質疑(村上委員) 

 

GIGAスクール構想の実現に向けたICT基盤整備事業についてお伺いします。
 2020年9月30日に、私は統合型校務支援システムについて、サーバー管理というところで質問させてもらいました。ここで、国のクラウド・バイ・デフォルトの観点からも、クラウド化について進めていくように質問したところ、当時は慎重に検討するという形で、あまり前向きな答弁ではなかったのですけれども、今はどのように進捗しているのか、お伺いします。


答弁(学校経営戦略推進課長) 

 

県立学校の校務支援システムにつきましては、教員の校務にかかる時間を軽減し、子供に対する教育の質を高めるといったことを目的として、平成27年度から段階的に導入いたしまして、現在全ての県立学校で導入、稼働しているところでございます。


 校務支援システムのクラウド化につきましては、国の動向等を踏まえ、そのメリット等を十分に検討した上で、次年度から導入することとしたところでございまして、価格や企画内容等を総合的に勘案して契約の相手方を選定する公募型プロポーザル方式により業者を選定し、現在その契約締結に向けた準備を進めているところでございます。


 校務支援システムのクラウド化によるメリットといたしまして、システム運用上の課題が生じた場合に増強等の対応が容易かつ迅速にできるなど、システム運用における柔軟性や拡張性を確保できること、さらには、教職員が職員室等の自席以外の場所でもシステムを利用できるようになることなどを想定しているところでございまして、引き続き校務のさらなる効率化、教員の長時間勤務の縮減といったものにつながるシステムになるよう準備を進めてまいりたいと考えております。

質疑(村上委員) 

 

福山市でも、大方この支援システムは導入しているのですか。

答弁(学校経営戦略推進課長) 

 

今、福山市の導入状況について資料を持ち合わせておりません。

申し訳ございません。

 

質疑(村上委員) 

 

今後、全市町で導入していくということはお伺いしたのですけれども、クラウド化によって、これからコロナ禍のときに家庭で仕事などを進めることができていくと思うのです。先ほど、福山市のことをお伺いしたのは、福山市はもともと私が県議会議員になったとき、LANの整備率が0%だったり、高速のネット接続率、100メガbpsも全く導入していなかったりという状況でした。また、統合型校務支援システムも、私が調べたところによると、令和3年の段階で尾道市や三原市などの近隣都市は入れているのですけれども、福山市は、たしかまだ整備率が0%だったのです。こういった現状を考えると、福山市はICTによる教育環境の整備が相当遅れていると思っているのです。


 今後クラウド化となると、セキュリティーが大変重要になってきます。校務支援システムは、勤怠管理や学業の成績、家庭の背景など、様々な個人情報を取り扱うわけですけれども、これは広島県にあるHMシステムでもそうなのですけれども、あまりシステムのセキュリティーを強化してしまうと利用しづらくなるといった問題があると思うのです。使い勝手が悪くなって結局利用されないのではあまり意味がないと思いますので、このセキュリティー対策に対して、どのようにお考えなのか、お伺いします。

 

(学校経営戦略推進課長) 

 

 

先ほど御説明いたしました校務支援システムにつきましては、主に成績処理や出欠管理、指導要録等の学籍関係を一体的に管理しているシステムでございまして、令和5年度のクラウド化に向け再構築を進めているところでございます。

このシステムをはじめ、校内で教職員が使用する様々なシステムを安全に利用するための基盤として、県立学校の教職員が利用可能な情報基盤でございます教育情報ネットワーク、いわゆるHeiwaネットと呼んでおりますけれども、これにつきましても、今年度、セキュリティーを確保したクラウドなどの最新技術を利用した基盤に再構築しているところでございます。

 

これにより、これまで授業用として整備していたパソコン等に新たに整備した専用のモバイルルーターを使用することで、メールの閲覧や送受信、サーバー上のファイルの編集といった校務を、校外も含む自席以外でも安全に利用できる環境が整備されることとなります。
 なお、校外等に持ち出して校務情報にアクセスするパソコンにつきましては、ID、パスワードに加えまして、セキュリティーをより高めるため、毎回異なるパスワードを入力するワンタイムパスワード機能による通信の暗号化技術を導入いたしまして、強固なセキュリティーを実現することとしてございます。

 

例えば、校務支援システムで申し上げれば、全ての機能に制限なくアクセスすることを可能にするのではなくて、教室では必要のない指導要録の内容を閲覧できないようにするなど、アクセスする場面、場所に応じて利用可能な機能を制限するといったセキュリティー対策を施すことで、利便性を損なうことなく、校務のさらなる効率化とセキュリティーの確保を高い水準で両立できるよう準備を進めているところでございます。


意見・質疑(村上委員) 
 
今、答弁いただいたのですけれども、今後、校長の裁量権もすごく重要になってくると思います。
 
特に家に持ち帰って情報処理をする場合とか、校長の権限があるといったところも一つ考えていただければと思います。