これは、僕が一年に一度ずつ書き続けていこうと考えている「光と、影」の二つ目になります。

出来れば来年2010年の「西脇綾香の光と、影 約束された場所へ」までたどりつけたらいいな、と思っています。


 あ~ちゃんこと西脇綾香さんは、色々な面をあわせ持つ、深みのある、複雑に構成された人格の持ち主であり、それがファンにとって愛して止まない魅力となり、Perfumeを可愛いだけのガールズユニットにしなかった源泉となっています。


ただ、その反面その多面体のようなキャラクターが、ファン以外の人たち、あるいはファンからさえ非常に誤解を受けやすい原因ともなっていて、僕が「光と、影」を書いたのも実は、いずれかならず誤解されたままのイメージが広がっていってしまうだろうことに対する布石、のつもりがあったんです。


あ~ちゃんは、ただ生まれつきの「いい子」でも「天使」でもなく、Perfumeのあ~ちゃん、というキャラクターを長い時間をかけて作品として創りあげるように成長させてきた。


明るくはじけたキャラクターではあるものの、その反面、平凡で地味でおとなしい、とされるステージを降りた「西脇綾香」さんが、十代の少女が負うのには重過ぎる責任と努力を引き受けさせるためのキャラクターとして「あ~ちゃん」を創り、育て、やがて本来の自分「西脇綾香」と、少しずつお互いの領域を重ね合わせたものが、僕たちの知る「明るくて」「天然で」「フワフワとして」「誰もよりもファン想いで」「実年齢からは考えられないほどしっかりとしていて」「努力家で」「歌もトークもダンスも上手で」「天使のように可愛い」「Perfumeのあ~ちゃん」なんだ、という主旨で(実はそうだったんです 笑)書いたのが、昨年の「光と、影」です。


生身で生きる限り、そんないいところばかりの人間なんて存在しません。


あ~ちゃんにだって嫌なところもあれば、知ったら引いてしまうような欠点があることでしょう。


ファンがそれを知る必要もない、とは思いますが少しだけ書くと、人の好き嫌いが激しく、人間関係におけるプライドがすごく高く潔癖、自分が努力を惜しまないだけに他人にも同じレベルの努力や献身を求めがちで、自分の思い通りの方向へ物事が進まないとやる気を失いがち、なんじゃないか、という気がします。

そしてすごく嫉妬深いだろう、と。


僕があ~ちゃんを天使ではなく女神としたのは、ヴィーナスのようなイメージではなくて、夫ゼウスの浮気にいちいちヤキモチを焼いて、相手の女性を牛に変えたり、ゼウスとその女性の間に生まれた子供にまで苦難を与える嫉妬深い女神ヘラ、のイメージを感じたからです。


そして、その嫉妬の向かう先は、のっちだろう、と考えてました。


実際に書き始めるまでは。


書きながらネット上に存在する資料をあたり、古くからのファンの方のライブ、イベントレポを読み、自分なりに調べていくうちに、書き始める前の曖昧な構想のようなものは粉砕されます。


こっぱみじん。


僕なんかが矮小な思い込みで結論づけてしまっていいような人じゃなかった。


いいところも悪いところも含めて、本当にこの子、女神みたいな人なのかもしれない。


昨年の「光と、影」は、けっこう大風呂敷を拡げて自信満々に書き始めた割には、結論らしい結論も出せず、竜頭蛇尾なまま終わらざるを得ませんでした。


あ~ちゃんの、西脇綾香さんの「影」を、亀戸に代表されるインディーズ時代の苦難によるトラウマ、として書いたことは、現在では間違いだったと思っています。


削除せずにそのままにしてあるのは、ネット上に公開した以上は間違えてしまったことから逃げずにそのまま恥をさらせ、という自分自身への戒めであるとともに、それでももしかしたら、少しはまともなことが書いてあるのかもしれない、というパンドラの箱の隅っこに最後まで残った例の物への未練です。

見苦しい。


今年のチャレンジは、あ~ちゃんを中心に据えながら、もう一度Perfumeというユニットに含まれる「謎のようなもの」を、自分なりに考えてみたい、と思ってます。


誰に向けて、というよりは、自分の中にあるPerfumeへの愛情という混沌に、文章という形を与えて吐き出してしまいたいがために。


僕がこうした主観に捉われた文章を書き続けるのは、ファン歴が浅く、直接彼女たちと触れ合うチャンスなんて最初からなく、もちろんスタッフだけしか知りえない裏情報なんて知る由もなく、直接取材するチャンスなど決してないであろう一ファンが、少しでもPerfumeの真実という衣に触れるためには、読み物のように、物語を読むように想像を膨らませる、という方法しかありえないんじゃないか、と思っているからです。


なるべく資料に当たっているとはいえ、妄想といえば全て妄想だし、僕個人の思い込みでしかありません。


それでも、この「西脇綾香の光と、影」だけは、もう誰にどう思われようと、何と書かれようと、キモい、ウザイを連発されようと、自分の書きたいように書きます。


気の小さいおっさんが、なけなしの想像力を振り絞って。


次回では、なぜ、Perfumeが上京できたのか、について考えてみます。


他のBEE-HIVEメンバーは、既存の、プロ活動を始めていたユニット、ボイスタ、Buzyをのぞけば「みんなソロ活動」のタレントばかりだったのに、なぜPerfumeだけがユニットごとの参加となったのか? ▽・w・▽