『米国安全資産の低下』
『習近平政権苦境を隠すな』

『中国経済の日本化』

『英国同一賃金 軽視のツケ』


『米国安全資産の低下』

 

・投資家は経済・軍事などの総合力で世界で最も強い米国政府が発行する安全資産と位置付ける中でリスクが極めて小さい債券で5%利回りは投資家にとって魅力的だが金利の急変動で適正水準が見えにくく長期投資家購入が慎重姿勢になっている。
・24年に想定する利下げ幅を縮めたのが一因で米国議会の混乱や財政赤字穴埋めする米国債供給増への不安も金利上昇を後押しした。

・生命保険会社や年金基金など長期目線の投資家は運用資産の何割かを米国債を中心とする債権に振り向ける。安全資産である米国債で想定外の損失が膨らみつつあり、安全を求める向かう先は金になり、金利が付かない金は金利上昇局面で売られやすいがニューヨーク市場では金先物価格が7%値上がり安全通貨スイスフランも上昇が目立つ。
・米国債は発行残高4000兆円近くに上り最大の金融商品でもある。

・リベンジ消費で物価高、残高利息も高く平均金利20.68%となっている。
40~60代含めて全世代で債務苦しむ。10万ドル以上でも38%債務残高がある

148兆円クレジットカード債務残高となっておりお金持ちでも余裕があるが裕福な貧困層と言われており、ローン支払いで貧困になっている人が増加が米国民の現実

 

『習近平政権苦境を隠すな』


・中国当局は年齢層で分けた失業率を7月分から停止した。16~24歳失業率は最後の発表となった23年6月に21.3%に達したがもっと高いはずだ。

・亡くなった人を火葬した件数は22年10~12月分から公表しなくなった。22年末新型コロナウイルスにゼロコロナ政策を緩め、死者は急増した。
なんの説明もなく火葬件数公表を見送ったのは死者数が表に出せないほど多かったのだろう。
・中国経済はゼロコロナ政策終了で急回復を期待されていた。実際は不動産不況が景気の足を引っ張りデフレに陥るリスクすら語られている。
地方政府は土地使用料の収入が減り、財政悪化が深刻だ。米中金利差を背景に人民元安が進み、中央銀行の中国人民銀行は大胆な金融緩和に踏み込みにくい。
・統計の公表を恣意的に止めるのは不信を一層強める。それが海外からの投資を減らす要員になるのは言うまでもない。

 

『中国経済の日本化』


・中国経済は物価下落と不動産下落が併存するダブルデフレ。共通点がある。

・1つ目に人口動態の変化などから潜在成長率が大きく下方に屈曲する局面で人口増加率は1970年代半ばをピークに低下傾向を辿り。2010年以降はマイナス定着した。中国は22年に人口減少に転じた。

・低金利環境で過大な資産価格上昇が生じる。大幅な下落に転じる過程で経済・金融に深刻な問題が起こる。潜在成長率低下が認識されていくと需要は抑制される一方、供給力を担う労働力、設備はすぐには減らせないため受給が悪化し物価下落圧力が高まる。
・2つ目に中国当局が不動産市場の調整を正常化と捉え一定程度容認することだ。

1980年代の日本でも一般市民にマイホームは遠のいたが当局は当初不動産下落を歓迎した。資産デフレの怖ろしさを認識していなかった。中国政府は共同富裕の理念に照らして問題とするために不動産業界の本格支援には慎重だ。

3つ目に米国との間の貿易摩擦だ。日本でも貿易摩擦による産業競争力の低下の遠因となった。中国では近年の米国との貿易対立が先端技術中心に経済の打撃となっている。

米国との対抗を意識した政府による民間企業への統制強化が萎縮させた面もある。

 

『英国同一賃金 軽視のツケ』

・英国第二の都市バーミンガム事実上の財政破綻宣言を行った。1200億円を超える同一賃金債務に見合う財源がない。同市はかつてゴミ収集や道路清掃などを担う男性職員にボーナスを払い、教育助手や給食、介護など女性職員に支給せず5000人の女性職員らが不当だとし、2010年4月に市に支払いを命じた。
・バーミンガム破綻の流れ→ボーナス不支給の女性職員が提訴→最高裁で市敗訴、未払金1400億円→残る男女待遇差に追加請求相次ぐ→未払い膨張で財源不足、破綻宣言。

・社会的弱者の保護や教育、ごみ収集など法定サービス以外の歳出を止めた。

中央政府からの資金削減に加え、高齢化や支援を必要とする子供の増加、インフレも重なり最悪の状況になった。破産宣言に向かう自治体の行列ができています。
・道は汚れ、草刈りの頻度は減り、補助を受けるバスは止まり、10%上げた地方税を再び上げていく見通しになっている。これらは財源の裏付けない減税策を打ち出し英国財政信認が揺らいだトラスショックから1年が経ち地方財政の不安が広がっている。