質疑(村上委員) 

私から、要人警護の強化についてお伺いします。
 応援演説中の安倍元首相が凶弾に倒れた事件から1年が経過しました。この事件を契機として、全国の警察では要人警護部門の増員や組織の新設などにより体制が強化されております。
 そんな中、県警察におかれましても警衛警護室が設置され、発足式の様子がニュースで流れていました。そのような情勢においても、今年の4月には、応援演説中の岸田首相目がけて爆発物が投げ込まれる事件もありました。こういったことが短期間で相次いでおりまして、元首相や首相を狙ったテロ行為が相次いだという異常な事態を正面から受け止め、県警察におかれましても必要に応じた警戒の強化に努めていただきたいと思っております。
 そこで質問ですが、県警察ではG7広島サミット警備に関して全国警察からの応援も受けながら安全な会議の進行という所期の目標は達成されたところですけれども、今回の体制強化はどのような背景から進められているのか、お伺いします。

 

答弁(警備部長) 

今回の体制強化につきましては、昨年7月に発生いたしました安倍元内閣総理大臣に対する銃撃事案を契機といたしまして、新たに制定されました警護要則に基づく措置を確実に講じて同種事案の発生を未然に防止するなど、警護の万全を期すために、本年7月1日、警備部警備課内に警衛警護室を発足させたものです。

 

質疑(村上委員) 

そのような経緯の下で発足した警衛警護室ですけれども、今後どのような役割を担い、どのような方針で警護に当たっていくのか、お伺いします。

 

答弁(警備部長) 

警衛警護室におきましては、警護対象者の身辺の安全を確保するため、警察庁との連携を図りつつ万全な警護計画を作成するほか、警護員の能力向上を図るための訓練や研修を行っているところです。
 また、本年5月に開催されたG7広島サミットをはじめとする様々な経験を生かして、各関係者と緊密に連携し、組織的かつ重層的な警護、警備を行ってまいります。

 

要望(村上委員) 
先ほど、万全な警護計画ということを言われていました。この広島県においては、岸田首相がおられますし、先の読めない選挙情勢の中で急遽大物議員が駆けつけるといった事態も想定されております。いざ応援演説ともなれば、そのような大物議員が聴衆と接近するといった警備上難しい局面に遭遇することにもなると思うのですが、そのような場合にあっても警察庁における事前チェックが厳しく行われるとの報道に触れたことがあります。
 先日、県内視察で行った東洋電装の先進技術に接して思ったのですけれども、県内で政治家が街頭演説する場所というのは、やはりおおむねどの辺でするというのが決まっている中で、これに対応するビッグデータやAIを活用した人流の分析結果等を警護計画に反映させる仕組みがあれば、警護計画に不慣れな陣営に対しても、このような形でやってくださいというものも早急に出せると思います。ただ、そうはいっても、安易にAIでこのような形でできていますから、これで万全ですと言った場合、そこの死角を突かれたりもするので、そこの対応策はなかなかAIやビッグデータだけでは難しいというのは百も承知なのですけれども、ただ、この計画をつくっていく上では業務負担は大幅に削減できるのではないのかと思っております。
 そういった中、先ほど上半期の交通事故の発生状況のデータもありましたが、ここでも、事故がかなりあるところには防犯カメラをつけて、どのような事故があるのかを正確に検知して、オトモポリスや様々な車の防犯機能などにデータを入れて、こういったときには事故がありますというところの点検に活用していくなどの形で、いろいろ使っていくとは思うのです。
 このように、これからAIやビッグデータについて、ある程度のルール化や基準を明確に示すことが今回の要人警護の計画の策定に当たっても必要ではないかと思いますので、県警察におかれましては、そのような視点も踏まえていただきながら、事前準備を含めた万全の警備体制により要人や聴衆の安全確保に努めていただきますことを要望して、私の質問を終わります。