『ゾンビ企業切り捨てか?再生化?』

『中小の倒産予備軍が増加』

『コロナ特例終了 資金繰りの声』

『交際費損金算入を拡大』

 

『ゾンビ企業切り捨てか?再生化?』

 

・中小企業は日本企業全体の99%超、従業員数7割を占めている。

・生産性の低さが問題視されている。半数以上が赤字法人と言われ経常利益率は3~4%台と大企業の半分の水準に留まり労働生産性も同様だ。非効率で借金も満足に返せない企業をゾンビ企業と言われ足枷となっている。

・コロナ融資返済が始まる時期を見透かしたように公的な借り換え保障制度など言語道断というわけだがそれほど単純ではない。ゾンビ企業の推計は中小企業の10~15%とされる。

そこで働く従業員数は100万人を超えるが受け皿はあるのか?
・下請けいじめの問題も大きい。昨年末13社の大企業の下請けいじめが公表された。最近の下請け法違反の指導勧告は増加傾向にあり年間8000件ののぼるが表面化しにくくてもこれだけの数が明らかになるので現実ははるかに多いはずだ。

・中小企業の生産性も上位10%の水準は大企業を上回り大企業の下位10%は中央値を下回り、おしなべて中小企業がダメとはいえない。

・担保や保証に頼らず、事業性に着目した対応が不可欠になる。

 

『中小の倒産予備軍が増加』

 

・保証付き融資の返済を信用保証協会が肩代わりする代位弁済が4~6月に9720件と前年同期を70%上回っている。3年ぶりに3万件を超えた22年度を上回るペース。

6月の代位弁済は前年同期比80%超の伸び率。中小企業貸付残高は22年12月末で335兆円で19年12月比で45兆円増となっている。
・資源高から価格転嫁ができていない。工事事業者は人手不足から受注機会を逃して借金返済が困難になるケース。調達コストが上がったという回答が9割でそのうち上昇分を価格転嫁できていない企業は4割と答えています。
・保証協会債務残高は40兆円と東日本大震災34兆円を超える規模だ。コロナ禍ゼロゼロ融資返済がはじまった7月5万社あった。24年春にかけて返済がはじまる企業は高水準で推移する。

・代位弁済を受けた企業がV字回復するケースは少なく多くは経営破綻に至る。

6月倒産は782件で同月代位弁済は倒産数の5倍近くあった。
・東京信用保証協会は中小企業診断士など専門家を派遣し財務改善や販路拡大に繋がる支援に力を入れる。京都では保証協会が地元の金融機関や商工会と連携しながら地域一帯の支援に取り組み府内を9つのエリアにわけそれぞれの地域でチームを組んで支援している。

 

『コロナ特例終了 資金繰りの声』

・8月倒産件数760件前年同月比で54%増加。1~8月累計も37%増加している。
実質無利子、無担保融資の納付猶予など資金繰り支援の特例が切れ、一転して重荷になる
・ゼロゼロ融資は当初、3年利払いを免除し、元本返済も最長5年先送りできる制度。
20年5月から民間金融機関が取り扱いを始める。今年7月から24年4月二集中しており、5万社で7月から返済が始まった。
・倒産抑制の効果はあったが債務膨張の副作用をもたらした。
資本金1億円未満の中小企業22年度借入は157兆円でコロナ禍前の19年より25兆円増。

中小企業全体の経常利益の7年分。さらに小規模な資本金1000万円未満企業に限ると経常利益13年分に膨れ上がる。
・ゼロゼロ融資と共に資金繰りの壁となっているのが健康保険や厚生年金などの社会保険料納付猶予期限切れで特例で20年4月猶予期間を最長3年に延ばしたが今年で期限切れから未納分の支払いが始まった。
・社会保険料滞納は全国で14万社で日本年金機構が差し押さえ処分したのは22年度で2万7784事業所と前年度4倍に急増。社会保険料は従業員が多い飲食店や小売業などの業種ほど負担が大きい。

・社会保険料など滞納で倒産の引き金になったのが今年1~7月65件と前年同期の2倍。

社会保険は猶予以外救済はなく、滞納をきっかけとした倒産は今後も増える。

 

『交際費損金算入を拡大』

・現在は1回飲食で5000円までとなるが物価高で上限引き上げを考える。
中小企業交際費は1990年代初頭6兆円から現在は3兆円まで減少。
・中小企業交際費は最大で年800万円まで損金算入をできる特例措置に関しても25年度末まで2年延長する。

・中小企業向けとして少額機械など購入した際に、即時減価償却して全額損金算入できる優遇措置も2年延長を求め、30万円未満の機械や備品などが対象で年間で300万円まで適用。