あなたがのっちファンだというのであれば。


DVD「GAME」で「PSPS」を歌うのっちから目を離してはいけない。


このDVDの収められた「PSPS」は、歌の最後の部分であ~ちゃんの


ありがとうございます!



という声が入っていることからマイクがONになった状態での「口パク」だった、ということが分かるのですが、ところどころでのっちの声をマイクが拾ってしまっています。


特に歌詞で言うと、曲終わり頃の


I still love キミの言葉がまだ離れないの


以降の部分で、のっちは口を動かす時に一緒に声を出していて(歌うというより歌詞を読むように)、それがマイクに拾われてDVDの音声の中に紛れ込んでしまっています。


これは、WMPとかGOMとかリアルプレイヤーではちょっと分かりづらいかもしれません。

僕のPCではDVD再生ソフトInterVideo WinCinemaManager が一番はっきりと音声を再現しています。


さらにのっちはこれまた最後の方の


届かない


の「な~い♪」の部分(すごく頼りなく不安定なファルセットボイスで)や


凍りついた時間が


という歌詞の部分では我慢し切れなかったのか、思い切り声を出して歌っちゃってます。


歌うこと踊ることが楽しくてしょうがなくて、ステージ演出上の約束事が吹っ飛んでしまうのっちの姿におっさんちょっと感動です。


パーフェクトスター・パーフェクトスタイル


という、印象的で暗示的な歌詞は、ライブでのパフォーマンスではバックトラックのコーラスとして処理されていて、3人が口元にマイクを持っていくことはありません。


歌部分の歌詞では、この言葉がそのまま出てくることはなく(あ~ちゃんのソロパートで『君はパーフェクトなスター』とは歌われてますけど)、曲のタイトルが歌詞の中に何度も登場することの多いPerfumeの曲の中では珍しいスタイルになっています。


親指と小指だけを立てて天を指し、揺らす振り付けにファンも参加して会場の一体感を増すライブに欠かせない1曲ですよね。


この曲の振り付けに関してはMIKIKOさんじゃないんじゃないか、という説も根強く、ちょうどこの2006年からアメリカに留学していたことから信憑性がついてしまっているんですが、実際どうなのか、は分かりません。


他の誰か、の名前がはっきりと分からずMIKIKOさんのプロフィールに「インディーズ時代も含めて全作品の振り付けを担当」と、書かれていることから考えると、やはりこのファンに愛されるキュートな振り付けもMIKIKOさんの作品と思っていいんじゃないか、と思います。


歌い始め直前の素早いターンや


手をのばしても もう届かない


の後に来る、スタンッ、というブレイク音の部分など、この曲の振り付けは厳密にリズムやテンポに対応していて、そのハマり具合が見るものに爽快感のような感覚をもたらします。


歌詞の振り分けが非常に複雑、ソロパートあり、あ~+かしがあって、しかもそれが一瞬だったり、かし+のち、は一箇所しかなかったり、と規則性みたいなものはまったくありません。


振り付けがぴょこぴょこしていて可愛らしい部分の歌詞


ありのまま ゆらがないように 後ずさりなんてできない


がのっちの、


後半の


愛の前に 悩まないように 後戻りなんてできない


がかしゆかのソロパートになっているのが印象的。


このソロパートを子供っぽいエフェクトを受けた声と動きにした中田ヤスタカ&MIKIKOの強力なタッグは、このあと益々ライブでの生歌披露を考慮しない作品を創りあげていく両輪として機能していきます。


歌詞と歌い手の実年齢や容姿、楽曲と振り付け、などユニットとしてのイメージがほぼ完成を見るこの曲は、かなり早い段階から「口パク」状態のパフォーマンスだったのではないか、と思われます。


メジャーデビュー後も被せた状態での生歌披露を模索してきたPerfumeなんですが、映像を観る限りではアルバム「コンベス」発売の時期くらいから、


全国インディーズ期に発表した曲は生歌+被せ


メジャーデビュー後の曲は、一部だけ被せ+生歌、もしくは完全な口パク


と、パフォーマンスにおける「リップシンク」の使い分けを行うようになっていったようです。

僕個人の経験で言うと、ライブ初参戦となった07~08カウントダウンライブの際、けっこう張り切って詳細なメモを残してありまして、この時に生歌率の高さに驚くとともに、割と最近の曲はやはり「リップシンク」で披露されていたことにも気づいていました。


GAMEツアーからは全国インディーズ期の曲がほとんどセットリストから消え、それによって生歌率はどんどんと下がっていき、武道館ライブでは被せた状態でも生歌披露と言えるのはかろうじて「ジェニー」(これも怪しかった…)「パピラ」「w2」もしかしたら「マカロニ」も、という限られた曲くらい。


やはりメジャーデビュー後に顕著になったボーカルエフェクトが楽曲のイメージを決定付けていて、生歌ではその世界観を崩してしまうかもしれない、という懸念が「リップシンク」というスタイルを選択させたのかもしれない、という仮説が、有力になってくるのかもしれません。


この「PSPS」でサウンドとユニットのイメージを統一、融合させることに成功したPerfumeは、この後「TSPS」でクリスマスをイメージした曲を、2月の発売時期に合わせて(実際には遅すぎたことはファンの誰もが知っている)「ディスコ」を発表し、少しずつ活動をより商業的な、売れ筋な方向へ向けていくことになります。


そしてPerfumeのリップシンクというライブスタイルは


チョコレイトディスコ


という曲の登場に合わせて、いよいよ完成に近づきます ▽・w・▽