8月3日(月)
週末には、久しぶりにお茶のおもてなし。
絽の着物で準備。
お花は主人が買ってきてくれるというので
(あとで娘が「え!心配」)
香りやとげのない初秋の花をと
お願いすると。
こちらの赤い ヒペリカムと
青い ベッチーズブルー という花を
花屋さんに選んでいただいたとか。
(レシートの裏に花屋さんが
名前を書いてくださっていました)
あれこれ指さしながら
これは一年中咲いてますとか
ススキやキキョウはまだないとか
いろいろなやりとりがあり
ほかのお客さんをよそに
店員さんとの会話を牛耳っていたようです
こちらのお花は
私も以前お茶のおもてなしに使ったことがありました。
花の名前、特に横文字ですと
まるで学名のように覚えられないものです。
青い方の花は
和名 瑠璃玉薊
こちらは瑠璃色の玉のようなアザミ。
姿のとおり。
英語では、Echinops ritro または
Small globe thistle 和名と同じ意味ですね。
Echino-は「とげ」や「うに」などをさす接頭辞。
ベッチーズブルー は通称でしょうか。
hypericum の語源は ギリシャ語の
huper (over) + ereike (heath)「 荒野を越えて」
だとか。
ヒペリカムの別名に
rose of Sharon イスラエル西部沿岸の
シャロン平野のバラや、
悪を防ぐために聖ヨハネ祭日(6/24)の
前夜(St.John's Eve) に集められたことから
St-John's -wort
(wort は 草やハーブの意味)
などがあるそうです。
黄色い花を6-9月につけ、
そのあとにこのような赤い実が
なるのだそうです。
和訳では
オトギリソウ
というときれいではありますが、
漢字では 弟切草。
何か恐ろしい響き。
案の定、
この草を含む秘薬の秘密をもらした弟を
兄が切り殺したという平安時代の伝説
によるものだそうです。
最近のニュースでは
兄弟や親子間の経営争いや遺産相続などの
いざこざ、殺人事件などが報じられますが
「オトギリソウ」の由来に反して
仲の良いご家族のお話し
大きな病気や永遠の別れを乗り越えて
お仕事を頑張っておいのご様子など
ゆっくりお話しいただくことができました。
(御深井平茶碗 鷺絵籠茶器)
盛夏にあって
暦の上では初秋。
そんなお道具組や会記など
前の晩に娘と相談して決めました。
気持ちにゆとりがないときには
なかなかお茶をという気にはなれませんが
やはり
来客にあわせて
どのお道具を、どのお菓子を
どんなお茶を、
そしてどんなお花を
と思いめぐらし、
今回は家族に相談しながら
おもてなしの準備をする
という時間は大切にしたいなと思いました。
おそらく本当のお茶の席では
瑠璃玉薊のとげとげや
オトギリソウの由来の
弟切草はタブーだと思いますが
悪を防ぐための
St-John's-wort の意味もあり
日常のお茶には
瑠璃色の地球をおもったり
赤い実の秋と
その語源の旅に出たような気分にもなります。
今週も猛暑続きのようですが
すこしでも
先人に倣って
涼をとりながら過ごしてまいりたいです。