リスキリング教育についてお伺いするのですが、これに関しては、予算はつくのですけれども、まだまだ先は見通しにくい状況の中で事業化する難しさはあると思うのですが、今回の事業化を行う目的と、今後広島県にどのような効果を得ていくのか教えてください。

 

○答弁(産業人材課長) 

来年度に実施予定のリスキリング推進企業応援プロジェクトは、企業による戦略的な従業員の学び直し、いわゆるリスキリングを従業員の共感を得ながら県内企業に定着させまして、持続的な企業の成長につなげていくことを目的としております。

 具体的な取組といたしましては、社内のITパスポート、これがこの4月から高校教育課程の共通必須科目として情報Ⅰに組まれますけれども、それに対応した国家資格でございます。このITパスポートの取得を積極的に社内で推進していく企業への支援、あとはリスキリングの機運醸成の一環といたしまして、まずは経営者の意識改革を図る研修を実施いたしまして、その後に経営者が従業員との対話によってリスキリングへの理解促進を図る取組、そしてさらには産学官等が参画いたします協議会を設置し、産業構造の変化に対応して習得すべきスキルの整理ですとか、働きながら学ぶ環境の整備、雇用管理の在り方など、リスキリングの定着に向けた対応策を検討することとしております。

 こうした取組を通じまして、従業員が社内での部門を越えた再配置や職種の転換、あるいは外部の労働市場でも通用するスキルを身につけることにより、将来の予測が困難な時代におきましても雇用が失われることのない円滑な労働移動に向けてその効果が生じてくるものと考えております。

 

 

○要望・質疑(村上委員) 

 

これまで離職などからハローワークを紹介されて、そして資格を受ける流れだったと思うのです。仕事をしながら資格を得ていくのがリスキリングという観点で、デジタル化による大きな時代の変革において、学び直しにどのように取り組むのかというのが、企業においても個人においても大変重要だと認識しております。

 先ほどの説明でいえば、1つ目が、今後の社会全般に必要なデジタル人材が世代を超えて必要な知識となり得ること。特に高校生から、情報Ⅰが必須科目になると、私たち40代、50代の現役世代と、そしてこれから社会人に出てくる、言わばZ世代とも言われております世代とのデジタル認知におけるギャップはどうしても生まれる可能性が高いですし、ギャップを埋めていくことも企業支援において大変重要な観点だと思っております。

 2つ目は経営者から従業員に段階的に進めていくことで、県内全体のリスキリングの機運醸成を高めていくという必要性。

 そして3つ目が、産業構造の変化に対して雇用が失われることなく労働移動が社内外で柔軟に対応できる人材づくりに向けた土壌づくり、これもよく分かりました。

協議会の中で役割分担を明確にするためにも分科会を創設して、広島県のニーズに照らし合わせた中身にしていただきたいことも要望いたします。リスキリングがあって、そしてさらに介護の資格があれば、これから社会に必要になっていくといったところも含めて、広島県において、様々な形で、どのようにこのリスキリング教育が必要になっていくのかをしっかりと検討していただける協議会になるように祈念しております。

 それでは、リスキリング教育について、外国人の技能実習生も受け入れられるのでしょうか、お伺いします。

 

○答弁(産業人材課長) 

 

様々な国籍ですとか、多様なバックグラウンドを持つ従業員が、やりがいや働きがいを感じながら業務に取り組むことができる環境を整備するとともに、意欲ある個人に教育の機会を提供するなど、多様な従業員一人一人に向き合い、企業総体として生み出す付加価値を上げていくことがリスキリング推進の目的でもございます。

 こうしたことから、受入れ企業と雇用関係にございます外国人技能実習生もリスキリング教育の対象と考えております。

 

 

○要望・質疑(村上委員)

 

 今、外国人労働者も受け入れられると聞いて、大変安心しました。先日、東広島市では人材教育のスタートアップのGEパートナーズと連携して、外国人による介護人材養成を始めました。そこでは外国人労働者は出世払いという形で日本に永住できるように資格取得を目指す形で推進されております。先ほどの分科会で、デジタルパスポートにさらにどういった資格を追加すれば、日本のニーズと、そして在住外国人がマッチしていくのかといった研究も要望いたします。

 技能実習という名の下に外国人材を安く雇用するという概念をなくして、外国人材が活躍する広島県として取り組んでいただくことを重ねて強く要望いたします。

 

 次に、観光分野についてお伺いします。

 私はこれまでも修学旅行生の獲得のための戦略について質疑を行ってまいりました。その上で、前向きな答弁をいただき、修学旅行生の消費動向等を把握し、誘致活動に取り組むと言われておりますが、今回、調査等の費用はどのように考えているのかお伺いします。

 

○答弁(観光課長) 

 

来年度の観光地ひろしま推進事業におきまして、様々な観光客の年代や性別等の属性、行動パターン、嗜好などの詳細な情報の把握、分析などを行うためのマーケティングに要する経費を予算計上させておりまして、そうした予算を活用して修学旅行生を含め、消費動向の把握等も行っていきたいと考えているところでございます。

 

○要望・質疑(村上委員) 

 

今まで紙ベースだったものをアフターコロナ等も考えた上で、ウェブ等を通してなど、様々な手法でこれから研究してアンケートも取っていくことはお伺いしているのですけれども、ただ、私は修学旅行を獲得する上で、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなくて、政策目的を明確化した上で、合理的根拠、言わばエビデンスに基づくEBPMの在り方でニーズを分析することが必要だと強く要望いたします。

 さらに修学旅行において、生徒たちの安全管理等に関しては、学校側にとって最優先事項だと考えられます。その上で、広島県の特性を生かした平和学習とプロスポーツを連動した広島ファンの取組をお伺いします。

現在、修学旅行生に対して、平和学習で戦争体験を語るのも大変重要な観点だと思うのですが、語り部を受けた学校数及び生徒数はどの程度いるのか、お伺いします。

 

○答弁(観光課長) 

 

語り部による平和学習につきましては、修学旅行生に限ったものではございませんが、コロナ前の令和元年度における広島平和記念資料館で行う被爆者による被爆体験講話に参加した学校数は約1,300校、参加学生数は約12万人となっております。

 

 

○要望・質疑(村上委員) 

 

本当に大変な数の人たちが受けています。平和学習は、広島市がそういったデータを取っていると言うのですけれども、先ほど言ったように、修学旅行生はどうなのか、そこら辺が精緻に分析できていないのです。要は広島市に平和学習は任せる考え、縦割りをなくして広島県全体で平和学習が観光施策に活用できる認識を持っていただきたいと私は思っております。

 現在、語り部の課題として、あまりにも今の時代と世代間のギャップがあり過ぎて、なかなか通じないという声もありますし、あと、当事者世代ではなくて、被爆者の家族が語り部になっているのでリアルさが伝わっていないという声もあります。そこで、映画館と連携を行って、語り部と映像を駆使して平和教育を伝えていくことは、語り部の承継問題もありますし、昨今のウクライナ情勢を含めても、平和教育はこれから大変重要なカリキュラムだと思いますので、御一考をお願いします。

 

 最後に、予算の中に広島ファンと記載されていましたが、今、インターンで私のところに来ている子がいるのですけれども、修学旅行で広島県に来て、広島大学を選んだと言ってくださいました。宿泊、食事、観光資源がある広島県の魅力は、子供たちに何を伝え、感じてもらうのかが大変重要な観点だと思っています。

 そこで、広島県には、プロスポーツが野球、サッカー、バレー、ホッケー、ハンドボール、バスケ、バドミントンや社会人地域スポーツも数多くあります。特にカープの球場は個性があふれ、野球に興味がない人も楽しめるし、大規模球団とは違って、地域性が出た応援を共にすることで、広島県にまた来たいと思わせる材料になると思うのですが、現在の各プロスポーツ観戦の修学旅行生を絡めた戦略等についてお伺いします。

 

 

○答弁(観光課長) 

 

広島東洋カープやサンフレッチェ広島をはじめとした地域に根差した数多くのプロスポーツチームは、県内外から多くの観光客を集める本県ならではの大変貴重な観光資源であると認識しております。そうしたプロスポーツチームの試合観戦につきましては、本県への修学旅行を検討されている学校関係者、あるいは旅行関係者向けに発行している広島修学旅行ガイドブックに掲載し、修学旅行の誘致を行う際のPRに活用しているところでございます。

 引き続き、修学旅行生のニーズ等を把握していきながら、プロスポーツ観戦等も活用して、修学旅行のニーズについて取り組んでまいりたいと考えております。

 

○要望(村上委員) 

 

最後、要望ですけれども、まず、こういった営業をするときに学校の先生を落としていくのが重要になってくると思うのです。その学校の先生のニーズとしては、生徒の安全と時間管理が容易だというところがあると思います。やはり自由行動をさせたら戻ってこないだとか、何か問題を起こしたらといったことなどを考えたときに、学校の先生としては、映画館にしても、球場といったところにしても、一定の管理がしやすいというところは、ニーズとしてすごく大きいと思うのです。

プロスポーツの会場は、地域の名産を出店したり、チームの応援によってファンとつながることで広島県民との関わりを持つことができると思います。

 特に、その先ほどもお話ししたように、横浜スタジアムとか在京球団はやはり多様性から、着いてから服を着替えます。私たち福山市民は、もう福山市からカープの服を全面に着たりするのです。やはりそういうところで全然違うと思いますし、さらに、修学旅行生はアンケート回収もしやすいと思うのです。満足度調査だけでは駄目だと思っていて、なぜ広島県が選ばれないのかもアンケートの工夫として重要だと思っています。修学旅行生は費用対効果も高く、アンケートも取りやすく、本来スポーツに興味がない人たちの話も聞けるというのは大きなデータになると思っております。

 さらに、インターン生から聞くと、修学旅行生は初日にまず広島県に行くらしいのです。そして、その後は四国や関西に行って、最終はユニバーサルスタジオに行くところがあって、お土産を初日にあまり買わないとも言われました。だから、はっちゃけた子だけが最初に買ってどえらい目に遭うようなこととかを言われています。やはり、こういったところからも、その日程等についても把握して、初日に広島市、その後、全県的に移動して福山市とかに泊まっていただいたり、消費していただく日程なども具体的に考えて進めていただきたいと思っております。

 ぜひとも団体旅行客が減少していくことが予想される今後の広島観光において、修学旅行を最重要視して、個別の調査費の予算も研究も含めて、改めて強く要望いたします。