質疑(村上委員) 

 

本年最後の質問となります。本年もきめ細かな対応ありがとうございました。来年も何とぞよろしくお願いします。
 本日、私からは2つの質問をさせていただきます。まず1つ目は、先ほど説明があった警察の空出張の件に関してです。
 今回、中国新聞の記事を中心に質問を進めさせていただきます。私にも県民からいろいろな御意見が寄せられており、SNS等でも甘いといった声が結構出ていました。今回、公金の詐欺と虚偽公文書作成・同行使となっていますが、名前が伏せられています。名前の公表には当然基準があると思いますが、少し分かりにくいと思います。改めてどのような基準になっているのか、お伺いします。

答弁(警務部長) 

 

質問にあった懲戒処分の発表時における関係職員の氏名の公表については、県警察において本部長通達による懲戒処分の発表に関する指針を定めており、当該指針に基づいた対応を取っています。
 当該指針においては、こういった事案を発表する目的について、適時、適切な懲戒処分の発表を行い、同種事案の再発防止、その他職務執行の適正及び職務倫理の保持を図り、もって、警察に対する国民の信頼の確保に資することを目的とするように定めています。そして、発表の内容については、処分を受けた職員、被害者、その他関係者のプライバシーその他の権利利益を保護するための必要な配慮を行うこととしています。したがって、事案の概要や処分の年月日及びその処分の内容等について公表することで、被処分者の氏名を公表しなくとも、警察が非違事案に対して厳正に対処したことを県民に示すことができ、かつ県民の信頼確保に資するという目的が果たせる場合については、関係者等のプライバシーに配慮した内容で公表しております。

 

質疑(村上委員) 

 

警察と民間人は違うということも分かりますが、今回、いわゆる内部告発という形ですが、その告発者が警察をやめてしまうと、違法行為や犯罪の選別や報告がすごく難しくなると思います。警察はいろいろ機微に対応しないといけないのは分かりますが、公金の使用などを取り締まる側として、県民からはより一層深い基準で厳格な対応が求められていると思います。
 今回不正を認めた警部からは、忙しい課の負担を軽減するために、2人1組の出張を1人でしたという証言が出ています。これは規則と現場の感覚に差が出てきてるのではないかと私は思いました。そこについてどのように考えているのか、その対策についても併せてお伺いします。

 

答弁(警務部長) 

 

規則と現場の感覚の差についてお答えします。警察署における事故の発生状況やその取扱い、また、そうした業務負担の状況については、警察本部の各部門において適宜把握するようにしており、警察署が業務に忙殺されているといった状況が生じている場合、警察本部から支援や調整を行っております。
 また、県警察全体の制度として、現場である各警察署から意見を吸い上げる制度がありますが、業務の合理化、効率化に関する意見等を、警察署から本部に吸い上げるという仕組みを構築しております。このほかにも、職員の声として個々の職員から直接的に意見等を本部に吸い上げ、組織運営に反映させるという施策を、現在推進しております。
 加えて、警察本部の各部門が定期的に各警察署に巡回教養を行っており、いろいろな意見を聴取したり、その現場の実情、実態を確認して、それぞれの状況に応じた業務合理化、効率化に努めております。これらの活動を通じて、警察力の最適化を図り、県民の皆様が安心して暮らせるよう、良好な治安の確保に努めております。
 また、警察業務における各種装備資機材の有効活用については、各種業務に必要と考えられる新たな装備資機材の研究や整備の検討も含めて、今後とも県警察として、引き続きこういったものを推進し、第一線の警察業務の負担軽減に努めてまいります。

要望・質疑(村上委員) 

 

警察ではあまりないのですが、県民や市民から、車体に福山市と書いてある車に、いつも2人も3人も乗っているという声をよく聞きます。しかし、ダブルチェックをするために2人必要といったところがあるので、仕方ない点はあるとは思います。ただ、2人1組で行うことは法律で規定されているわけではないとお伺いしています。従前から私も質問していましたが、今回、警察庁がモデル事業として職務質問などの際に使われるウェアラブルカメラを2024年から導入することが想定されていると聞きました。こういった新しい技術を取り入れながら、少しでも業務負担が減る部署をつくっていくなど、真の働き方改革における組織構築を、より確度の高い状態で取り組んでいただくよう要望します。
 次に、裏づけが十分ではないため不正の一部は立件を見送ったとか、県警の監察官室はほかの警察署などでは不正はないと断言されたように記載されていました。裏づけとなる証拠が不十分といいながら、ほかの警察署で不正はないという、何か矛盾にも聞こえるような問答に思えますが、この意味についてお伺いします。

 

答弁(警務部長)

 

 県警察においては、出張に関する不正な経費の請求があったのではないのかという情報を受けて調査や捜査を尽くしてきたところですが、この結果、32件にわたる不正受給の事実を認定し、その全てを不正行為に関与した関係職員の処分の事由としております。加えて、32件全てに係る不正受給額について、関係職員らに返納を求めました。
 その上で、不正を認定した32件全ての中で、不正な受給をしたという行為者の供述以外で、出張していないことを客観的に明らかにすることが可能で立件が可能であると判断した20件については、検察庁に事件送致しております。事件として立件できなかったものも含めて、32件全てについて、懲戒処分の事由として反映させており、本件については、綿密な調査、捜査を行って対処したところです。
 一方、委員が指摘したその他の警察署等に対する同様の不正行為の確認についてですが、このたびの不正行為の発覚を受けて、県警察では、ほかの所属で本件と同様の不正行為がなかったか、同種の業務について調査を行っており、ほかの所属において同種の業務に係る不正行為は確認されておりません。

 

要望・質疑(村上委員) 

 

今の説明によると、裏づけが十分ではないという意味は、刑事事件として立件するには証拠が不十分であり、ほかの警察署などで不正がないと言い切れる理由は、部内調査の結果、そのような不正は認められなかったからという理解でよろしいですね。
 今回のケースでは刑事事件と部内処分が交錯しているため、報道内容を見ただけでは内容が非常に分かりにくいと私は感じました。ほかの警察であったことや、広島を舞台にした「孤狼の血」などの映画において、過去に組織的な裏金づくりがあったなど、県民に懐疑的な見方をされないように、県警察においては、今回のような不祥事案に関する説明について、誤解を招くことがないように対応していただきたいと思っております。