質疑(村上委員) 

 

決算特別委員会でも指摘した第5次広島県廃棄物処理計画における電子マニフェストの普及率に関する質問を行います。
 不法投棄などによる有害物質の土壌汚染、静岡県で発生した土砂災害なども含めて、県民生活に支障を来さぬように、廃棄物処理に関しては適正に進めていかなくてはなりません。SDGsの観点からも、電子マニフェストによる廃棄物処理の電子化は喫緊の課題と捉えて進めなければなりません。現在、県で進めている電子マニフェストの普及率と総量に関してお尋ねします。

 

答弁(技術管理担当監) 

 

環境県民局の調べによりますと、令和3年度におきまして、県全体でのマニフェストの利用件数約107万件のうち、電子マニフェストの利用件数は約63万件であり、普及率は約58.5%となっております。

そのうち、土木建築局との関わりが深い建設業におきましては、環境県民局の令和2年度の資料から確認したものになりますけれども、マニフェストの利用件数約48万9,000件のうち、電子マニフェストの利用件数は約31万3,000件であり、普及率は約64%となっております。

 

質疑(村上委員) 

 

建設業で約48万9,000件、普及率が約64%ということですが、全体総量の70%近くが建設業です。製造業や卸売業もそれぞれ約66%、72%と普及率が高いですが、医療福祉やサービス業は30%程度しか進んでいません。他業種と比較して建設業での普及率は進んでいることからも、職員の御尽力は推察できます。
 しかしながら、マニフェストの利用が多いのは圧倒的に建設業です。だからこそ、確実に進めていかなければならないという認識で、質問します。
 大阪市では、市の発注工事において、水道、建設、契約関連、環境局などで、リーガルチェックを2年かけて行って、令和3年3月に発表して、令和4年度から、発注の入札に関して電子マニフェストの義務化に切り替える旨の方針決定を行いました。
 広島県では、第5次広島県廃棄物処理計画において、令和7年度までに普及率の目標を80%としています。マニフェストの総量が多い土木建築局の責務を考えたとき、県が義務化することで、各市町の方向性がまとまっていくことなども考えられることから、電子マニフェストの義務化が必要だと思うのですが、当局の認識をお伺いします。

答弁(技術管理担当監) 

 

土木建築局発注の建設工事で発生したコンクリートやアスファルト殻等につきましては、再資源化施設に搬入することを基本とし、電子マニフェストか紙のいずれかにより適正に処理が行われていることを確認しているところでございます。


 建設業に係るマニフェストには、県だけでなく、国や市町の公共工事に加え、民間工事の件数も含まれていることから、電子マニフェストの普及率の向上に向けて、これらの関係機関等が連携して取り組んでいく必要があると考えております。
 一方で、排出事業者や収集運搬業者、処分業者が電子マニフェストを利用する場合におきまして、利用料等が必要になること、また、1つの工事で発生した廃棄物等を処理する場合におきましては、排出から処分まで一連の業者全てがシステムへの加入登録が必要となる等の課題もございます。


 こうしたことを踏まえまして、環境県民局と連携しながら、普及促進に向けて取り組むとともに、公共工事への電子マニフェストの義務化につきましては、国等の動向も注視しながら検討してまいりたいと考えております。

 

質疑(村上委員) 

 

排出事業者、収集運搬業者、処分業者のそれぞれがやらないと、電子マニフェストはあまり意味がないです。
 こういった中で、大阪市も議論に約2年、制度準備に1年、通達や通知までに約3年の時間をかけています。義務化等をすぐに導入するのが難しいことは分かっております。
 そこでまず、広島県として、2年に一度ある入札参加資格者名簿の更新において、評価対象として電子マニフェストを追加することから進めていくべきだと思うのですが、御所見をお伺いします。

 

答弁(建設産業課長) 

 

入札参加資格の認定におきましては、経営事項審査の総合評点や県発注工事の工事成績のほか、県の重要施策への取組状況についても評価対象としているところでございます。
 電子マニフェストの普及促進に向けた効果的な取組につきましては、国や他県等の動向も参考にしつつ、環境県民局と連携しながら、資格審査における過程評価の有効性も含めて研究してまいりたいと思います。

 

要望(村上委員) 

 

研究して、進めていただきたいと思います。
 大阪市で事前説明会の資料等を見せてもらったのですが、電子マニフェストの導入に関して、特段、業者の反対がなかったのです。全ての発注工事で電子マニフェストの使用を義務化することで、受注者におけるマニフェストの紛失のおそれがなくなることや、産業廃棄物の処理に関して、排出事業者の収集運搬業者、処分業者のそれぞれにおいて、登録内容を確認できることで、データの透明性が確保されます。そして、市の発注工事における産業廃棄物の適正処理の推進やマニフェストに関わる不正行為の根絶等の効果が期待されております。これは、DX行政を標榜する広島県だからこそ、こういったことからしっかりと推進していただくことを強く要望いたします。
 今回、電子マニフェストについて、決算特別委員会でも関係各局に質問させてもらったのですけれども、こういったところから、地道にしっかりと県民の安全・安心を推進していただくことを強く要望します。