Perfumeの3人の仲の良さってなんなんだろう?


あの3人を見ていてそう思うことってありませんか?


普通アイドルグループであれ、ロックバンドであれですよ、仕事は一緒にやっててもそれ以外ではお互いが何をどう思っているのやら内情はぐちゃぐちゃなんてこと、ありがちなことなんじゃないか、と思うんです。


でも、あの3人マジで仲がいいんですよね。

昨年なんかクリスマスを仲のいい女の子3人で過ごしたって小学生か!ってくらいに微笑ましくて。


長い間一緒いるからっていうだけでは言葉が足りない。

多分あの三人にしか分からないことがたくさんあって、それをともに経験して物事に対する感じ方とか対処の仕方とか3人で力をあわせなければどうにもならないことが何度もあって、それは友達でもなくて仲良しでもなくて戦友という言葉が一番よく似合う関係を作り上げることになったんじゃないか、と思います。


Perfumeのメンバーとしては個性、役割分担がはっきりとわかれています。


あ~ちゃんはブルドーザーみたいにPerfumeの活動という土地の枠を押し広げ、かしゆかが整地して、その中でのっちが暴れまわるみたいな(笑)感じで(SFの世界の星新一さん小松左京さん筒井康隆さんみたいな関係だな、これ)。


でも、一緒にいる3人を見ていると柄は違っても同じ母犬から生まれてきた子犬みたいに雰囲気が似通っていて意味も無いのにじゃれ合っているように感じる。


にやにやしている自分に気づいて何やってんだ、おれ!と自分に突っ込んだおっさん世代の方って多いんじゃないんでしょうか。


僕にはPerfumeというユニットの存在それ自体が一つの作品のように感じられて仕方がないんです。


3人が3人ともPerfumeのために自分が何をしたらいいのか、という点について細かく考えてそれぞれの役割を果たす。

他の2人と役割が被らないように、余計な摩擦や軋轢が生じないようにじっと観察して自分の言動を決めていく。


ブレイクした時にはまだ全員が10代の女の子だったことを考えると、Perfumeの3人には浮ついたところがなく、逆に言うとアイドルに求められるキャラキャラとした雰囲気はなくて、ベテラン感が漂うというか(笑)どっしりと落ち着いているというか、大地に根を下ろしているというか。


Perfumeの中心、重心というのはいくつもあってキャラクター的にはあ~ちゃん中心、パフォーマンスでは割とのっちをメインに据えて、みたいな感じを受けます。


じゃあ、かしゆかは?というと、皆さんがおっしゃっているように黒幕というか、参謀タイプというか、かしゆかがいるからあ~ちゃんが我がままにならず、のっちが全体のバランスを崩すほどには独走しないんじゃないかなって気がします。


実はけっこう2人ともそれぞれのパターンでマイペースですから。


だって、かしゆか怒ると怖いもんね。


2人の間でこんな言葉が交わされているかどうかは分からないんですけど、かしゆかが普段から自分を抑えて、或いは前に前に出ることをせず少し下がったところから支えているから、Perfumeがユニットとして成立している面は大きいと思うんです。


僕はかしゆかが「ストイック」という言葉を使うたびに、それは劣等感が言わせているんだ、と感じていました。


華やかな才能に恵まれた2人の間に挟まれて、自分を厳しく律していないとPerfumeのメンバーとしてついていけなくなる。


そんな気持ちが言わせているんじゃないのかって。

でもどうやら、そればかりでもないらしい、もっともっと樫野有香さんという一人の女性の奥の深い場所からその言葉が出てきているのかもしれない、と最近では思うようになりまして。


かしゆか、すっげー我がままで自己中心的な人なんじゃないかって思うようになりました。


今ではふにゃふにゃしたキャラクターみたいに受け入れられている部分が大きいみたいですけど、過去の映像やラジオ放送、特に「ドッキドキオンエアー」あたりまで遡ってもらえばおわかりいただけるんじゃないかな、もともと気の強さ、性格のきつさでは天下一品の人です。


のっちに対して、だけでなくあ~ちゃんにまでかなり強気の態度に出てますからね、僕は「狂犬かしゆかの時代」って勝手に呼んでいて、まあ、かなりのもんです。


そのかしゆかが、現在のふわっとした、体重を感じさせないような軽やかさを身につけるのには、きっと色々と失敗したり、人を傷つけたり自分が傷ついたりしたこともあったんじゃないかってのは、もう妄想の領域(笑)、でも、そんなに的外れでもないんじゃないかなって気がします。


頭のよい人です。

聡明な女性です。

そして、Perfumeのメンバーが誰でもそうであるように、Perfumeに対しての自己犠牲を厭わない女の子です。


僕はかしゆか推しではないんですけど、それでも時々ぎゅっとして肩か頭をぽんぽんとたたいて「いつもPerfumeのためにありがとうね」と、言ってあげたくなります。


彼女の頭のよさ、他人の言動に対する的確なレスポンスの早さ、はPerfumeの内側でも、たとえばテレビ、ラジオ、活字メディアなどの外部に対しても非常に効果的に作用し、聡明な部分でPerfumeとしての雰囲気作りに貢献している。


「狂犬」が「天使=小悪魔」になるために身につけなければならなかった衣装が。


本来の自分の何分の一かを殺した、禁欲的=ストイックな自分、だったんじゃないかなって気がします。

それが自然と感じられるまでになっていることが、どれほど凄いことか。


僕たちがPerfumeというユニットを応援する元になっているのは「愛情」だけではなく、彼女たちに対する「敬意」が大きい。


そりゃそうですよね。


Perfumeには、「女神」と「天使」がいるんですから。


Perfumeの天使 樫野有香の禁欲と放恣 ~ ▽・w・▽