『流域治水』

・それぞれの地域で地形的な特性に応じた役割を担い、努力とリスクをいかにシェアするかが流域治水の大事な論点になる。街づくりの視点で考えると治水は貯める・流す・逃げるに受け流すを加えた4本柱だ。
・東京都葛飾区は浸水対応型市街地構想を発表し、目指すのは浸水しても大丈夫な街づくり。ボートでいける支援拠点などを各所に設け、自宅などに取り残されても災害を乗り越えられる環境にする。
・熊本県は緑の領域治水という施策に舵を切り、熊本県立大に研究室を立ち上げた。
上流に降った雨をゆっくり下流に流すには遊水地や田んぼダムにとどめる方法がある。
森林管理・耕作放棄地の湿地化に取り組み、地元住民や企業と協業の取り組み。
・浸水しやすい流域の集落の一帯に住民と一緒に安価なカメラを設置しモノがインターネットに繋がるIoTを活用した避難システムを作る。30年までに県内2030か所で庭などに窪地に水を入れる箇所設置を目指し、産官学のパートナーシップに取り組む。
水をゆっくり流す国土へ戻す必要がある。

・倉敷市では農業者の協力を得て総延長1500キロに及び市内の農業用水路の水を大雨前に事前放流して水位を下げ、約300万立方の貯水容量を確保したり土地開発の際に薄い貯留施設を整備してもらうなども取り組む。
・山は土壌に雨水蓄積する機能がある。森林保全など治水とダム整備を合わせる事で流域全体の流量を最適化できる。戻り苗事業で備長炭原料でもある広葉樹のドングリなどを植えてイノシシ対策なども考えるべきだ。