『核融合発電』
『半導体人材不足』
『電力消費2050年に4割増』

『核融合発電』

・原子核同士を融合させて膨大なエネルギーが生じる反応を使って発電する技術。燃料の重水素は海水に含まれる事から資源リスクが少なく発電時に二酸化炭素を出さない。原子力発電に使う核分裂反応とは違って暴走事故が起きにくく、安全性が比較的高いとされる。
・重水素のような軽い原資の核同市が合体するとヘリウムのような少し重い原子核ができる。合体の前後で原子核の総重量がわずかに減り減った重量が莫大なエネルギーに変わる。理論上は1グラムの燃料からタンクローリー1台分にあたる石油8トン分エネルギーが得られる。太陽も核融合反応で熱を生み出しており、核融合炉は地上の太陽と呼ばれる

・核融合反応の安定には燃料をセ氏1億度の超高温に維持しなくてはならず、制御技術が課題だ。核融合反応を連続して起こした事例はまだない。
国際協力で日本や欧米などはは国際熱核融合実験炉の建設をフランスで進めており、2035年に核融合反応を起こさせて熱を発生させる計画。
・太陽光発電、風力発電のように気候や風力発電のように気候や立地の制約を受けない。原子力発電のような燃料サイクルの制約もほとんどなく国産化産業にできる可能性が高い

強力な磁石や鉄鋼系材料など日本が強みとする技術で核融合研究のほぼすべての分野をカバーできる。

・24年3月核融合発電の実用化に向けた産官学の連携組織が24年3月に発足します。日本はこれまでもイノベーションでは負けていないのに産業化で後れを取ってきた。科学として研究開発も大切だが国に対してはもっと早い段階での商業化や輸出産業としての核融合への後押しをしなければならない。
 

『半導体人材不足』

・2023年時点で中国産業経済局は300人不足しているとまとめた。33年には年1600人にまで膨らむのは半導体を学ぶ理工系が少ないうえ、中国地方で学んでも域外に流出する人材が多いのが実態。

・20~22年中国地方の大学や高専、工業高校から排出した1万5000人のうち全国の半導体産業に就職するのは年568人と3.8%に過ぎず、このうち中国地方に就職するのは43%の242人に留まる。

『電力消費2050年に4割増』

 

・膨大なデータ計算が必要な生成AI利用拡大で電力の消費量が急増する。データの計算や保存を行うデータセンターを新設する企業が相次ぎ日本では2050年に4割弱増えるとの予測がある。想定以上の電力消費が進む。脱炭素を進める政府のエネルギー戦略に影響を与える可能性もある。

・26年世界の消費量がAI普及など受け22年の2倍超に膨らむ計算になる。

21年9240億キロワットだった日本電力消費が50年に最大37%増えると予測する。電気代がより安い国にデータセンターを作る事も可能だが経済安全保障の観点から国内立地を促している。

・マイクロソフトは日本でデータセンターを拡充するために2年間で29億ドル4400億円を投じる方針だ。

電力量を3つのシナリオで試算した。

1:現在の実績に比較しデータセンター需要が10倍超え必要な電力量が2割上積み。

2:技術革新でデータ処理に必要な電力が抑えられる可能性がある。NTTは電力消費を100分の1に抑える次世代通信技術を開発中だ。データセンターが技術革新で2倍程度に収まる事で全電力需要が1%程度にとどまるシナリオ

3:データセンターについて消費電力が伸びる場合と伸びない場合の差は1680億キロワット時にのぼる。現在の関西電力管内の年間消費量を超す規模だ。
・日立製作所の子会社で送配電事業を手掛ける日立エナジーでは変圧器など送配電に関わる機器の世界全体の受注残高が23年12月時点で4兆3000億円に積みあがっている。
日立はドイツ工場に50億円を投じて生産能力を拡張し送配電用の変圧器の増産対応を進める。

・北海道石狩市では国内最大級の洋上風力発電が林立する海岸のそばでさくらインターネットデータセンター拡張計画が進み国産AIを開発するため、政府支援を受けてエヌピディアを27年末までに合計1万個導入する。
・米マイクロソフト、アマゾンなど海外クラウド大手も日本で相次ぎデータセンター投資を打出す。日本のデータセンター電力消費は21年の200億キロワット時から40年までに最大で1050億キロワットまで増える。増加量は九州電力管内の年間消費量を超す規模。