質疑(村上委員) 

 

全国における保証付融資の返済を信用保証協会が肩代わりする代位弁済について、お伺いします。4月~6月の間で全国で9,720件と、前年同期比を70%上回っているという現状について報道がありました。3年ぶりに3万件を超えた2022年度よりも速いペースで進んでいますが、代位弁済を受けた企業の多くは経営破綻に至っている結果が多いです。東京商工リサーチによれば、6月の倒産は770件、対前年同月比で41%増加しています。
それらを踏まえて、広島県における倒産数と代位弁済の状況について改めてお伺いします。

 

答弁(経営革新課長) 

本県における6月の倒産件数は10件と、前年同期比で2件減少しておりますが、1月~6月までの6か月の倒産件数は62件と、前年同期の54件と比べて15%増加している状況です。また、本県の4月~6月の代位弁済は354件となっており、前年同期を48%上回っております。

 

質疑(村上委員) 

代位弁済で潜在的なリスクが高まっているということについては、理解しました。
 今回のように代位弁済に陥っている企業がV字回復して経営を続けていくこと自体が大変困難な状況の中で、現状、急激な物価高と人手不足、そして本日も中国不動産の恒大グループが米国で破産申請を行っています。アメリカの株価に影響すれば、本日にも日本国内においてそれなりの影響が起きてくるのではないかと思います。
 そうした中、半導体が好調であるとは言いながらも、生成AIのNVIDIA以外はかなり厳しい数字が出てきており、これから数年間は世界経済や日本経済が予測困難な状況に陥っていくと想定される中で、経済環境も大きく変わり、倒産に陥る企業が大幅に増えていくことが懸念されている現状があります。
 それらを踏まえて、代位弁済等の懸念のある企業に対してどのような対策を現時点で行っているのか、お伺いします。

 

答弁(経営革新課長) 

 

代位弁済に陥る懸念のある企業に対して、国においては日本政策金融公庫によるスーパー低利融資、資本性劣後ローン、セーフティネット貸付といった制度による継続的な資金繰り支援を行っております。これらの制度を積極的に活用して事業者支援を徹底するよう、内閣総理大臣をはじめとする関係大臣の連名で、官民金融機関に対し、昨年5月から4度にわたり要請がなされております。
 本県においてもゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための借換えや、事業再構築等の前向きな取組に利用可能な伴走支援型特別資金を本年1月に創設するなど、県内の中小企業等の支援に取り組んでおります。引き続き、信用保証協会や金融機関と連携して事業者の資金繰りについて状況を注視していくとともに、適切に対応していきます。

要望(村上委員) 

 

答弁をいただきましたが、国の方向性はもちろん重要だと思います。
 ただ、代位弁済の状況は広島県における企業経営全体の一つの大きな指標になると思われますので、広島県経済の動向の中に付け加えていただきたいと思います。というのも、リスクを早く認知して取り組んでいくことが重要であり、東京都の信用保証協会では中小企業診断士など専門家を派遣して財務状況の改善や販路拡大につながる支援に力を入れているということが報道でもなされておりました。そして京都府では、保証協会が地元の金融機関や商工会と連携しながら府内を9つのエリアに分けて、それぞれの地域でチームを組み、地域一体の支援をしております。
 広島県についても同様ですが、マツダがある広島の中心部、中山間地域や海沿いの島嶼部の地域、また東部の福山市の鉄鋼業地域など、それぞれの地域にそれぞれの企業の特色があります。だからこそ、その特色に合わせた政策が必要であると思いますし、政府が推奨していくAIやIoTなどを活用して事業の再構築を進めていく企業についても、高齢化による後継者不在となっていくと融資が受けられず倒産するケースも容易に想像できます。そのような中で、早期に広島県の経営課題や全体状況を把握して、具体的な支援体制をオール広島で構築していただくことを要望して私の質問を終わります。