質疑(村上委員) 

 

オトモポリスの活用と施策に対する県民からの意見収集についてお伺いします。
 昨年度、ウェブ公開型の犯罪情報システム運用事業として予算化して、本年2月1日から運用を開始した広島県安心・安全アプリ、オトモポリスの活用状況について、県民からどのように意見を吸い上げているのか、質問します。
 運用を開始した2月1日以降、10月末時点で5万7,061ダウンロードされています。これは、ほかの都市よりも非常に数字がよく、いいスタートを切っていると思っています。昨年度、警察・商工労働委員会においてオトモポリスの事業化に向けた検討を進める中で、不審者情報や県警のメルマガ、お知らせを利用者に対してプッシュ通知で送信できる機能に私は当初から強い関心がありました。というのが、県警察単体では情報発信に限界がある状況下で、この機能が活用できれば有力な情報発信のツールになると確信していました。
最初の質問ですけれども、オトモポリスを導入して以降、不審者情報や県警からのお知らせを発信した件数や情報の内容についてお伺いします。

 

答弁(生活安全部長) 

 

オトモポリスの情報発信について、不審者情報は、警察で認知した女性や子供への声かけやつきまとい、盗撮等の発生状況を発信しています。お知らせは、特殊詐欺や強盗事件の発生、犯罪の注意喚起、防犯対策や交通安全に対する情報など、安全な暮らしに役立つ情報です。
不審者情報は10月末までの9か月間で863件発信し、お知らせは63件発信しています。

 

質疑(村上委員) 

 

不審者情報の発信が863件ということですが、犯罪を未然に防ぐという点ですごく有効だと思っています。特に、夜道を帰るときなど、様々な活用の仕方があると思います。情報発信の実績からすれば、情報発信の強化については、所期の目的を十分達成している状況ではないかと思います。


そこで、この情報発信機能を一歩進めて、アプリを県民から様々な意見を収集することに活用できないかと思っています。県警察が施策を進める上で効果が期待できると思うのですが、アプリをスムーズに稼働できる環境を維持する必要もあり、アンケート機能など余分な機能を搭載してしまうと、稼働がかなり重くなり、アプリを開けてもらえなくなることも考えられます。広く県民からの意見を募集する必要が生じた場合に、オトモポリスをどのような形で活用するのか、アンケートを実施する場合に、オトモポリスの情報発信機能を活用した事例があるのか、お伺いします。

 

答弁(生活安全部長) 

 

県民からの意見の情報収集ですけれども、今年の9月にオトモポリスの使用状況や機能の改善につきまして、オトモポリスを使ってウェブ上で行った事例がございます。

募集の投稿は、オトモポリスのお知らせや県警のメールマガジンで、文中にアンケートフォームへのリンクを設定しました。アンケートフォームを広島県電子申請システムに開設した結果、1か月で1,442件の御意見を頂きました。

質疑(村上委員) 

 

1か月で1,442件の意見があったことは、すごい結果だと思っています。

そのような形で県のシステムにつないだ実態については理解できましたが、自治体の特徴として、広報をどのように行っているのかと質問すると、ホームページに掲載していますと答弁されることがよくあります。これからの時代を考えたときに、ホームページを一般の人たちがわざわざ見るのかと言えば、見ないです。メルマガについても、基本的に見るような時代ではなくなっています。先日、農林水産局の審査のときに、農家とLINEを直接つなげることで、自分から必要な情報を吸い上げていくのではないかと、質疑しました。発想や情報ツールが変化していくに従って発信の仕方も変えていかないといけないというのが私の考え方です。そういった中で、オトモポリスは、防災や交通安全に関する情報に関心があるといったニーズに当たると思います。


 県民のニーズに合った有効な施策が展開できる一つのツールがある一方で、県が施策を進める中で県民の意見を募る手段として制度化されているパブリックコメントがあります。パブリックコメントは、県警察においても迷惑防止条例の改正や防犯指針の策定に際して実施されていますが、いつも寄せられる意見が少なく、以前、平成25年だったと思いますが、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例の概要というのを見てもゼロ件でした。そして、昨年度、同じ条例について、スマートフォンによる盗撮などについてのより細かい内容の改正についてのパブリックコメントがあったのですけれども、ほとんど意見が寄せられていませんでした。
 そこで、県警察が実施するパブリックコメントについて、趣旨や効果をどのように捉えているのか、また、どのような方法で公表しているのか、お伺いします。

答弁(生活安全部長) 

 

パブリックコメントは、県の施策決定における意思決定過程の公正の確保、透明性の向上を図るもので、寄せられた意見の数に限らず、一つ一つの意見を尊重した意思決定を行うことができる効果があると捉えています。県警察においてパブリックコメントを実施する際には、県警察あるいは県のホームページに掲載し、警察本部の情報公開センターや各警察署に閲覧窓口を設けて募集しています。同時に、マスコミへ報道素材を提供したり、県警察の公式SNS、ツイッターやフェイスブックなどで公表したりしました。減らそう犯罪条例に基づく防犯指針のパブリックコメントを行った際は、オトモポリスでも通知して意見を募ったところです。

 

要望・質疑(村上委員) 

 

今、説明を聞いて、パブリックコメントは幅広く多様な意見を求めることを主眼に置きつつも、基本的には県警察の施策における意思決定過程の公正の確保と透明性の向上といった効果がある。特に、私たちの生活に身近で、しかも罰則規定がつくことに関しては、やはり意見が必要になってくると思います。パブリックコメントでは全ての意見に対し、きちんと答えを出す必要がありますが、逆に、パブリックコメントを実施する前段階で意見を集めることが、すごく重要だと思うのです。ですから、パブリックコメントが少ないから駄目だというよりは、よりよいきちんとした条例案をつくって公開することで、意見がなければ県民にとっても安心・安全の施策になっているという考え方になるのではないかと思います。
 オトモポリスの施策について、1,440件近く意見を集められたということは、県の施策にもすごく反映できると思いますので、これから、より柔軟な発想でより意見を集めていけるよう、お願いします。