質疑(村上委員) 広島空港にある開港記念モニュメントは、お客様を歓迎するという意図をもって設置されたと聞いておりますが、広島県が財政難である現状で、県費を投じてまで本当にこの移設が必要なのかも含めて疑問を感じているところがあります。まず、移設費用全体と移設に関わる制作者への費用はどの程度か教えてください。

 

答弁(空港連携担当監) モニュメントに関しては、今年度の当初予算で移設費用として2,110万円を計上しております。これは純粋に移設費用であり、制作者へお支払いするものはございません。

 

質疑(村上委員) 移設費用は2,110万円ですが、制作者に対する費用は発生しないとのことでした。制作者にとって、お金の問題ではないということもよく分かりました。この中で32本のうち17本移設というのも制作者にとっては苦渋の決断だったのではないかと思います。
 それでは、今後の契約書の中で、意匠権、著作権などの知的所有権に関しては県に全て移管されるのか、これまでの契約と今後の契約ではどのようになるのか、お伺いします。

 

答弁(空港連携担当監) モニュメントの権利関係については、所有権が県、著作権が制作者にございます。今後については、また検討していくことになりますが、現在のところ、著作権は制作者にございます。

 

意見(村上委員) この後いろいろと検討していただきたいのですが、経年劣化や移設した場所での地滑りなどにより破損し、制作者から直せと言われた場合、どういった判断になるのでしょうか。また、今後、区画整理や再開発、空港の拡張工事などでモニュメント移設先の西側を用地とすることはないだろうと思いますが、だろうで判断してはいけないと思うのです。
 当時モニュメントを設置したときには、これを移設する想定はなかったはずで、文化芸術課にお伺いしましたが、県が所有者の権限で撤去することはできるとのことです。制作者に依頼したという判断などもあったのですが、異動があって、当時の担当者ではなく、今の担当者が対応しないといけない現状となっています。あのとき県はこう言っていたではないかといったこともあると思います。そうなった場合、県の職員が困ることになってしまいます。だからこそ、契約書でしっかりと明記して、担当部署の職員が制作者との交渉で一定の判断が可能となるように考えていただきたいと思います。
 文化をつくられた以上、残すべきだという考え方は大変重要だと思いますが、本日も大雨の中で県民が様々な不安を抱える中、県は限られた財源でその対応をしなくてはなりません。県民の命と財産を守るために財源は使うべきだということを踏まえると、考え方の転換も必要ではないかと思っているところを表明して、私の質問を終わります。