『量的緩和の出口 【損失見える化】』
『日銀甘くない緩和出口』

 

『量的緩和の出口 【損失見える化】』


将来の損失推計を示す事は世の中の懸念を和らげる一案となる。
イングランド銀行が四半期ごとに公表する【資産購入制度に関する報告】
9年に政府に納めたもうけの額は22年9月末までの合計で21兆円。債券保有に伴うイングランド銀行のもうけは長い事、英国の財政を潤してきた。

現在は物価高騰で金融引き締めを強めざるを得ない。
足元の政策金利は4.25%。今後23~25年まで5兆円弱の損失を被るが続きそうだ。
これまでの利益を上回る9年から33年まで累計で政府による穴埋め額は政府への納付額を17兆円上回る見通しだ。

 

『日銀甘くない緩和出口』


・22年度決算で目を引いたのは保有するETFからの分配金は21年度から2600億円利息収入増えて1兆3000億円ある。そもそも中央銀行が事実上【株式】を買っている例は主要中銀で日銀だけだがその分配金も膨張している。
・ETF購入の出口政策では21年春ETF買い入れは株価が大きく下落した時に限る方針に改めた。それまで年間4~7兆円程度買っていたが23年1~5月は1400億円だ。
・23年3月末時点の日銀保有ETF37兆円、時価によると約53兆円であり東証プライム市場の時価総額の7%程度に相当する。

・出口政策として、売却制限を付けた上での思いきった割引価格で国民に譲渡し、人々の資産形成に貢献すべきだという議論もある。

・今後、金利を上げる政策正常化を進める際、ETF分配金無いと財務面への負のインパクトが大きくなる。というのはッ金融機関が持つ日銀当座預金の大部分にかかる金利を上げる手法を取る。問題は異次元緩和により当座預金残高が膨れ上がり520兆円程度ある。

・仮にゼロ金利解除に進むと短期金利を0.25%ずつ上げるとする。あくまで荒い計算だがいまの金利部分の規模が続く事を前提にすると日銀は0.25%の利上げごとに年約1兆3000億円金融機関への追加的支払いが必要になる。

・22年度日銀決算最終利益は2兆円だが0.5%で赤字転落しかねない。

自己資本は22年度末で12兆円程度しかない。仮に物価上昇圧力が高まり0.5%上げると債務超過になる。仮にETF分配金無いと財務状況がすぐに悪化する。