いや、だからさ、もちろん長澤まさみちゃんだけじゃないわけよ、注目しているのは。


前にも少し書いたけど、若手女優の出演している邦画のDVDを観まくっているわけだ。


今夜も『幸福のスウィッチ』を観た。


主演は上野樹里。


上野樹里出演作品は


『亀は以外と速く泳ぐ』

『スウィングガールズ』

『サマータイムマシーンブルース』

『笑う大天使(ミカエル)』

『幸福のスウィッチ』


と5作品を観ている。


この後『虹の女神』という映画のDVDも観るつもり。


上野樹里、という女優の名前を聞いて、まず思い出すのは眉間のシワだ。


この人、ちょっとした表情の変化の際、必ずといっていいほど眉間にシワがよる。
基本的に不機嫌そうに見える顔の造りをしていると思う。


DVD特典のメイキング映像なんかを見ていても、撮影外の時間のちょっとした表情が険しく見えることも多い。


柴咲コウや、長澤まさみを指して言う意味の美人、とは違う系統に入る顔で、英語で言うファニーフェイス、という感じ。


表情の豊かさで勝負するタイプの女優だと思うし、不機嫌な表情から一変してからりと笑う笑顔にはとても惹きつけられるものがある。


この人の出演作品の中で一番面白かったのは、実は主演作品ではない『サマータイムマシーンブルース』。


ヨーロッパ企画、という小劇団の舞台作品を映画化したもので、ある大学のSF、という言葉の意味も知らないおちゃらけ同好会SF研の部室に、タイムマシーンが現れる、という内容。


タイムマシーン、と聞くと、過去を改変することで未来が変わるとか、いや、歴史には自己修復機能みたいなものがあるので、そう簡単に過去を変えることは出来ない、という深刻な話を想像しがちなんだけど、この映画の中で主要登場人物たちが何にタイムマシーンを利用するか、というとただエアコンのリモコンスウィッチを取りに行くだけ。


夏のある日、ふとした出来事でエアコンのリモコンが壊れてしまったために、涼むことも出来ないでいるSF研の部室にタイムマシーンが現れる。

未来のSF研メンバー、つまり後輩が乗って来たらしい。


はじめのうちはふざけてタイムマシーンに乗って遊んでいるのだが、本物だとわかって大盛り上がりになり、さて、じゃあ、何をしようか、という段になって思いつくのが、昨日に行けばまだ壊れていないエアコンのリモコンスウィッチを持ってこれる、ということ。


このタイムマシーンの利用のしかたの無駄さ加減といい、仮にもSF研を名乗りながら、タイムパラドックスのことなんかまるで気にしないいい加減な行動といい、従来の日本映画には無かった筋立てで、なんかその軽さ加減が観ていてとても気持ちよい。


上野樹里は、このSF研の部室の一部を暗室として利用している写真部の部員で、SF研のメンバーの一人である瑛太とお互いを意識し合う関係にある、という役柄。


以前の日記に書いた、本広克行監督による「上野樹里は天才だ」という発言は、この映画のラストシーン近くで見せる上野樹里のある演技、表情を指したものであって、なるほどそう言いたくなるよな~と思わせる、この時にはこの顔、この表情しかないよね、という演技が出来るのがこの人の底力だと思う。


まだストレートな恋愛物への出演が少ないのが、この人のキャリアのやや不思議なところ。


『虹の女神』は、切ない青春恋愛映画のようなので、新たな面を見られるのではないか、と今から楽しみだ。


さて、20歳前後の若手女優には才能豊かな人が多い、と前にも書いた。


宮崎あおい(電撃!)とか沢尻エリカ(ご存知姐さん)とか、堀北真希とか綾瀬はるかとか相武紗季とか、これからの活躍が楽しみな女優が多いんだけど、その中でも、突き抜けた存在になりつつあるのが、


長澤まさみ。

と、

上野樹里。


でも、この世代の恐ろしいところは、この二人をもしのぐ 『天才』 が存在する、ということだ。


もちろん、


蒼井 優


のことなんだけど、それはまた多分続きの話▽・w・▽