質疑(村上委員)

 

私からは、先ほど言われていた広島県信用保証協会との損失補償契約条例についてお伺いします。
 前回私は、代位弁済制度についてお伺いしました。それらに関連する今回の条例について、簡単に言えば、アフターコロナによる物価高とか、今、中国経済の状況が相当悪いという中で、産業悪化に伴い、倒産リスクが高まっていることが予測されております。そういった中で、コロナ禍でのゼロゼロ融資により信用保証協会が権利放棄する額の4%を広島県が負担するということになっています。その場合、議会承認を諮らねばならない今の現状の中で、定例会などを待つと、迅速に対応できないということで、今回の条例案で、議会承認がなくとも知事の決裁により承認できます。現在、47都道府県のうち、損失補填している都道府県と、いわゆる喫緊で条例提案している都道府県は幾つになるのか、お伺いします。

 

答弁(経営革新課長) 

 

信用保証協会が代位弁済を行った際に、損失補償を行っている都道府県は、現在、39都道府県です。このうち、条例を制定している都道府県は、令和5年3月末現在で28都道府県ですが、直近では、今年度新たに鹿児島県が条例を制定したので、現時点では29都道府県が条例を制定しております。

 

質疑(村上委員) 

 

現在、39都道府県が損失補填していて、条例案を制定しているのは29都道府県ということで、今回、広島県が条例可決になれば、30団体目ということになります。
 政府は10年以上前から進めていたにもかかわらず条例化できなかった要因として、もともとは返済する前提の県民の税金の一部であって、それを県議会という県民の代表者に対して、議決なしで安易に進めることは、行政側としても提案しづらい状況であったのではないかと思います。
 ただ今回、国が枠組みまで示して進めているのは、ゼロゼロ融資による返済や、社会状況の大きな変化が原因であると思っております。調査したところ、信用保証協会では、2021年度にはバンクミーティングという事業再生を目指す36企業を対象として取り組んでいました。これは商工会議所や金融機関で個別対応しており、さらに再生支援協議会に申し込んで、より広く深い対応をしていると思うのですが、この再生支援協議会の相談件数が何件程度で、何件が実行されているのか、お伺いします。

 

答弁(経営革新課長) 

 

中小企業の事業再生等を支援するため、広島県中小企業再生支援協議会の支援部門として、中小企業活性化協議会が設置されており、本県でも広島商工会議所内に設置されております。本県中小企業活性化協議会の支援状況につきましては、令和4年度は相談件数が180件、計画策定支援完了件数が34件となっております。また、平成15年の発足以来の累計といたしましては、相談件数が1,367件、計画策定支援完了件数が397件となっております。

要望(村上委員) 

 

今、数を聞いても、これらに適用される企業は相当難しいと思いますが、ただ、実際は各信用保証協会や商工会議所や金融機関など、個別で対応するのは、あくまでファイナンスという金銭的な話のみです。現在、私の地元の福山市でも人を雇用できずに閉店している飲食店もありますし、店ができたが、スタッフが集まらずにオープンが先伸ばしになっているとお店もあります。一方そのような中で、べトナム人が経営するお店は人が集まるからどんどんオープンしています。このように、ファイナンス、事業承継を、物価高に価格転嫁が進まない、さらに、先日私が質問させていただいた漬物の問題で法的な問題からやめる個人事業主や、10月からインボイス制度が導入されたことで、実質の増税から倒産に追い込まれる企業も今すごく増えています。さらに、ヤマト運輸では2024年度の1月31日までに配達員3万人を契約解除したり、障害者支援団体の仕事を日本郵便に委託を進めていくなど、こういった様々な要因で倒産、休業に追い込まれる外的要因も多く出始めています。今回の条例で速やかな対応で企業再生を進めていくことは評価できますが、私が従前から伝えているように、京都府や東京都では各商工会議所や信用保証協会に一概に任せるのではなく、プロジェクトとして取り組んでおり、その意義は、官民一体となってデータを集積して、より効果的な施策を実行することとリスク低減を図ることであると思っております。
 私はいつも話しているのですけれども、生きたデータを取り込み、その上での政策が真のEBP政策になると思っております。このデータサイエンスを進めていく施策の必要性が、これからの1年、2年、3年、重要であると思います。これから厳しくなる中小企業の現実を受け止めて、広島県として先導的にこのプロジェクトをしっかりと進めていただき、ファイナンスだけではなく様々な情報をしっかりと把握して、施策に取り組んでいただければと思っております。