とは言うものの、まあいい終わり方をしたんじゃないだろうか、『プロポーズ大作戦』。


前回の日記で、ハッピーエンドにつながるロケ現場目撃情報、と書いたのは、ウェディングドレス姿の長澤まさみが 「ケンゾーーーー!」 と、叫びながらタクシーを追いかける、というもの。


つまり披露宴会場から飛び出して健を追いかけたわけだから、多田と結ばれる線は消え、その時点でハッピーエンディングは確定。


あとは、9話までに張り巡らされたように見える数々の伏線 (のようなもの) をどのようにエンディングに結びつけ、視聴者である我々のモヤモヤを解消してくれるのか、にかかっていたんだけど…


2ちゃんねるのテレビドラマスレッドで57 (1スレッドには1000個のコメントが書き込めるので、つまり57000個以上のコメント) を費やしてまだその数が増えつつある、という現象を巻き起こし、原作を持たない恋愛ドラマとしては久々のヒットとなった 『プロ大』。


6話目からの各エピソードの救いの無さで、ハッピーエンドで物語を終わらせるまでのハードルを高く高く設定してしまったために、その期待はいやがおうにも高まっていた。


それが、今夜の最終回のあのラスト。


一応ハッピーエンドにはしておきましたんで、二人のその後は、みなさんでそれぞれ想像してください、といわんばかりの、投げっぱなしジャーマン。


2ちゃんや、ミクシィの長澤まさみコミュなどで散々書かれていた、あれだけモヤモヤさせられたんだから、想いが通じ合った後の、健と礼の幸せな姿をはっきりとした形で、分かりやすく観たかった、という感想は至極正しい。


ドラマのストーリー自体は単純明快なものなのだし、出演者たちもいい雰囲気を作りあげていたし、ベタな展開の連続でも十分楽しめたはずなのに、なぜに余計にこねくりまわすんだ演出スタッフ、というのが、おれも含めた視聴者の意見の総意にごく近いものなんじゃないか、と思う。


しかも今回も出た、長澤まさみの法則。


『タッチ』 でも 『ラフ』 でもそうだった。


幼馴染や過去にひそかなつながりを持つ相手といつか恋愛感情を持つようになり、想いが通じるかに見えて、なんらかの理由でいったんは気持ちが離れてしまい、土壇場になって相手への想いをこらえきれなくなって、相手のいる場所へと走り出す。

それもかなりの全力疾走で。


東宝の好みなのか何なのか、は分からないけど、三度目、というのは使いすぎなんじゃないか、このパターン。


顔をくしゃくしゃにした笑顔がふっと真顔に戻ると、なんとも切ない表情になる、というのが、長澤まさみさんという女優の持ち味ではあるんだけど、それに頼りすぎてんじゃないのか、とお前誰なんだマネージャー目線か、と突っ込まれそうな気持ちにもなる。


『プロ大』 に話を戻すと、数々の伏線が回収されることもなく (あの指輪でさえ、エリから渡されてそのまんま。普通はめてみせるだろう、健の目の前でさ~) 礼の気持ちがどこに、誰に向いていたか、を礼自身のモノローグで言わせる、という安直な道を選び、その上、二人の行く末を含めて視聴者の想像にゆだねる部分がでかすぎるだろう。


…とは言うものの (本日二回目)、11話自体はそんなに悪い話ではなかったと思う。


特に健のスピーチからスライドショーに進み、礼が多田に後押しされて式場を飛び出すエピソードはベタながら大正解。


だからさ、そのままベタで行けばよかったのに。


仕事柄披露宴勝負には拒否反応みたいなものが出るか、と思って観てたんだけどそれほど後味悪い、とも感じなかった。


無駄に思えたタイムスリップが結局は礼の気持ちを健に向けさせることに役立っていた、というのも全11話を観ていたものとしてうれしかったし。


ただね、このドラマ、およびその周辺をこれほど盛り上げたのは、ドラマのストーリーそのものよりも、このキャスティング、この設定があれば、もっと面白いドラマになったんじゃないか、という欲求不満そのものであって、それは最終回まで解消されることがなかったんだよね。


ある意味爽やか~なラストシーンだし、ある程度礼の気持ちも聞けたし、最悪はまぬがれたけど、やはり、物足りなさは残る。


となると期待はDVDのディレクターズカット的なもので追加シーンがあるかどうか、なんだけど、この演出スタッフ、確信犯ぽくてその可能性も薄い…


とりあえず、三上博史に助演男優賞を捧げる、ということで自分勝手にすっきり▽・w・▽