それでは、これに引き続いていくような話になるのですが、次に、委員長にお許しをいただきました、この配付資料をちょっと皆さんも見ていただきたいのですが、これは広島県教育委員会として、主に小・中学校の課題としてお伺いしたいなと思っているんですけれども、奈良県教育委員会は、教員の働き方改革について、地域、保護者の皆様に対してこれを全部開示をしているんですね。
 

 先日、文科省が「#教師のバトン」というのがあって、教員の現場からどんどんどんどん不満が出て、これはネット上でもニュースでもすごく話題になったと思うんですけれども、これっていうのは声なき声が表に出てきた証拠で、広島県としても、こういった教員の現状の課題を地域や保護者に知っていただく必要があって、道徳やプログラミング教育、さらには英語教育、もう次々にこれまでの教育現場の教育実習で受けていない項目が増えて、校内研修や自分たちの勉強の時間を必要とする中でこの働き方改革まで問われている現状の教員の現場なんですよね。じゃあ、この学校現場が個々で断る理由ではなくて、広島県として、このように全体方針を持って教育現場の棚卸しを今行う必要があると思うんですが、その奈良県の取組について広島県教育委員会としてどのように感じるのか、お伺いします。
 

○答弁(学校経営戦略推進課長) 

 

国においても働き方改革は非常に重要な課題だというふうに示されておりまして、通知ですとか法令に基づきまして、県ももちろんでございますけれども、各自治体において取組を進めているというところでございます。今御紹介いただきました奈良県の取組につきましては、こうした流れを受けまして、地域や保護者の皆様に理解を求めるという取組ということで作成をされたというふうに認識をしてございます。本県といたしましても、学校の働き方改革を進めるに当たりまして、地域や保護者の理解、協力というのが非常に重要だし、必要なものだというふうに考えてございます。

 

 こうしたことから、令和3年3月31日発行の県の教育委員会の広報紙「くりっぷ」、これは幼・児童生徒から保護者へ持ち帰ってもらうものでございますけれども、こちらにも教育・・・が本来期待をされている役割を果たすことができる環境の整備を進めるなどの学校の働き方改革の趣旨を説明をいたしまして、学校行事ですとか部活動等の見直しなどについて、地域や保護者の方に対して理解、協力をいただくための記事を載せさせていただいたというところでございます。今後も引き続きまして、他県の取組を参考にしながら、本県の学校における働き方改革の推進に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。

 

○質疑(村上委員) 

 

この資料は、一般の人たちに分かるようなことが重視されているのがよく分かるんですよね。

僕が思えるのは3つほどあって、まず教育改革において一番必要な資源である時間というものを捻出しようという意図、そして働き方改革で教師としての本来の姿に立ち返るということの意図、それとあと、現場の声を受けて、広島県教育委員会はこんなに私たちのことを理解してくれているんだという支えてもらえるといった気概、そういったものを感じられると思うんです。
 

 じゃあ、この資料1にある奈良県では休憩時間は先生の時間外勤務に上限を設けますというところの一つ加筆があって、昼に一斉に取りにくい状況を踏まえて、個々の教員ごとに休憩を設定することが可能となる。

 

45分間は自由時間で、校外の外出や店舗等の私的な利用等もあり得ます。といった形で御理解を願いますという文章があったんです。これは、聞いてみると、いわゆる学校の個々の現場と校長先生のマネジメントで許しているということを奈良県の教育委員会のほうでは伺ったのですが、広島県教育委員会は、この休憩に対して学校現場ではどのようになっているのか、お伺いします。
 

○答弁(教職員課長) 

休憩時間につきましては、一斉に与えることが原則となっております。
そういったところですが、職員の負担が過重にならないなど一定の要件が認められる場合には、休憩時間を一斉に与えないことができるとしているところです。また、休憩時間は、勤務が課せられていない時間であり、職員は自由に休養ができることが原則となっております。

 

○質疑(村上委員) 
今こういった基本的には、原則的には一斉だというところになっているのは伺ったんですけれども、実際に教員の先生たちに聞いたら、これはもうほぼ義務になっているということを言われていたので、もう少しここを柔軟に、各校長先生たちにも柔らかく判断できるようにしてあげてもらいたいなと思います。

 

本来必要な活動に集中すべきなんですけれども、こちらの奈良県の教育委員会のこの資料を見ると、地域行事や子供たちの部活動の在り方、これもありました。広島県でも、大会前の集中期間やオフシーズンなどで年間トータルの平均でクラブ活動を認めるなど、柔軟に示していた広島県の基準というのがありました。それをお伺いしました。それでこういった中で、ここにも書いてある先生が休める日の割合というのが、土日、祝日で平均63%って書いてあるんですけれども、広島県はどのようになっているのか、お伺いします。
 

○答弁(学校経営戦略推進課長) 

県の教育委員会では、土日は少なくとも1日以上休業日を設定するという方針を定めておりまして、市町教育委員会にも県の方針を参考に設定をするように通知をしているところでございます。また、希望する市町に対しましては、国の補助事業を活用いたしまして、単独で部活動指導や生徒援助等を行うことが可能になります部活指導員の配置につきまして、補助対象経費の3分の2、これ国が3分の1、県が3の1という割合になりますけれども、3分の2を補助しておりまして、令和3年度におきましては、各市町の計画段階で11市町、68校に対して補助する予定という状況でございます。

 教員が土日、祝日で休める日の割合でございますけれども、本県では同様の調査を実施をしていないということで、割合というのはなかなかお示しすることはできませんけれども、平成30年度に本県が行いました教員勤務実態調査におきまして、土曜日、日曜日、これ1日当たりということなので、土曜1日あるいは日曜1日という1日当たりの学内勤務時間、これを調査をいたしまして、例えば中学校における土日1日当たりということですけれども、学内勤務時間の平均が3時間52分ということで、奈良県同様、本県においても土日において勤務をしている教員が一定程度いるということが分かっているということでございます。

 

 

○質疑(村上委員) 

先生が学校に来る時間、終業時刻の課題もありますが、ここでの課題というのは、管理職がいわゆる最後の鍵を閉めるために業務負担が大きく占められているということの要因があると思うんですよね。岡山県などでは、教師が日直制で校門の朝の挨拶当番だとか終わりの施錠管理を、もう教師がそれぞれ日直で日々替わってやっているというところも聞いております。

成り手不足となっている管理職の仕事権限をこれは行っているのですが、広島県で管理職負担軽減のための施策というのはどのように行っているのか、お伺いします。

 

○答弁(学校経営戦略推進課長) 

 

管理職の負担軽減のための施策ということでございますけれども、各学校によってその実情というのは異なるところはありますけれども、それに応じてやっていただくということで、例えば校長のマネジメントによる教頭への業務の偏りを解消した、あるいは毎週開催していた会議を隔週開催へと見直しをする、それから資料の事前配付を徹底することで会議の時間を短縮する、資料の印刷や会議の準備などにスクールサポートスタッフ、事務補助の職員を配置しておりますので、こうした職員を活用して資料を整えると。あるいは施錠について、教頭だけがやるんではなくて、最終退校者が行うよう見直したといったような事例をお聞きをしております。こうした事例等を取りまとめまして、県立高校に情報提供しているところでございます。

 

 

○質疑(村上委員) 

 

先日、日経新聞の5月17日にもあったんですけれども、三井住友海上、こちらでは、もう課長職などの4日代行行うマネジャーチャレンジ制度というのが行っていて、23人の、これマネチャっていうんですけれども、このマネチャ前は管理職になりたくないという23人の職員を入れて、4日間様々な管理職体験をしているんですね、いろいろ全て仕事の業務を洗い出して。そうなると、22人が挑戦したいと変わったそうです。

部下の気持ちや上司の気持ちを双方が理解するためのよいきっかけになったと書いてありますし、あと、この業務って本当に管理職がすべきなのか、管理職がするべきじゃないの、こういったとこの洗い出しがしっかりとできたんですよね。

 

教員の働き方改革というので幾ら声高に述べたとしても、現場の職員の真の声を聞き出すためのアンケート、これが大切なことで、実際に紙ベースのアンケートで校長先生に渡して、校長先生が、このような形でやってくれとか、そういうふうなのが実は結構あるというのをお伺いしまして、じゃあ、広島県のほうはどうなのかということを聞いたら、高校の教員アンケートは既にオンラインである程度していると。そうなった場合、各学校の校長先生にその内容を通達されて、結構校長先生は大変な、こんな感じに思われているんだというのを実際聞いたんですよね。じゃあ、各市町の教員にもネットアンケートを行う方針にするべきだと思うんですが、どのように考えているのか、お伺いします。
 

○答弁(学校経営戦略推進課長) 

 

働き方改革につきましては、基本的には各服務監督権者において取組方針が策定をされておりまして、取組方針に基づいて取組が進められるということだと考えてございます。現状把握のために行うアンケートについても、服務監督権者である市町教育委員会が一義的には行うべきものだというふうには認識しております。

 なお、一例ではございますけれども、例えば府中町において、昨年度、県教委が県立学校の教職員に対して行ったアンケートと同様のアンケートを町立学校の職員に実施をしているということもお聞きをしております。そういうこともございますので、県教育委員会としても、県でやっている取組の紹介あるいは市町教委といろいろ情報交換しながら、しっかりと各市町教委にも取組を進めていただきたいというふうに考えております。

 

○要望(村上委員) 

るる申し上げましたが、長時間勤務が深刻化する中で、教育現場は今、多国籍児童、こないだもニュースになっていましたけれども、約3万6,000人いて、日本語指導が必要な生徒というのがそれだけ今日本にはいるんですよね。

 

じゃあ、こういった中で、日本語教育の指導もまた加えられて、そして結果、文化も習慣も違う子供や多様性を認めることで、集団教育がなかなか難しい社会風潮になっているこの教育現場というのは、大きな岐路に立っていると思うんですね。広島県では平川教育長が再任されましたし、だからこそ、最初に当初やられていた現場目線で1校1校回られていたと思うんですけれども、こういった過渡期であるこの混沌とした状況だからこそしっかりと対応していただきたいと。このしっかりという言葉はすごく簡単になるんですけれども、やはり今回のオンラインのこととかも、拙速に進めていったこととかが本当に大きな課題になっていて、子供の学力格差というのも出てきかねない状況になりますので、ぜひともそういったところをしっかりと判断しながら進めていただきたいなと思っております。以上です。