質疑(村上委員) 

 

私からは、交通管制システムによる渋滞対策について、今どのような形で進んでいるのか、お伺いします。
 都市部では、複雑化、過密化した道路事情によって渋滞が慢性化しているところです。福山市でもそうであり、これが交通事故や交通公害の一因になっていると言われているのですけれども、朝夕の通勤時間帯には、福山市の中心では幹線道路でもかなり交通渋滞が発生して、市民生活に多大な影響を及ぼしていることはもう周知の事実であります。
 実際に渋滞では時速40キロと20キロではCO2の排出量が倍違っていて、要はのろのろ運転だと、CO2をより多く排出するということから、脱炭素の流れからも急務な問題であると私は認識しております。
 こうした現状に対して、警察では交通管制システムによって道路交通を効果的に管理して、交通の安全、円滑な確保に努められているとは思いますが、これまで委員会において私が言ってきたようなAI技術を導入した信号制御システムといった先進技術も期待されているところだとは思うのですけれども、最初の質問として、交通管制システムの指令塔となる交通管制センターの役割、そして、近年どのような高度化が図られているのか、渋滞対策において、それがどのように効果を発揮しているのか、お伺いします。

 

答弁(交通部長) 

 

交通管制センターは、都市部における道路交通の変化に適切に対応するため、信号機の的確な制御や交通情報の迅速な提供などを行うことにより、交通規制の総合的な運用を図っております。
 近年における高度化は、信号制御を行う中央装置の更新等に伴い、交通需要に応じたきめ細やかな信号秒数の配分や交通利用予測の制御等が可能となっており、交通渋滞の緩和と交通環境の改善に効果が見られていると考えております。

 

質疑(村上委員) 

 

今御説明にありましたように、警察におかれては高度化された管理システムによって、交通渋滞の緩和に取り組まれていると思うのですが、慢性的な渋滞が発生している路線において、どのような信号制御が行われているのか、お伺いします。

 

答弁(交通部長) 

 

渋滞が発生しやすい都市部においては、車両感知器などから収集した交通量や走行速度等の情報を分析し、交通状況に即応した信号制御を行い、車両の流れをコントロールしております。また、幅員が広く、横断歩道の距離が長い道路等においては、高齢者の方が安全に横断できるよう、横断時間の延長を行うなど、渋滞緩和に配慮しつつ、歩行者等とのバランスを図っております。
 県警察といたしましては、引き続き交通量等の変動に応じたきめ細かな信号制御を行い、渋滞緩和に努めてまいります。

 

質疑(村上委員) 

 

今の説明でありましたように、現時点で言えば、幹線道路の大渋滞があり、こういったところに対して、一部の道路への制御装置にいろいろデータを送って、渋滞緩和に努めていくというところがあると思うのですけれども、基本的にやっぱりまち全体、福山市であれば、岡山県の圏域などからの渋滞で総合的に考えていかないとなかなか難しいというところが出てくると思います。そういったところにおいて、AIがより効果を発揮していると思うのですけれども、他県においては、AIによる渋滞予測を活用した信号制御の実証実験も行われていますが、こういった技術革新が進む中にあって、県警察において、交通渋滞の解消を図るシステムに関して、今どのような議論が進められているのか、お伺いします。

 

答弁(交通部長) 

 

他県における実証実験については、より的確に信号を制御し交通渋滞の解消を目指すものや、車両感知器等のインフラの発展につながるものなどが実施されていると承知しております。いずれも交通の円滑化やコストの削減に大きく資することが見込まれており、県警察といたしましても、こうした技術の発展に期待を寄せ、情勢を注視しているところであります。今後、他県の実証実験の結果やAI等の技術革新を見据えた上で、交通安全施設のさらなる高度化を推し進めるに当たって、これらを組み入れたシステム等の活用について検討してまいりたいと考えております。

 

要望(村上委員) 

 

最後に要望なのですけれども、福山市の国道2号線では、交通量調査の中で、西日本の渋滞スポットのポイントか何かとして3か所も選ばれてしまっているという状態なのです。そういった3か所もある2号線の場所に何でそういう実証実験の場所として選んでもらえないのかということにすごく疑問があって、今回質問させてもらいました。
 実際に、私はこれまでに最新のテクノロジーを駆使した計測状況について様々な提案をさせていただいたのですけれども、現在、各方面で研究開発が続いているAI技術を導入した信号制御システムが実用化されれば、先ほどおっしゃられたように、道路状況は、細やかな変化にも瞬時に対応して交通渋滞の解消につながることが期待されていますし、実際に今既にシンガポールでは、このAI信号機は、まちと一体の進捗も進んでいるとのことです。国内だけの技術ではなく、世界の技術もしっかりと把握しながら進めていっていただきたいと私は思っております。
 現段階の国内においては実証実験の段階でありますので、直ちに導入という話にはなかなかならないとは思うのですけれども、先ほどもお話しさせてもらったように、CO2の排出の問題に広島県もゼロカーボン宣言をしている以上、県警だけに任せるのではなく、できる限り広島県全体でオール広島としてこういった道路交通、渋滞解消を、国にも要望しながらしっかりと進めていただきたいと要望して、終わります。