumeのメンバーが自分たちに提供された中田サウンドの中で、心から「大好き!」と言えるような曲って数えるくらいしかないんじゃないか、と感じています。
あとは、音楽的には評価できるけど好みには合わないというか、自分たちの期待とは違う、という曲が多数、はっきりと嫌っている、あまりライブなどで披露したくない、と思っている曲が1、2曲(笑)。
基本的にはインディーズ期の楽曲に対する評価は、「コンドラ」~「ションションション」は別にして、あまり高くないだろう、と思っています。
パフォーマンスの面でも、現在から考えるとちょっと幼い印象があります。
でも、それは当たり前。
インディーズ期の楽曲は中田さんの、というよりは木の子さんの歌詞の世界観が特徴的、子供時代のおとぎ話のような時代を通り過ぎた思春期の少女たちが、リアルに社会や他人と対していく様が描かれています。
20歳を過ぎて大人になったPerfumeが演じるのには、ほんの少しズレ、みたいなものが感じられるような気がします。
「エレワー」「シティー」の振り付けさえ、成長した3人の表情や身体つきから考えると、何か雰囲気が違ってきたかな、という印象がありますから。
ただ、そういったメンバーの評価や好み、振り付けから感じる印象が違ってきた、ということとは別に、インディーズ期の楽曲とファンの独特な結び付き、というものもあるんですね、おそらく。
全国規模でかき集めてもファンの総数が100~200、せいぜい250人くらい、と言われていた時代、現在から考えると下積みといってよい時代、Perfumeとファンを結び付けていたのは「水道夏→レシピ」の必殺コンボに代表されるセットリストと、ファンと直接向き合って言葉を交し合ったリリースイベント、握手会だったんじゃないか、と思うんです。
そして、Perfumeの3人がその時代のことを忘れることは、いい意味でも悪い意味でも決してないだろう、と。
インディーズ時代の楽曲は、現在のように重厚に積み重ねられたサウンドではないし、キラキラとした切なさもないし、歌詞は暗くて鬱陶しいし、振り付けもかっこいいわけではありません。
でも、そこには間違いなく現在も続くPerfumeというユニットの、ちょっとダサくて、ファンだと公言するのがちょっと恥ずかしくて、でもライブを経験したらそんなもの全て吹き飛ばされてしまう、世界にたった一つ、歴史上空前にして絶後、唯一無二の魅力の原点があります。
インディーズ期の楽曲は、ある意味ではPerfumeの象徴です。
今後持ち歌が増えていくにしたがって、セットリストの中に組み入れられることは少なくなっていくことでしょう。
でも、少しずつでもいいから、Perfumeがインディーズ期の楽曲を演じ続けてくれることを期待したいし、代々木DDDでは僕の予想なんてものを全部吹き飛ばして、歴史を感じさせてくれるようなセットリストを、パフォーマンスを見せてくれるんじゃないか、という気がします。
GAME、以降にファンになったというみなさん、「ドーナッツ」や「レシピ」のイントロで一緒に「ヘイ!ヘイ!」と声をあげてみたくはありませんか?
…そうですか… ▽-w-▽