今日は草薙駅~東静岡駅間を歩いた。

が、しかし、その前にもうけっこう前のこと、5月6、7、8日のレストランの三連休、7日に清水駅まで歩いた後、続く8日には早くも清水駅~草薙駅間を歩いていたのだった。

駅からさほど遠くないところにある、エスパルスドリームプラザに立ち寄って、何せ道を知らないものだからその後三保のあたりに向かう道を進んですっかり迷ってしまい、なぜか清水の次郎長の生家とやらを見物する羽目になった。

自分がいったいどこに進んでいるのか、という前にどこにいるのかさえまったく、全然、すっかり分からなくなってしまったので不本意ながら路線バスに乗って、一度清水駅近くまで戻り、結局エスパルスドリームプラザから清水駅に向かって少し戻ったところの道を西に向かって歩けばよいことが判明。

そこから先はただ幹線道路沿いに歩いただけなので、特に書き記すほどのことはなかった。

ただ、ジャスコの脇の坂道越えがきつくて、この道をなんらかの事情で毎日歩いたり自転車で通らなければならない人はさぞかし大変だろう、と思ったことを覚えている。

そして今日だ。

まずいつものように電車に乗って草薙駅まで。

西に向かうその前に最近すっかり神社好きになっているので、駅前の通りに大きな鳥居のある、草薙神社に寄り道。

それがこれ。

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ここまで駅から歩いても10分くらいだったか。
神社を見学し、写メを何枚か撮って、石段に座ってコンビニで買ったお茶とパンで昼食を済ませる。

神社脇の道を自動車が引っ切り無しに通っていく。
日本平に向かう人たちだ。

大勢の人を乗せたワゴン車から、軽自動車、ツーリングのバイカー達。

神社の後、日本平にも行こうか、と思って少し歩き始めたんだけど、とにかく自動車の通行が止まず、しかも歩行者が歩きやすい道が別に作られているわけでもなくて危なかったのでヤメ。

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この写真は、引き返す途中、幼稚園の隣の空き地に置いてあった廃バスで、農家の人が使わなくなった農具なんかを置いているようだった。

これで誰かがこのバスの中にくらしているようだと、アメリカのディープサウスっぽくて面白いんだけど、ようするにただの物置でした。

そこから草薙駅前の道には戻らず、少し降りた所から西に進んで、県立大や美術館、中央図書館などへ続く道を歩く。

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そしてたどり着いた県立大前の並木道。

すばらしい環境である。

こういう雰囲気、大好き。

この並木道、日曜ということもあって学生の姿はまばらで、近所の住宅街に住む人たちがウォーキングをしたり、犬の散歩をしていたり、ベビーカーを押しながら歩いていたり、のどかで平和、この風景をこのまま額縁にはめ込んで『ザ・休日』とタイトルをつけて飾りたいくらいだ。

たしか、Bにいた頃のバイトの後輩の中ではT姉妹Aくんがここの出身のはず。

うらやましい~。

あのN山から毎日ここまで通うのはいろいろな意味で大変だったろうし、かったるい朝も多かっただろうけど、この環境で十代の終わりから二十代の始めの時期を過ごせた、というのはホント、ただただうらやましい…

この県立大前の並木道を抜けると、南幹線、と呼ばれる大きな道路へと続く坂道、並木通りになる。

ここらあたりはマンション、というほど大きな建物はほとんどなく、ちょっとお洒落な感じのアパートや一戸建てが多く、高級住宅街、と言った雰囲気。

坂道の途中にカフェや公園もあって、こんな所で暮らしてみたいもんだ、と思う。

公園は谷田の宮何とか公園という名前だったと思う。
今日のことなのに早くも記憶が怪しいのは、公園の奥に行って一休みしよう、と歩き始めたとたんにベンチで抱き合うカッポーの姿を見て、仕方なく入り口付近の通りから丸見えのベンチに座って一休みせざるを得なかった無念さのなせる業かも知れぬ。

名残りおしいけど、坂道を降りて下界の幹線道路へ。

この南幹線はやや距離は離れているものの、ほとんどJR東海道線と平行しているので、東静岡駅までは迷う心配もない。

西へ進むとやがて草薙総合運動場や草薙球場などが集まる区域へと出る。

この中にも芝生広場、と名づけられた場所があって若い夫婦たちが小さな子供を遊ばせている。

ベンチに座ってまわりを見ていると、隣のベンチには小奇麗な格好はしているものの、全財産をリュックサックに詰め込み、自転車で移動しながら生活する、ホームをレスしてしまった風情のおじさんがいて、さらにまわりを見渡すと、日のあたる場所にあぐらをかいて座り込んだ、上半身裸の格闘技でもやっていそうな体格の青年が文庫本を読みふけっている。

文庫本を読むくらいでそこまでは必要ないんじゃないか、と思いたくなるほどの集中力だ。
すぐそばを小さな子供が走りすぎても微動だにしない。

そんな人たちに別れを告げ、さらに西へ。

途中で古本屋があるので立ち寄る。
近頃流行のチェーン店系の古本屋ではなくて、個人経営の店。

店の外に文庫本やコミックの棚。
中に入っても中心はノベルスや文庫本やコミック。

奥のほうにややプレミアのつきそうな芸能人の写真集や映画関係の書物が置いてあって、どうやらここらあたりが店主の趣味と見た。

小説関係には実は詳しくないらしくて、村上春樹さんの単行本の中ではあまり知られていない 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』 という、紀行本の初版本がたった380円で売られていたりする。

もちろんゲット。
さらに、 『カンガルー日和』 の箱入り単行本、もちろん初版がこちらは300円。
ガルルルル~とあたりを威嚇しながらゲット。

あと、小林信彦さんの映画館系の文庫本も合わせて計三冊購入860円。
安い買い物だぜ。

その店を出て時刻は午後五時過ぎ。

軽く空腹。

鼻をひくつかせながら歩いて、さすがカレーマスター、 『マハラジャ』 という、インド人が調理するインドカレー屋を見つける。

インド人のウェイトレスさんに迎えられて店の中に入り、オーダーを取りに来たインド人のコックさんに 『サギカレー(ほうれん草とチキンのカレー)』 と『バターライス』を注文する。

やってきたのは予想通りに緑色のカレー。

黄色く染まったバターライスと合う。

カレーがおいしくてぱくぱくと食べすぎ、ルーが余ってしまったのでナンも追加注文。
やってきたのはおれの両手を広げたくらいの大きさの熱々のナン。
表面がパリッとして中はモチモチ。
大変、おいしゅうございました。

店を出てさらに西へ進み、無事東静岡駅へ到着。

ここの駅舎も現代的なデザインで、清水駅と同じようなコンセプトで作られているようだ。

駅というより、ちいさな空港、といった雰囲気。

今日は色々な景色、環境と出会えたし、いい本も手に入ったし、おいしいカレーも食べられた。

満足、満足とつぶやきシローで帰路についた。