公共事業における電子マニフェスト使用の義務化についてお伺いします。
「第五次広島県廃棄物処理計画」において、本県における電子マニフェストの普及状況は令和三年度末時点で五八・五%であり、令和七年度八〇%の目標達成に向け、取組を進めていることと思いますが、業種別の状況を見ると、建設業でマニフェストを扱う件数が圧倒的に多く、電子マニフェストの普及を推進するためには、特に建設業における、さらなる取組の推進が極めて重要です。
他県の事例となりますが、大阪市では既に公共入札業者は、電子マニフェストを使用することが義務化されているところです。
そこで、広島県の公共事業においても、電子マニフェストの使用を義務づけることの取組が重要だと思いますが、今後、どのような取組を行っていくべきか、土木建築局長の御所見をお伺いします。

 

土木建築局長(上田隆博君) 

県発注の公共工事で発生したコンクリート殻やアスファルト殻等の産業廃棄物につきましては、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律に基づき、中間処理施設に搬入して再資源化を図ることを原則としており、廃棄物の排出から収集、運搬、処分に至るまでの過程が適正に行われていることを紙によるマニフェストか電子のいずれかにより、確認しているところでございます。
 建設業における電子マニフェストの普及の促進は、排出事業者等の事務処理の効率化、透明性が確保された登録データによる不適正処理の未然防止などの効果があり、公共工事を行う国、県、市町に加え、民間工事を行う事業者等を含めた全体で取り組んでいく必要があると考えております。
 一方で、電子マニフェストを利用する場合に、利用料が必要となることや、一つの工事で発生した産業廃棄物を処理する場合において、排出から中間処理、最終処分に至るまでの過程で関係する全ての業者が、電子マニフェスト利用システムへの加入登録が必要となるなどの課題もございます。
 これらの効果や課題を踏まえ、公共工事における電子マニフェストの普及促進につきましては、国の動向を注視し、他の自治体の取組を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。

 

村上栄二君 まずは、公共入札における点数に電子マニフェストを入れるなど、そういったところも具体的に進められると思いますので、一案としてよろしくお願いします。
 先日、岡山市内のサービスエリアで注射針の空パッケージなど医療廃棄物を不法投棄した疑いで、医師が送検されたという報道がありました。
 私は先日、決算特別委員会の質疑で、医療分野の電子マニフェストの普及率が三五%なのですが、低い原因を聞いたところ、知名度が低いこと、さらには小規模な医療機関では、マニフェストの取扱い枚数が少なく、紙マニフェストから電子マニフェストに切り替えるインセンティブが働きにくくなっていると答弁をいただきました。
 今回の件は、医師の資質、コンプライアンスが著しく欠けた行為であって、本当にまれなケースなのですけれども、しかし、政策とは、結果そういったことが起こらないようにするために必要な環境整備にあると私は理解しております。
 排出事業者は産廃の処理を許可業者に委託する場合、マニフェストを交付しなければなりませんが、電子マニフェストを使用しておけばこういったことは防ぐことができたのではないかと考えております。
 今後、電子マニフェストの使用を公共や民間事業者に展開していくためには、広島県が見本となって、公共事業を皮切りに、電子マニフェストの利用を率先して進めていく必要があると考えていますので、引き続き、取組の推進をお願いします。