波切不動尊や茨原神社を後に、さらに西へ清水駅を目指して進む。

しばらく進んで本陣跡の前を通る。
記念館のように見学出来るようになっていても連休明け、というせいか休館のようで中は見られなかった。

旧東海道のルートは道沿い、あるいはやや離れた場所にやたらと神社仏閣が多い。

写真は清見寺というお寺で、なかなかに立派な本堂だった。

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ここには、琉球王子の墓、という史跡があるそうで、江戸時代には外国であった現在の沖縄、琉球王国から使節として訪れていた琉球王国の王子が病に倒れてそのまま客死したのを弔っている。

境内のどこにあるのか、と探して本堂の横を見てみると、そこには五百羅漢像がずらり(写真2)。

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この写真の先に墓地へ続く道があって、その道端にも羅漢像は置かれている。

境内には宿坊があり、その裏側には美しい中庭があって見学できるようだけど、時間的にもう夕方で他に誰もいなかったので申し込むのも気が引けて断念。

結局琉球王子の墓は発見できなかった。
琉球(沖縄)、という土地柄、きっとダンスや歌のうまい王子様だったろう。

清見寺を後にしてさらにさらに西へ進むと、旧街道沿いのルートから国道一号線へと合流する。

それからはただひたすら一号線に沿ってずーっと歩く。

国道まで出てしまうと旧街道の雰囲気もほとんどなくなり、どこにでもある道路沿いの風景が続く。

食べ物屋があって個人商店があって、パチンコ屋の看板と中古ゲーム屋とガソリンスタンドとコンビニと信用金庫。

まったく世の中には色々な信用金庫があるもんだ、と思う。

大体において信用金庫の多くは本来その土地から少し外れた地名を頭につけていることが多い。

沼津に三島信用金庫があったり、富士市に富士宮信用金庫があったり、清水にはなぜか焼津信用金庫があったりする。
いくらなんでも地理的に外れすぎているんじゃないか、と思うんだけど、あるんだから仕方が無い。
港つながりかもしれないし。

さらに歩いていくと道路が大きくなり、清水駅前に続く大きな通りになる。

この頃には長くなった陽もすっかり落ちて辺りは夜の世界へ。

暗くなった街が様々な色や種類の明かりに彩られる。

歩いていると感じるんだけど、やはり昼と夜では街、あるいは町の雰囲気ってがらりと変わる。
大きな街はよりいっそうにぎやかな雰囲気になるけど、小さな町はひっそりと息を潜めてやがてまた朝になるまで本当に眠るように静かになる。

この清水では、駅前ということもあってまだ結構にぎやか。

清水駅に来たのは本当に久しぶりで、しかも駅の外を歩くなんて10年以上ぶりのことだった。

歩いている途中からおなかが空いていて、カレーが食べたいけど、どこかの喫茶店とかの業務用のカレーじゃな~、せめてCOCO壱でもあればいいけど、大体郊外にあるし…なんて思っていると。

あった。
本当にCOCO壱があった。

しかも駅前ビル、清水駅前銀座通りの入り口付近の一階にテナントとして入っている、という珍しいパターンだ。

大体COCO壱って郊外の駐車場を広く作れるような場所にあることが多いのに、駅前に、ドトールあたりがお似合いの場所にあってくれた。

もちろん大喜びで入る。
COCO壱でも、なんて言い方をしたおれが愚かでした。
ビーフカツカレー、おいしゅうございました。

カレーに満足して帰ろうか、と駅構内へ入る。

変わった。
清水駅、すっかり、なんというか、大人びた、というか近代化された、というか、昔は割と地味な駅舎と駅前だったのがすっかり洗練された感じになっていた。

特に港側の方、大きく広い駐車場が作られ、そこが街灯に照らされて美しい。

いいな~、今更大都会に行きたいとは思わないけど、せめてこのくらいの大きくて便利で街並みがきれいな所に住みたい。

そういえば清水駅近辺にもビジネスホテルが多いな…
と、言うことはきっと内部にはレストランも…

なぜかすぐに帰りたくなくなって、意味無く、静鉄に乗ってみたり、港側をまた少しだけ歩いてみたりして、帰りの電車に乗ったのは午後10時近く。

この日も家に着く頃にはすっかりクタクタになっていたけど、それも気持ちのいい、良い休日になった。

これからは休日を過ごすなら、清水がいいかも知れないな▽・w・▽