片膝をついてしゃがむかしゆか、膝をゆるく曲げて中腰になったあ~ちゃん、肩幅くらいに足を広げて真っ直ぐに立つのっち。


お互いの右手を、のっちがかしゆかの、かしゆかがあ~ちゃんの、あ~ちゃんがのっちの、それぞれの顔に当てて短いイントロが始まり、あ~ちゃんのソロパートで歌が始まる。


ポリリズム


の振り付けは、広く知られているようにサビ部分、CMで使われた部分の振り付けを香瑠鼓さんが、それ以外の振り付けをMIKIKOさんが補完した合作となっています。


そう言われて見てみても、異なる個性を持つ別々の振付師の作品のキメラであるとは分からないほど、スムーズな展開となっているように思えます。


この曲は、テレビ収録などではまったくの口パクと、一部音源に生歌を被せる、という二通りのパフォーマンススタイルで披露されていて、あまりマイク音声には拾われませんが、おそらくライブでもポリループの後、のっちのソロパートから始まる歌詞の部分は歌っているのだ、と思われます。


SEVENTH HEAVEN


では、ポリリズムのネガのように、あ~ちゃんのっちが膝立ちする真ん中にかしゆかが一人立つ、という始まりになっていて、たしか07~08カウントダウンライブの時には、


どれだけ~ 


という歌い始めのかしゆかのソロパートでは、音源+生歌くらいの被せた状態での披露だったような記憶があります。


ここら辺がちょっと不思議な気がします。


素人考えなんですが、歌唱力のはっきりと分かるソロパートを口パクにするならともかく、Perfumeの場合はユニゾン部分での口パクが多いような気がするんです。


もしPerfumeのリップシンクが、歌唱力不足を補うためのものなら、3人で歌うユニゾン部分の方がなんというかごまかしも利くからそちらを生歌+被せにして、ソロパートの部分を口パクにしたほうがいいんじゃないか、と。


ライブ中のPerfumeのマイクは、おそらく基本的に常時ONなんじゃないか、と思います。

何と言っても「煽りの女王」あ~ちゃんがいつ「ヒューヒュー」言い始めるか、誰にも予測できませんし(なんて言いつつ、しっかりと煽っていいところと、煽らないところを使い分けているような気も)、いつ「ありがとうございます!」と、ファンへの感謝の言葉を挟みこむかも分かりませんから。


となると、どの部分をリップシンク=口パクにして、どの部分で生歌を挟み込むか、という点も、気まぐれにではなく(のっちは例外として)かなり厳格な約束事として決まっているんじゃないか、という気がします。


その約束事のルールみたいなものがあるのか、を実は現在も考え中でして、そこでまたまた仮説。


Perfumeの曲でユニゾン部分のリップシンクとなる比率の高くなるのは、多層に重ねられたメロディ+ハーモニーの雰囲気をライブで再現することが非常に困難だからである。


メンバー3人の声が溶け合うように重なり合うボーカルエフェクトを受けたユニゾンは、Perfumeサウンドの最高の魅力じゃないか、と思います。


特に2007年に発表された「チョコディス」「ポリ」「SEVENTH」の3曲は、ユニゾン部分のキラキラ感が強く印象に残り、そのキラキラ感をたとえ音源を被せた状態でも生歌で再現するのは難しいような気がします。


「チョコディス」「SEVENTH」は、ステップを多用した振り付けですし、「ポリ」も上体をかがめたりする振り付けを含む曲です。


しかも、熱唱型の曲でもない。

声を張り上げて歌えば、楽曲の世界観は崩れてしまうような気がします。


歌唱法、エフェクト、振り付け、楽曲の世界観の尊重。


これらの要素が重なり合って、チームPerfumeによって堂々と繰り広げられるかに思えたリップシンクというパフォーマンスのスタイルは、2007年の暮れに発売に先駆けて発表された


Baby cruising Love*マカロニ


というダブルAサイドの、生歌による披露も考慮に入れられたかのような両曲によって揺らぎます…▽・w・▽