次に、リスキリング・キャリア教育の在り方に

ついてお伺いします。

高度経済成長から低成長時代となっていく中で終身雇用制度は形骸化され、年齢と共に賃金が上がる時代ではなくなり、現在はその過渡期となっております。

 

賃金構造基本統計調査によると、本県の20代と50代を比較すれば、20代が平均収入で180万円、人口差もある中で、このまま年齢を重ねていけば、将来、街に落ちていくお金はかなり減少することが容易に想像できます。

 

高校で技術を持てば生活が安定し、一流大学を出ればある程度の生活が保障されていた時代が終わりを迎えつつあるなか、職業能力の再開発などのリスキリング教育による所得向上の変化に対応できる人しか所得が上がらないのが現実です。

 

例えば、必要なのは職業訓練校の活用です。

データサイエンス等の有資格はオンラインで講座を行い、25分間の講義を受ければ5分間の復習テストを行うなど、集中できる工夫を行ったり、民間アプリを活用し有資格者を作り出し、

そこで企業を繋いでいく形をとるなどの手法も考えられるのではないでしょうか。

 

一方で自動車整備・溶接加工などは将来人手が余る職種とも言われておりますが、現時点では人手不足であり、企業や現場からは早急に解消を求められております。

 

そこで、近年のデジタル化やコロナ禍を契機として「職業に求められるスキル」も変化するなか、リスキリング教育と両立しながらこの過渡期を乗り越えていく必要があります。

こうした動きに迅速かつ臨機応変に対応するための職業訓練校の改革が必要だと考えますが、商工労働局長の御所見をお伺いします。

 

《執行部答弁》

【商工労働局長】
高等技術専門校におきましては,民間教育訓練機関が実施していない分野で,電気工事士や自動車整備士など,求人 ・ 求職の需給ギャップが大きい人手不足分野の訓練を実施しております。
また,就職に有利となるワンランク上の国家資格の取得支援も行っており,例えば,電気設備科では,修了時に取得できる第二種電気工事士の資格だけでなく,第一種電気工事士の資格にも対応した訓練を実施し,地域産業の現場を担う実践的な人材の育成に努めております。


さらに, デジタル化に対応した訓練内容につきましては,産業界のニーズの変化や,生産現場におけるデジタル化の進捗状況などを踏まえ,数値制御による機械加工等の訓練の強化、溶接ロボットの実習などの訓練を実施しているところでございます。


一方,AIやロボットテクノロジー等の技術革新が急速に進展するこ
とで,省人化により労働力不足が解消されるものの,従来の雇用が失われることやデジタル技術を活用できる人材が求められることなど,雇用情勢は大きく変化するものと考えられます。


こうした状況を踏まえますと,今後の職業訓練 は,現在の雇用の需給ギャップを埋めるだけではなく,新たな雇用が創出される成長分野への就業に向けた取組が必要であると認識しております。


このため,産業界,労働組合等を含めた関係者と協議を行い,意見を伺いながら,将来の雇用の需給ギャップを見据えた高等技術専門校の訓練内容の見直しを行うとともに,円滑な労働移動を実現しうる社会人に対するリスキリングの推進についても,検討してまいりたいと考えております。

 

【要望】

今後リスキリング教育を誰にどのような形で行っていくのか、ターゲットを絞って柔軟に取り組んでいく必要があると思いますので、よろしくお願いします。

 

続いて、キャリア教育について質問を行いますので、教育長は、答弁待機席へお願いします。

若年層の3年以内の退職率が高卒・大卒3割を超え令和2年度の高校中退者は673人となっています。

職業訓練校の担当者が学校訪問をしたとしても、進路指導の先生とは話せても、担任の先生一人ひとりに話をすることは難しいと思われます。

 

仮に中退・退職したとしても、再スタートに際して、学費が他の専門学校よりも断然安く、未来に必要な国家資格を得られる職業訓練校をまずは知って頂きたいと考えます。

そこで、高校1年生の早い段階において、キャリア教育の一環として職業訓練校を体感していただくことも有効な手段だと思いますが、教育長の御所見をお伺いします。

 

《執行部答弁》

【教育長】
高等学校におきましては,産業構造や社会システム等の変化を踏まえながら,自己のキャリア形成と関連付けて生涯にわたって学び続けていけるよう,学びに向かう力の育成やキャリア教育の充実を図ることが必要であると認識しております。


各学校におきましては,職業訓練校をはじめ関係機関等と連携を図り,職業や上級学校等に関する新しい情報を生徒に与えて理解させ,それを各自の進路選択に活用させる活動や,生徒にインターンシップやオープンキャンパスへの参加を通じて,自己の能力 ・ 適性等を分析させたり,具体的に進路に関する情報を得させたりする活動など,キャリア教育の視点に立った活動を入学時から計画的に取り組んでおります。


県教育委員会といたしましては,生徒が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的 ・ 職業的自立に向けて必要な資質 ・ 能力を身に付けられるよう,キャリア教育の充実を,引き続き,図ってまいります。

 

【要望】

 

平成30年度福山商業高校中退者が29人でしたが令和3年度には1人にまで減らしている事も含めて迅速な対応と判断に期待しております。

教育長、ありがとうございました。お席にお戻りください。