◯質疑(村上委員) 

広島県水道企業団設立準備協議会の開催結果について質問いたします。
 この協議会の大きな目的として、サービス提供の維持、施設管理のマネジメント、組織体制の効率化を示しておりました。これは今、全国の自治体が進めている水道企業団や民営化の方向性と大きく重なる部分がありますが、項目の8番目の危機管理の部分に注目しております。平成30年豪雨災害時に、福山市で給水が行われて、松永町や内海町は断水することもありませんでした。一方で、隣の尾道市では断水が続いておりましたが、どういった原因があったのかお伺いします。

◯答弁(水道整備担当監) 広島県では沼田川水道用水供給事業によりまして、尾道市や福山市の西部地域など、4市1町へ送水を行っているところでございます。平成30年7月豪雨災害の際には本郷取水場が水没しまして、本郷取水場からの送水先である尾道市や福山市西部地域におきまして送水が停止したということになります。その際には、平成18年の送水トンネルの崩落事故を踏まえ、断水被害の軽減を目的に整備しました福山市との連絡管を使用しまして、福山市から応援給水を受け、尾道市浦崎町や福山市西部地域へ送水を行い、給水を確保したところでございます。
 県としましては、水源の確保が困難な島嶼部におきまして、送水ルートをループ化するなど、安定的な送水の確保に努めてまいります。

◯質疑(村上委員) 当時の私は議員ではなかったので、福山市自体は被害が少なくて、尾道市の被害が大きいから、管路が壊れて断水になった程度に思っていました。しかしながら、実際には、平成18年度の送水トンネルの崩落事故を契機に水道インフラ整備の見直しが行われた中で、福山市の松永町や内海町などでは、管路補強などを含めて行われた整備による結果の違いを知り、広域の水道の役割や、基礎自治体の水道の役割がとても大きいと分かりました。
 今後、広島県水道企業団設立の過程で、危機管理における方向性と役割に関して大きく示すべきだと思っているのですが、お考えをお伺いします。


◯答弁(企業団設立準備担当課長) 全国で頻発する災害を踏まえ、危機管理体制を確立することは、企業団設立の重要な意義の一つであり、企業団の事業計画では、施設の強靱化やバックアップ機能の強化と危機管理体制の充実などによる、ハード、ソフト両面からの危機管理対策の強化を掲げているところです。具体的には、国の交付金を活用した緊急性、重要性に応じた浸水対策、土砂災害対策、地震対策、濁水対策の実施、水源の多系統化や緊急時連絡管の整備、管路の二重化、停電対策等の対策を実施し、災害や事故に強い水道を整備することとしております。また、災害時に的確に初動体制を整え、近隣市町からの応援やバックアップなど、応急復旧などに迅速に対応できるよう、企業団として危機管理マニュアルを整備し、企業団の参画市町と一体的に対応できる体制を構築することとしております。

◯要望・質疑(村上委員) 現在、東北や九州地方でも線状降水帯が発生しており、広島県でもいつそういう事態に陥るのか分からない状況の中、改めて危機管理の視点は大変重要だと思います。
 宮城県や大阪府など全国の自治体が進めていますが、業務の効率化が最優先になっています。今回、広島県が危機管理についてかなり踏み込んでいます。大きな趣旨の3点は、サービス提供や施設管理のマネジメント、そして組織体制の効率化ですが、効率化だけではなくて、危機管理をしっかりと見直して対応していただきたいと思います。今後、気候変動による豪雨災害が予測される中で、合理化の観点だけではなくて、必要な施設は何かを改めて深く議論していただいて、管路の更新等を含めた対応の強化をよろしくお願いします。