【警察】

○質疑(村上委員) 

私からは、交番に関して幾つか質問をします。

交番は基本として機能性というデザインが大切であって、景観を主としたアートとしての交番は本当に必要なのかというところに大変疑問を感じております。

広島県警としては基本的に統一した設計で予算4,000万円から5,000万円というところで、機能的かつ合理的な交番を建てていると思っております。
交番というものは集客施設ではなくて、困っている人が一見して交番と分かることが大切だという視点から私は質疑をさせてもらいます。

まず、既に造られている福山市の野上町交番は体育館のところにありますが学生デザイン公募によって交番が建てられたのですが、この建設費用についてお伺いしたいのと、学生デザインによる建て替えに伴う課題、どういったものがあるのか教えてください。
 

○答弁(総務部長) 

広島県では次世代を担う人材育成の一環として、平成25年度から県内の建築学生を対象としたコンペを実施しているものと承知しております。

野上交番につきましては、平成26年度に実施された学生コンペで最優秀に選ばれた作品の内容を踏まえて、県内の事業者が詳細な設計を行い、平成27年度に建築したもので、建築工事費は、旧交番の解体工事費も含めて、約4,900万円となっております。

 

なお、専門の事業者は設計を行う過程において、機能性を確保するための諸室配置や維持管理の面から植栽の種類を見直すなど、軽微な変更はしておりますが、大きな課題は見受けられなかったものと考えております。
 

○質疑(村上委員) 

結局、これは学生がデザインするということで、設計費等もかからないが結局は植えたつるが生えないとか、そういった課題も耳にしました。

 

ただ、既に統一した交番のコンセプトがあるからこそ、今回、県が行う魅力ある建築物創造事業で、プロポーザル資料で、見させてもらったのですが福山駅前交番をプロポーザルの建て替え予定が行われようとしていると。

 

広島の本通も都市計画があって、現在は一旦凍結という形にはなっていますが、個別建物のデザインを決めていくことが、果たして本当に大事なのかなと思っていて、福山駅前周辺の都市計画全体を整理して、その上で福山駅前交番の建て替えるための順序立てがすごく重要だと思うのですが、お伺いします。

 

○答弁(総務部長) 

 

福山駅前は福山市が策定した福山駅前再生ビジョンや福山駅周辺デザイン計画などに基づきまして、その整備が進められているところでございます。福山駅前交番の建て替えにつきましては、これらの計画に沿って進めているとともに、福山市が設置している福山駅前デザイン会議においても具体的な検討や情報共有などを行っているところでございます。

 

 福山駅前交番の設計は、今年度実施するということしておりまして、いわゆる地域の安全・安心の要として、交番機能を最大限発揮させることはもとより、福山市が示すエリアビジョンを踏まえたデザインとなるようにプロポーザル方式で設計者を選定したところでございます。また、設計者の選定に際しましては、福山駅前デザイン会議の委員にも選定委員として御参加いただくなど、福山市の御協力をいただきながら進めております。引き続き、福山市をはじめとした関係機関と連携を図りながら、建て替えに向けた準備を行ってまいります。

 

○要望・質疑(村上委員) 

 

今回の建築フォーラムの審査部門の一人で、福山駅前デザイン会議の委員にお話を聞きましたが、土地の使い方自体の方向性はあるのですが、駅前全体の景観をどうするのかっていう具体的なものまだほとんど決まっていないということが現実ですとお答えいただきました。
そして、福山駅周辺に関しても、全体デザインという機能性ではなくて、単体でアートを演出し、一体感のないまちづくりというのが散見されるんですよね。

 

以前、金沢市だとか甲府市はやっぱりまち全体がどのようなまちで発展していくのかということとかがすごく分かりやすく、そうなると、結局、まちを回っていても、武田信玄が、山梨・甲府でいえば大切なんだろうなとかということが実感できました。

 

この交番だけを建て替えるって考えたときに、機能性のあるデザイン交番ならば、交番で道案内聞くのはアプリ対応ができない高齢者だとか外国人観光客などを考えて、ターゲットを絞って対応を想定していくのがデザイン機能だと思うんです。

仮にそういった機能デザインではなくて、アートで予算が倍近く膨らむようなことがあると、コロナや防災害とか、支援を必要とする県民がいる事を考えると私は厳しく追及していこうと思いますので、現在の広島県の予算に見合った交番で考えていただきたいと思っております。

今後、県警として、アート交番は必要ないと毅然とした態度で臨んでいただくことを私は要望します。

 

次に、交番の市民に密着した活動として、道案内、落とし物の届出等がありますけれども、主に一般市民がイメージがあると思うんです。

じゃあ、今後、各種テクノロジーの発達など、時代の変化に応じて、交番の役割等も変化せざるを得ないと考えているのですけれども、改めて、現在の交番の役割についてお伺いします。

 

○答弁(地域部長) 

 

交番は落とし物でありますとか各種相談の届出を受理しておりますほかに、警察官が地域住民の皆さんの意見、要望を把握する活動でありますとか、発生します事件、事故に即応する活動を行うための拠点の一つということになっております。

また、昼夜を問わず、常に警戒態勢を保ちつつ、発生する様々な警察事象に対応することによりまして、地域住民の皆さんの安全・安心のよりどころとしての機能も果たしております。

 

○要望(村上委員) 

 

最後、私の要望として終わらせますが、時代が変わって、スマホで道案内が進んでいく。

街に設置される防犯カメラも精度が上がって、犯人検挙につながる映像が貢献している状況等を考えても、時代の変化において今後の交番の役割を変えていくべきだと私は認識しております。

広島県内に交番は150近くあるとお伺いしていますが、2人体制で3交代制で1,000人近く常駐警察職員がいるということもお伺いしております。

私としては、限られた人力資源と予算を有効活用するために、今後は交番を減らして、その分の予算や人員をパトカーや街頭防犯カメラなどに投資を行うとともに、あらゆる最先端のテクノロジーを活用した防犯イノベーション戦略を構築していく必要があるのではないかと認識しております。

特に、繁華街のところはパトカーや防犯カメラが多いほうが安心だったりもする時代に入ってきてるんじゃないのかなと思いますので、今後の各種施策を進める上で、交番機能の検討も含めて進めていただきたいなと思っておりますので、県警本部長、よろしくお願いします。以上です。