ポリリズム


のパフォーマンスについて考える前に、この曲の成立過程を振り返らなければなりません。


みなさんご存知のように、この曲はライブ初披露の段階から現行のパフォーマンス、ポリループ入りフルコーラスバージョンが完成するまでに約八ヶ月の時間を要しています。


ライブ初披露は2007年7月5日、代官山ユニットで行われたワンマンライブ


Perfume ひこぼし☆募集中


アンコールの1曲目でした。


この時の「ポリ」は、現在我々が知っているバージョンではなかったはずです。


おそらく、この後8月11日サマーソニック大阪会場に出演した時(明らか過ぎる盗撮動画がアップロードされてましたね(笑)笑い事じゃねーか)と同じバージョン、振り付けの最初でかしゆかが座ることがなく、いきなり


くり返す この ポリリズム


という歌詞の部分、ユニゾンから曲がスタートするバージョンだった、と思われます。


このバージョンは、歌詞、メロディいずれも現在とは一部違っています。


成立過程を考えると、


まずCMに使用されるサビバージョンがあり(キーワードの指定込み?)


⇒次いで初期フルコーラスバージョンが完成し


⇒CD化直前に現行フルコーラスバージョンが完成


⇒アミューズ、TJC側と中田ヤスタカによる「ポリループ」部分の話し合いがあり


⇒ラジオエディットバージョンが追加


⇒CD発売


⇒ライブ披露(『ポリループ』無しバージョン)


⇒渋谷AX ソックス フィックス マックスでの「ポリループ」初披露で

 フルコーラスバージョンの振り付け完成


ただし、実際に「ポリループ」バージョンがアミューズ・TJC側に提出されたのがいつだったのか、に対する解釈は幾通りも考えられます。


普通に考えるなら、8月11日のサマーソニック大阪会場出演時からCD発売(9月12日)までのほんのひと月ほどの間に、それまでとは違うバージョンが新たに提出され、コンポーザーとプロモーター側の間で話し合いが行われて、というのでは工場でプレスされるのに間に合わないんじゃないか、という気もします。


メロディ、歌詞、アレンジを変更することで振り付けにも影響が出てしまいますし。


この時期MIKIKOさんはまだ日本には帰国しておらず、もし変更が知らされたならそれはPCのメール経由、そこから振り付けを変更してビデオに撮り、それを日本に送り(データ化してメール?)、Perfumeが覚え…これらの過程を全部一ヶ月以内に?


すでに何度かライブで披露さえしている曲を発売直前になってから急に変更できるものなのか、ということを考えると、現行「ポリループバージョン」は、もっと早い段階から提出されていて、一度ボツになりかけ、中田さんと依頼主側との話し合いが行われている間に、そもそもはプロトタイプでしかなかったサマソニバージョンが妥協案として披露されていた……のかもしれません。


サマソニバージョンは、本来のメロディやテンポ、アレンジが分かりやすくなっていて穏やか、しかし「ポリループ」という大きな仕掛けがない分クライマックスに至るまでの過程が平坦で、やや地味な感じを受けます。


もし、中田ヤスタカさんによる説得が功を奏さず、「ポリループ」部分の無いサマソニバージョンか、ラジオエディットバージョンのままだったら。


「ポリリズム」が、これほどライブで盛り上がり、モッシュ状態を呼び込むようなキラーチューンになることもなかったのかもしれませんね。


今回はちょっとリップシンクそのものとは関係のない場所へ寄り道。

思いついちゃったものですから。


次回こそ ▽-w-▽