第6回 国際PPPフォーラム「危機管理とPPP] | Maki Murakami Official Blog

7月4日(月)


ゴンザレス PPP(Public-Private Partnership)とは、


「官(Public)」と「民(Private)」が役割を分担しながら、


公共施設の整備や公共サービスの実施、


都市開発・地域再生などを図る


様々なプロジェクト手法の総称です。


(東洋大学PPPセンターの定義)


特に、東日本大震災を受けその役割が


大きくなっています。


ゴンザレス 日本で唯一、このPPPを専門とする


社会人大学院であり、PPP研究センターを置く


東洋大学の主催で、第6回となる国際PPPフォーラム開催。


以下のような国際的なPPPの専門家を招聘し、


日本に今必要なPPPの在り方についての


メッセージが語られました。


ゴンザレス国連PPP推進局長のGeoffrey Hamilton 氏


2005年のハリケーン・カトリーナ発生後に


湾岸州復興会議議長を務めた David Dodd 氏


元米国危機管理庁(FEMA)運営指揮官のBill Lockey 氏


元FEMA危機管理専門官で日本の災害対応研究者でもあり


日本語で講演をされた Leo Bosner 氏


そして、東洋大学理事長でもある長嶋忠美氏は


2004年の新潟県中越地震当時、山古志村村長として


復興の陣頭指揮にあたり、現在は衆議院議員として冒頭挨拶。


(中越地震での陣頭指揮のありかたについて


もう少しお聞きしたかったです。)


アメリカからのスピーカーの皆さんは


東洋大学のメンバーとともに被災地へ視察に前日まで


訪れていました。


ゴンザレス 共通して多く語られたのは


日本には、災害に対するあらゆる準備があるが


国全体として連携できるシステムがないということでした。


米国のFEMAは緊急時の対応に関し、


その権限、指揮系統、救済から復興までのプロセスが


法律に準拠し明確に一元化情報として共有されています。


そして、FEMAはあくまで補完的な役割であり、


地域の、市町村、州との役割の線引きも明確です。


東洋大学PPPセンターでは、日本版FEMAが、


JEMA になるか JAMES になるかわかりませんが、


必要不可欠と認識し、準備を進めています。


ゴンザレス そして、今回の東日本大震災と


同じような甚大な被害をもたらした


2005年のハリケーンカトリーナ後には


(その後、Rita,Wilmaという2つのハリケーン被害も)


特に、復興に際しての税金控除、減税などの


税制優遇策がとられ、迅速な法整備の重要性も


語られました。それでも、6年経った今でも


まだ、生活が戻らない方も多く、やはり大災害の


復興は、10年単位で考えていかなければ


ならないと語っておいででした。


ゴンザレス FEMAの William M Lokey氏が


人気漫画の Snoopy から引用された言葉


"Five minutes before the party is not the


time to learn to dance."


「パーティの5分前にダンスを習ったって無理だよ」


は、非常にわかりやすい日本人への警句だと思います。


やはり、災害の起こる前に、いざとなったら


自分が何をすべきかを、公的任務につく方はもちろん


市民の一人ひとりも認識して動けるようにしておかなければ


ならないと実感しました。


ゴンザレス 東洋大学では、震災後、多くの発信をしています。


http://www.pppschool.jp/ (ページ下段に提案・研究のリスト)


8月1日(月)18:30-20:30 には


東日本大震災対策プロジェクトの 研究成果報告会もあります。


http://www.pppschool.jp/article/14037117.html


おそらく、そこでも報告があると思いますが、


被災地の場所によっては、どの地域と防災協定を締結していて


どこから人が派遣されているかわからない地域もあるといいます。


平常時からの連携が必要であり、大学では


協定締結のひな形など、共有すべき情報の発信にも努めています。


ゴンザレス フォーラム終了後のレセプションや、その後の有志での


2次会でもスピーカーの方々ともお話しましたが


日本人の農耕民族、村社会の意識と、放牧民族である欧米などでは


危機に直面した際の情報の共有の必然性に差があると思います。


もともと、地縁社会で成り立ってきたDNAがあり、


それゆえ、なおのこと、意図的に自分の体験を共有する


情報発信を、公的な機関ではもちろん、市民レベルから啓発する地道な作業も


必要でしょう。


ゴンザレス 東日本大震災対策プロジェクトチームのメンバーからも


今回のスピーカーからも、実際にお会いされた、3年前から震災を想定していた


遠野市の本田市長の対応への評価は高く、よいリーダーに恵まれた


ところはいい・・・となってしまいます。そのためにも


情報や経験を共有していかなければならない、と皆頭ではわかっていますが


なかなか実現できないのが日本の現状です。


ゴンザレス 以下は、フォーラムとは関係ありませんが


大学院のときの友人から送られてきた


震災直後の、相撲部屋でのちゃんこ鍋のふるまいなどが


地域で喜ばれたという報告です。


これが、震災以前に、日本相撲協会として全国的に展開できる


救援活動として準備できていたら・・・


自分の地域の身近なところから始めていけるのではないでしょうか。


http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2011pdf/20110701002.pdf