質疑(村上委員) 

私からは、新産業振興・雇用対策特別委員会でも問題提起した質問を行います。
特定技能1号から2号となると滞在期間5年という縛りが解かれ、日本に在留、定住する外国人が増えていくことが今後予測されております。そこで、商工労働局が特定技能外国人材受入モデル企業支援事業を行っています。その事業の中身は、エネルギー・物価上昇等の影響がある中で、人材確保が困難になっている県内企業を下支えするため、県が伴走型で特定技能外国人の受入れ、職場定着に取り組む企業の経費を一部補助するもので、特定技能2号を増やすための施策となっております。
国でも長期滞留し、地域に根差す外国人材をつくり出すことを視野に政策が進められておりますが、特定技能2号は岐阜県や愛知県など、全国でまだ8名ぐらいしか出ていないです。要はこういった支援が、各県での外国人労働者に対する取組や支援につながっているということが明確になっているのです。現在、特定技能2号は造船と建設しかありませんが、土木建設局としても特定技能2号取得等に関する諸課題へどのように取り組むのか、お伺いします。

答弁(建設産業課長) 

将来にわたり社会資本の適切な整備、維持管理、それから災害時に迅速な対応を行っていくためには、建設事業者の安定的、継続的な担い手確保や育成が重要な課題であると認識しております。このため、建設産業ビジョン2021におきまして、取組の柱の1つに担い手確保と働き方改革を掲げ、取組を進めているところです。今後、増加が見込まれる特定技能外国人材の建設分野への受入れ、定着は、建設事業者の担い手確保の方策の一つと考えているところです。現在、商工労働局におきまして、外国人材の受入れ、定着に向けた外国人材受入企業等向けフォーラムの開催等に取り組んでおり、建設業界団体等を通じて建設事業者への周知等、商工労働局と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

 

質疑(村上委員) 

外国人受入れフォーラムを開催していることは分かるのですが、単純に特定技能2号を取得すると給料が高くなっていくと思うので、特定技能2号を取得した外国人を雇用できる企業をつくり出さないといけないです。しかも、職業を簡単に個人で選ぶことができ、日本人と同じような状況になることが想定されるので、これまでのように外国人労働者は安い労働力であるという見方を変えないといけないのは、周知の事実だと思うのです。地域の貴重な人材として取組を進めていく企業を県内で生み出していく必要があるため、今回、商工労働局がそういった事業をやっていくということです。アメリカのシリコンバレーでどういった形になっているかというと、インド人が経営者として多く育ってきており、優秀なインド人をインド人が集めて、企業成長させている状況があります。我がまち、福山市でも、私の知人の中国人経営者が帰化しております。その優秀な中国人経営者の下に優秀な中国人が集まっていまして、その結果、中国人の人材派遣ですごくもうかっている、会社が大きくなっているような現状があるのです。そういったところを考えていくと、建設関係で起業するには常勤役員の業務5年以上の経験が必要となっていますけれども、近い将来、アメリカや福山市で起きているような外国人起業家が日本国内で企業を成長させていく時代が来ることも容易に想像されます。
 そこで、今、医療介護基盤課が行う外国人介護人材確保・定着支援セミナーがあります。これは、先ほど言われた外国人受入れセミナーとは別に、具体的事例をもって経営者が話すなど、受入れではなく、定着を目的とした内容になっておりますが、今後、土木建築局としても外国人受入れ企業の意識転換をどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

 

答弁(建設産業課長) 

令和4年12月現在で、広島県内に建設分野の特定技能1号の外国人が380人働いておられます。一方、特定技能2号につきましては、先ほどありましたように、県内にはいまだおられない状況です。
 商工労働局におきましては、先ほど申し上げましたフォーラムの開催等に加えまして、外国人材受入れモデル企業の育成支援に取り組むこととしております。こうした取組の成果や建設業者のニーズ等を把握しながら、建設業関係団体と連携して外国人材の受入れ、定着に向けた就労環境の整備等について検討してまいりたいと考えております。

 

意見(村上委員) 

 

今の答弁にもありましたが、商工労働局との連携も大変重要であるとは思うのですけれども、特定技能1号の外国人労働者が380人いらっしゃって、まだ特定技能2号は0人だというところで、今後増加が想定される特定技能2号の外国人を雇用する企業は、そこで働く外国人技能実習生にとっても安心の存在になると思うのです。外国人の管理や定着を目指す立場としてもすごく重要なキーマンになっていくと思いますので、そこもしっかりとやっていただきたいです。
 IoTによるソリューションで業務の効率化も大変重要な視点ではあると思うのですけれども、現段階でいえば、まだまだ人の手が必要なのが現実だと思います。よく中小企業の経営者は、今までのように、安い労働力で日本人を雇用できればいいと言うのですが、土木において、日本人の若い子が積極的に働きに行くとか、数をある程度確保するというのが、今の教育や社会環境の中ではもう終えんを迎えつつあると私は思っております。そこで、先ほども言われているように、5社程度を目標に商工労働局も外国人材受入れモデル企業の育成支援をやるとは言っていましたが、もっと多くの数を確保できるように、近い将来を予測しながら、バックキャスト思考を持って事業戦略を立てていただきたいと思っております。
 今回の委員会は改選時期ということもあり、1年間ではなかったのですけれども、職員の皆さん、様々な質問に対して丁寧にお答えいただいて、ありがとうございました。