cwの


23:30


をようやく本格的に聴きました。

動画サイトにアップされているものの音質ではこの曲の魅力は伝わりきらないだろう、と思ってあまり聴かないようにしていたんですね。


みなさんの感想に多く見受けられる「ジャズっぽいアレンジを背景にしたJ-POP」という印象はたしかにこの曲の成り立ちを正確に言い表した言葉だと、あらためて感じました。


ボーカルのエフェクトはほとんどかかっていないんじゃないか、という風に聴こえますね。

この曲では「歌唱部甘く切ない班」あ~ちゃんかしゆかをメインにフィーチャーしてのっちが脇に回る、というボーカルの構成になっていて、ボーカリスト「樫野有香」、の天賦の声質が存分に生かされたMIXになっているように思います。


中田ヤスタカ、という才能について考えると、どうしてもメロディーメイカーであるとか、ブニブニのサウンドアレンジに目を奪われがちなんですが、ミキサーとしての腕の確かさ、みたいなものを強く感じますし、段々と成長しているんじゃないか、とも感じます。


かしゆかの声、にはたなbさんのおっしゃる同業他社のみなさん(笑)が束になってもかなわない、聴く者を引きずり込む虚無の穴が潜んでいます。


Perfumeの成立過程を考えるときにはのっちのスカウトばかりが話題になりますけど、かしゆかがメンバーに入っていて本当によかった、と最近ようやく(笑)思うようになってきました。

不安定な女神、あ~ちゃんの精神的支柱というキャラクター面だけではない、パフォーマーとしてのかしゆかの才能がどれほど貴重なものか。


彼女の声は甘いだけのものでは決してありません。

歌の時にはたどたどしく聞こえる言葉の発音と合わせて幼く感じ勝ちですが、その奥に潜む真っ暗な穴のような空虚さ、は長い永い時を経て獲得した、老いた魔女のものです。


あ~ちゃんの歌声が、同じように甘く、切ないものであっても、いい意味でも悪い意味でもJ-POPの範疇からははみ出さないものであるのに較べると、かしゆかの歌声はJ-POPどころか、同種の仲間を見つけることが困難なほど(声優系のボーカルをアニメ声、というだけでかしゆかと比べることはまったく無意味)孤独に隔絶しているように思います。


今回も、リード曲、cw曲合わせて、いいディスクになりましたね、うん。


あと、cw曲はこのくらい地味でいいんじゃないか、と思いました。

今まではもったいないくらいの名曲がカップリングされてましたからね、大盤振る舞いもいいところでしたから。 ▽・w・▽