3月28日(土)
二十四節気
太陽の黄道上の春分点を15度ずつ24等分に分け
太陽がこの点を通るときの気候を表したもの
といわれています。
今は
春分を過ぎ 4月5日の清明の手前。
清明とは、
万物がすがすがしく明るく美しいころをさすころ。
二十四節気は中国を起源とするため
日本の気候とは合わない場合があり
土用や八十八夜などが加えられ旧暦となったそうです。
(ウィキペディアより)
そのためでしょうか。
市川の家の庭の手入れをしながら
心に浮かんだ句。
「啓蟄や 生きとし生けるものに影」
斉藤空華(さいとうくうげ)
啓蟄とは、3月6日ごろ。
大地が温まり、冬眠していた虫たちが穴からでてくるころ。
よく、石をうらがえすと
その下に虫がいて動き出すような
そんな冷たさと温かさの交錯するような季節と
言われます。
清明のあたたかさと
啓蟄のを詠う俳句がともに感じられた
弥生もあとわずか。
桜の開花宣言から
一気に桜に心を奪われた東京にくらべて
気温が低いのでしょうかまだまだ
市川では一分咲きほど。
そして家の庭には
その桜の季節のあとにくるであろう
つつじの準備中。
青々とした葉のなかに白いつぼみがたくさん。
なかには
淡いピンクに色づき
はやくふくらんだつぼみもありました。
水道の栓をひねり
温んだ水で石を湿らすと
その、水の感触とともに
着実に進んでいる季節
生きとし生けるものの影をうつす
まぶしい光にさらされます。
かたまって 薄き光の 菫かな
火にぬれて 目刺の藍の ながれけり
渡辺水巴
大正の俳人 斉藤空華が師事したのは
「ちゃきちゃきの江戸っ子」と称される
渡辺水巴。
私もよく書道手本に引用させていただく
粋で美意識の鋭い俳人。
すみれや めざし・・・
自然界でも
人間の世界でも
春は芽ぶきの季節。
小さきものに心を寄せて
その光、 その陰のひとつひとつに
敬意を表したいと思います。