河川整備計画等における住民周知について伺います。
 平成30年豪雨災害を踏まえ令和2年に芦田川水系の河川整備計画は変更されました。また、河川内の堆積土等除去計画も令和3年3月に策定され、しゅんせつを計画的に進め、令和3~7年までの除去費用は70億円と大幅に増額されました。
 テレビで東北地方での水害の状況の映像を見られた福山市の住民から私の元に相談が多く寄せられました。そこで、まず、東部建設事務所へ、堆積土や水害対策に関する地域からの相談件数がどの程度あるのか、お伺いいたします。

 

答弁(河川課長) 東部建設事務所への河川堆積土のしゅんせつなどの相談件数につきましては、令和3年度におきましては、6~8月の夏場で9件、12~2月の冬場で7件、その他36件で、合わせて年間52件ございました。

 

質疑(村上委員) 出水期に多くの陳情や不安の声が寄せられてくると思いますけれども、その時期は職員としても大変忙しい時期だと思います。そこで質問ですけれども、河川の整備計画としゅんせつ工事について、地域住民等への説明はどのような形で行っているのか、お伺いします。

 

答弁(河川課長) 河川工事等では、事業着手前に説明会を開催し、事業効果や工事の内容などを地域住民に説明を行い、事業への理解と協力が得られるよう努めているところでございます。また、しゅんせつ工事などの維持修繕に関する工事につきましては、回覧等により工事の内容等について地域住民への周知を行っているところでございます。

 

質疑(村上委員) 地域住民とは、主にどういった人たちが来て、そしてどういった形で説明会は行われているのか、お伺いします。

 

答弁(河川課長) まず、河川工事等につきましては、用地の取得、あるいは家屋の移設等が必要となる関係者のほか、工事車両等も通り、工事に関わる安全管理などが必要となりますので、事業区域内もしくはその周辺住民の方を中心に集まっていただきまして説明会を開いております。また、しゅんせつ工事など、維持修繕工事につきましても同様に、工事車両等も通ったり、地域の方々の協力を得ないといけませんので、影響のある範囲を特定いたしまして、各戸に回覧等が回るように周知しております。

 

質疑(村上委員) よくあるのは町内会長等だと聞いておりますけれども、それが町内会全体で広がっているかといえば、なかなか周知が行き届いていないと聞いております。ほとんどの市民は、河川の氾濫抑止の計画を知らないのが現状で、出水期に不安になって議員や東部建設事務所や市役所などに相談するケースがあります。東部建設事務所よりも市役所や支所に相談が多くあると思います。
 川も堆積土の除去だけでは根本的な解決につながらないから、芦田川本流の掘削工事などを通して水流を多くしないといけないのが基本的な考え方であります。ただ、一般の人たちからしてみたら、草がかなり生えているような状況だと、雨が降ったときに、このような状況で大丈夫かと感じると思います。支川から芦田川本流への排水を向上させるために排水ポンプ機能などの強化を行った結果として、平成30年度と比較してどれほど大幅な排水が可能になったかなど、皆さんは知らないのです。いつ、そのポンプが増強されたのかも知らないのです。ホームページでの発信だけではなく支川などに看板等を立てるなどして、治水工事の進捗状況や安全・安心を県民に可視化して伝える必要があると思うのですが、今後どのように一般の人たちに周知していくのか、お伺いいたします。

 

答弁(河川課長) 事業を円滑に進めるためには、地域住民の皆様の御理解と御協力が不可欠でございまして、そのためには事業の内容等の情報を適切に発信することが重要と認識しております。こうしたことから各建設事務所では、ホームページ等を通して各種事業の計画や進捗状況などについて公表し、周知しているところでございます。また、工事概要を図面や写真等を用いて分かりやすく説明した看板を現場に掲示している箇所もございます。今後も地域住民などに周知する内容や方法について、分かりやすく伝わるよう努めてまいりたいと考えております。

 

要望(村上委員) アナログとテクノロジーをうまく活用することはすごく重要だと思っています。支川流域の住民はテレビで豪雨災害を見るにつけて、平成30年度の豪雨災害を想起して、氾濫することをかなり恐れていらっしゃいます。特にそういった地域には高齢者の方が多く、行政として地域住民が理解できる見せ方について、分かりやすく、工事進捗が目で見えるように伝えることがすごく重要だと思います。散歩などで通っているときに、大きな看板があって、これを貼り替えられる状況をつくったり、QRコードで調べれば、どこで今、しゅんせつ工事をしているかが分かる形など、できる限り県民不安を解消することが大切だと思っています。予算は限られている以上、しゅんせつ工事も全部できるわけではないですし、全ての県民を納得させることはできないとは思うのですけれども、全ての県民に説明責任を果たす義務はあると思っております。県民不安の解消と職員の業務効率の改善のため、そして、治水事業はなかなか一目では分かりにくい工事だからこそ、見える化で県職員の仕事を伝えていくことが大変重要だと思っておりますので、何とぞ御検討のほど、よろしくお願いします。