◯質疑(村上委員) 広島県警察が運用中のスマートフォンアプリ、オトモポリスについて、何点か質問します。
 中四国初の導入で、広域の評価が多く、そして、今ではもう少し進んでいると思っておりますが、5月23日の時点で既に4万ダウンロードされているとお伺いしています。そのようなことから、既に導入しているほかの8都府県と比較しても順調に推移しているのではないかと思われるのですが、その要因が何か、お伺いします。

 

◯答弁(生活安全部長) アプリの導入から4か月余りでございますが、現在、確認いたしましたところ、4万3,550ダウンロードということで、順調に県民の皆様に浸透しているものと考えております。
 要因でございますけれども、3点あると思っています。1点目は、プッシュ通知によるタイムリーな情報発信とか、痴漢対策機能や防犯ブザー機能など、危険に対処する機能を充実させている点でございます。2点目は、この各種機能、それからマップの表示方法について、シンプルかつ使いやすい操作性を実現している点でございます。3点目は、広報戦略でございます。報道機関や関係機関、団体の御協力もいただきながら、あらゆるルートを通じて、防犯への有効活用を広報したことと、それからウェブ広告などの効果的な手法を取り入れたことでございます。これら充実したアプリの機能や操作性、それから広報戦略を効果的に推進したことが、ダウンロード数が順調に推移している要因であると考えております。

 

◯意見・質疑(村上委員) 県警察のオトモポリスは、アプリの導入に際して、機能を最小限にとどめたと承知しております。基本的に重過ぎず、詰め込み過ぎず、分かりやすいアプリが親しみやすく使える基本路線になるということで、導入方法が正しかったのかと思います。私も18年ぐらい前にアプリをつくって、当時、ダウンロード数で一番を2つほど取ったのですけれども、とにかくすごくシンプルなものに仕上げていくことで、取れたのです。ただ今後、5Gが進んでいくと、同時にアプリ性能もそれに合わせて考えていくべきかと思っております。その点を踏まえて、今後のオトモポリスの展開について、2点ほどお伺いします。
 先日、ニュースでも、東京の電車内で、警視庁の防犯アプリの痴漢撃退機能を利用して痴漢を検挙したという報道がありました。これは防犯アプリの好事例であるとは思うのですけれども、他方で、地方と都市部では活用の仕方が変わるのではないかと思っています。
 一部を具体的に言うと、地方では満員電車はなかなかない、そして、夜間の人通りの少ない道を一人で歩いて帰ることが多いなどが考えられます。そうなると、そのマップ機能の活用についてどのように考えていくのかは、都市部とはまた違う考え方を持たないといけないと思っております。だからこそ、この地方におけるマップ機能の活用策として、通学路や通勤路で発生した犯罪等について、メールなどでアプリ利用者に通知して、注意を呼びかけることが有効だと考えますが、こういったことについてどのように考えるのか、お伺いします。

 

◯答弁(生活安全部長) まさしく委員御指摘のとおりでございまして、通学路などの特定エリアで連続発生している犯罪等につきまして、そのエリア内を通行する方に注意を呼びかけることは、被害防止上非常に有効であると考えております。
 そのような手段として、本アプリでは、エリア通知機能を備えております。この機能でございますけれども、通知するエリアと通知する内容を県警察が設定しておきますと、このエリア内に入った利用者に対して、プッシュ通知を配信して注意を呼びかけるというものでございます。
 県警察といたしましては、この機能を活用いたしまして、連続発生している犯罪等について、タイムリーに情報発信し、県民の皆様の犯罪抵抗力の向上に努めてまいりたいと考えております。

 

◯要望・質疑(村上委員) 地方と都市部では、痴漢だけではなくて、交通事故の発生場所といったものも違ってくると思います。そして、手法や発生場所、傾向も違ってくるといった点から、広島県警察での、独自のデータ集約とアプリへの反映などの方針をどういった形で定めていくのかも改めて検討していただきたいので、そういった形で開発を進めていただくことを要望いたします。
 次に、活用の仕方についてお伺いするのですけれども、今後、先ほども申し上げたように5Gが進むとともに、犯罪発生情報が集積されたビッグデータが活用されて、以前、私が質疑を行った名古屋市で導入している、犯罪発生を予測してパトロールコースを選定する、いわゆるAIパトロールの活用も考えていくことができるかと思っております。
 そこで、AIパトロールへの活用などを含めて、蓄積される犯罪発生情報等のビッグデータの活用を今後どのように展開していこうと考えているのか、お伺いします。

 

◯答弁(生活安全部長) 県警察におきましても、犯罪や事故のデータを分析いたしまして、各種の警察活動に活用しているところではございますが、本アプリに関して申しますと、犯罪多発地域を県民にお示しすることで注意喚起しているところでございます。
 先ほどございましたAIなどの先進技術の活用につきましては、先行導入している事例の効果を検証しながら、検討を進めまして、より県民の皆様の安全・安心に資するよう努めてまいりたいと考えております。

 

◯要望・質疑(村上委員) 要望ですけれども、特に痴漢でいえば、バスや電車の時刻表とタイアップして、例えば乗車しようとする時間帯では痴漢が多く発生しているといった傾向があれば、この時間帯にこの車両に乗るのは控えようかとか、犯罪抑止にもつながっていくと思います。ぜひともそういった鉄道会社やバス会社との連携も考えていただけたらと思います。
 あと、社会的反響の大きな事件として、つい先日、福山市で、49歳の方が居眠り運転で交通事故を起こしました。それが映像に残っていて、結果的に、毎朝報道されていたのです。こうしたところからでも、例えば、コンビニ強盗があったことを、文字だけではなくて、写真などでも注意喚起していけたらいいかと思います。要は防犯カメラの犯人の映像等をオトモポリスや各種SNSを活用して素早く県民に周知することは、注意喚起や犯人の早期検挙にもつながりますので、その点についても推進をお願いします。
 現状でも評価が高いアプリですけれども、今後もあらゆる改善や機能向上について、県民の声をしっかり聞いていただいて、日本一の防犯アプリとなるように継続した御検討をよろしくお願いします。
 続いて、視覚障害者の方や高齢者の方がより信号を渡りやすくなる歩行者等支援情報通信システム、高度化PICSについて質問します。
 これは、アプリをダウンロードすることにより、ブルートゥースを活用して、スマートフォンを持つ歩行者に交差点名や歩行者用信号機の状況を音声で提供し、安全に交差点の横断を支援するシステムと承知しております。令和3年2月定例会において、今後の取組についての質問に対する答弁では、実際の運用を通じて効果を確認するため、令和3年度当初予算案に1基の整備費用を計上し、その後、昨年度中に1基を設置して、そして効果を検証中であると聞いております。
 他県の取組状況では、一番多い宮城県が100交差点ほどもあるようですけれども、導入していない県のほうがまだまだ多いと公開されております。このシステムは今後、様々な面において活用領域の拡大が期待できるものと認識しておりますので、ぜひとも広島県において設置を推進していただきたいと思っています。
 そこで、質問ですが、現時点、1基を設置して、効果検証中である歩行者等支援情報通信システムにおける、広島県警察としての今後の取組について、どのように考えているのか、お伺いします。