『株で潤う日銀』
『東証改革、次は新興市場』
『新NISA年間投資枠2~3倍』
『時価総額順位が示す日本の課題』
バブル期には世界トップ50社のうち32社が日本企業だったが現在はトヨタ1社に過ぎない。バブル期は日本32社米国15社英国3者だったが、現在は米国31社、中国4社、フランス・スイス3社、日本英国台湾韓国など9か国1社。
バブル期はNTTと大手金融機関4行がトップ5社だったが、サウジアラムコ以外はアップルなど米国ハイテク企業だ。
日本は市場規模は米国に次ぎ世界2位だが主要先進国の銘柄当たり平均時価総額を見ると米国590億ドル・日本140億ドル・英国290億ドル・フランス290億ドル。
株式市場規模2位だが企業の平均時価総額で言えば大きく見劣りする。
『株で潤う日銀』
GPIFを凌ぐ日本株実質的な最大保有者が日銀だ。
ETFは6月末時点60兆円で含み益は24兆円となっています。
運用益の分配金も22年度1兆1000億円で23年度は1兆2400億円とも言われている。
・日銀には利益の大半を国庫に収める決まりがあり、22年度国庫納付金は1兆9800億円
今後短期政策金利を2%引き上げた場合、長期金利が3%に跳ね上がり、損益は25年度は6年連続赤字で12兆円近い自己資本比率が半分以下に減る。
・ETFが生む果実は本来市場が得られるもので横取りしたものだ。多くの企業に対して対話をせず企業統治の空白地帯を生み出し国が掲げるガバナンス改革に逆行している。
・異次元緩和を探る突破口として選択肢があるうちのETFをいま活かすべきだ。
『東証改革、次は新興市場』
企業のPBR株価純資産倍率1倍割れ解消を打ち出した東証改革の次に掲げているのが新興市場だ。新興企業が上場する東証グロースIPO平均時価総額は22年で101億円と米国の2688億円と比較すると規模が小さい。1社あたりで見ても450億円を超す米国に対して、日本は14億円。
・上場後に公募増資する企業は14%に留まり小粒上場した挙げ句、市場からも資金を調達できない悪循環に陥る。状況を変えるには上場予備軍に機関投資家や富裕層の資金を呼び込む必要がある。
・スタートアップなどに1兆円規模を投資するゆうちょ銀行のような巨大マネーと上場予備軍を結び将来的なIPOにつなげる役割だ。200兆円近く運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本の未公開株に資金を振り向けば他の年金基金にも普及し上場予備軍を支える資金は太くなる。
・政府は6月上旬、グロース市場の上場廃止要件を厳格する。現在は上場10年後に時価総額40億円以上なら上場を維持できるがこの基準を引き上げる可能性をにじませている。
『新NISA年間投資枠2~3倍』
・24年から現行制度を拡充した新NISAが始まる。
投信が対象のつみたて投資枠6000本ある公募投信の3分の1にあたる2000本が対象
個別株は監理・整理銘柄を除いたすべての上場株。
・つみたて枠が現行の3倍120万に成長株は同2倍240万円になる。
一生涯、非課税で保有できる総枠も増える。
現行、上限は800万か600万のいずれかだったが24年からは1800万円に広がる。売却で生涯投資枠が復活するのも特徴だ。