最近またようつべのほうに、ぱふゅ→むがClub TKに出演した時の様子を収めた映像が、再編集版としてアップロードされていました。


テロップに記された文字を読むと、ぱふゅ→むがClub TKに出演したのは2001年の春か、初夏、ということのようです。

4~6月くらいでしょうか。


ぱふゅ→むが新メンバーとして大本彩乃さんを迎え入れたのが2000年の暮れ頃から2001年初頭か春先にかけて、と考えると、わずか数ヶ月後にはBS放送とはいえ全国放送されるテレビ番組への出演を果たしていることになります。


この出来事に象徴されるように、ぱふゅ→むは大本彩乃さん、これからはのっち、という呼称で統一できますね、のっちの参加とともに、テレビ番組出演、地元インディーズデビューそして東京進出、という大きなチャンスを獲得していくことになります。


ここでPerfumeファンとして気がかりなのは、じゃあぱふゅ→むは、少なくともアミューズ側から見た時、のっちありきのユニットだったのか、あ~ちゃんやかしゆかはソロ活動に向いていなかった、という広島時代ののっちに添えられた「おまけ」だったのか、ということです。


もちろん違います。


ぱふゅ→むは、のっち加入後もハードトレーニングによって成長を続け、上京する際にはのっちすらメンバーの一人、として消化し、全国インディーズ期にはかしゆかをキャラクターの中心とするユニットとしてデビューを果たしています。


アミューズと接点の出来るきっかけは、彼女たちがアクターズスクール広島、というアミューズ側の提案によって設立された地方芸能育成学校に入学したこと、であり、だからこそのっちはアミューズオーディショングランプリという快挙を達成できた。


まずのっちが大きなチャンスを獲得し、おそらくのっちを中心にしたユニット活動が実験的に何組か試されることになった。


そののっちが、ASHの中でも「本気度」の高い、プロとして必ずデビューを果たすんだ、という意志の強いメンバーや、メンバーを支える家族に恵まれたぱふゅ→むに入ったことには、大人たちの思惑が少なくともいくらかは入り込んでいただろう、と考えられるように思います。


広島という一地方とはいえ、ASHを取り巻く世界と言うのはショービジネスの世界であり、子供の夢がそのまま叶えられるような、御伽噺の世界のようなのどかさとは無縁の「リアル」が存在していたはずです。


アミューズ設立25周年を記念するプロジェクトの一環としてやがて始まる「BEE-HIVE」への参加をかけた過酷なレースは、生徒たちの知らない間にいつのまにかスタートしていて、あ~ちゃんもかしゆかものっちも、その渦に巻き込まれないわけにはいかなかった、と思われます。


ただ、大人たちの思惑、みたいなものはあくまでも背景であって、大人たちとの話し合いを経てのっちを選んだこと、スカウトしたことはあ~ちゃん自身の強い意志の結果であろうと思います。


大人たちの思惑、と書くと良いイメージはないかもしれません。

何か隠された意図があったんじゃないか、と。

ぱふゅ→む、Perfumeというユニットは、アミューズ、ASH両企業間の駆け引きによて、大人たちの思惑によって結成された、既存のアイドルユニットとなんら変わることのない存在なんじゃないか、と。


これも違います。


Perfumeは、大人たちのサポートやサジェスチョンを受けながら、本人たちの意志によって結成されたユニットであり、本人たちの強い意志によって継続されてきたユニットです。


チームPerfumeの原型は、すでにこの広島時代からあり、それは非常に熱心に彼女たちを支えてきたママたちであり、一部の講師たちでした。


足繁く我が子の出演するイベントに通い、ファンと交流を持ち、ブレイクしてからも「死ぬまで応援しなきゃダメよ」と冗談交じりに古くからのファンにプレッシャーをかける、というあ~ママ、かしママ。


スクールの授業料のみならず、福山からの新幹線代をずっと出し続けた大本ファミリー。


ぱふゅ→むとともに上京し、やがて文字通り命運をともにすることになる水野みきこという若者。


上京したメンバーから連絡がないことを心配しながらも、芽を出せずにいる彼女たちの気持ちを慮って見守り続けた田中講師。


Perfumeは、現在我々が知るPerfumeと異なるイメージを持つユニットになっていたとしても不思議のない岐路をいくつも経ています。


のっちだけがピックアップされて、上京してきてから同世代の少女たちとユニットを結成することになってもよかった。


売れなかったのだからキャラクターイメージみたいなものを変えて雰囲気を変えてしまってもよかった。


手っ取り早く、水着グラビアなどで顔を売るようなプロモーションがあってもよかった。


一部のアイドルユニットの少女たちのように、髪を染め、派手なメイクをほどこし、露出の多い衣装を着て「性=セックス」そのものを売り物にしてもよかった。


親元から離れてある程度自由になっていたのだから、私生活上でもっと崩れていても不思議はなかった。


このようなありがちな存在に堕さなかったのは、自分たちを支え、信頼してくれる大人たちの期待に応え、何よりも自分たちの望む自分たちになろうとする、あ~ちゃん、かしゆか、そしてのっちの強い意志、強烈な自我があったからです。


我々ファンが、少なくともその一部がこうも強くPerfumeに魅かれる理由は、キラキラとした可愛らしさ、ダンスパフォーマンスを核に据えたステージパフォーマンス、掴みどころのないキャラクター、高い音楽性、というよりも何よりも、時折垣間見える、メンバーたちの強烈な自我、意志にあります。


アイドル然とした佇まい、雰囲気に惑わされてしまいがちですが、Perfumeというユニットの魅力の一部はそのカリスマ性なんじゃないか、と思います。


カリスマ性という言葉も誤解を招きやすいのでもう少し詳しく書きます。


Perfumeのカリスマ性というのは、無批判な帰依を強制するものでは決してなく、彼女たちを通じて、自分と言う存在、大げさに言えばその生き方みたいなものを問い直すきっかけになる、自分自身への批判精神みたいなもの、と言い換えることが出来るかもしれません。


その象徴が、あ~ちゃん=西脇綾香さんである、と僕は考えています。


ただ、カリスマ性みたいなもの、は上記したようにPerfumeの魅力の一部でしかありません。


彼女たちはただキラキラとして可愛らしく、ダンスがかっこよくて、音楽がいけてる。

話も面白いし、ウィンクも上手だし、小悪魔だし、残念です。


Perfumeを結成し、守り、僕たちが愛するPerfumeを現在にまで送り届けてくれた、広島時代のチームPerfumeと、その中心にいたあ~ちゃんに感謝を捧げつつ、そしてこの企画はあ~ちゃんの誕生日企画でもあるという事実を今思い出し。


20歳の誕生日おめでとう、あ~ちゃん。


代々木で会おう、Perfume馬鹿たち ▽・w・▽ノ


Perfumeの女神 西脇綾香の光と、影 十年戦争~了