◯質疑(村上委員)

本日は、配付された広島県教育委員会の広報紙「くりっぷ」と、今日の配付資料にもありましたが、教職員の働き方やICT活用を含めた英語教育についてお伺いしたいと思っております。小学校3年生から英語教育が始まって1年となりますが、英語教育とICT教育の緊密性からも、この進捗確認を含めてお伺いしたいと思っております。
 
まず、コロナ臨時休業に伴って、身近な先生が授業動画を撮影して生徒たちに対応するシステムを用意し作成したとのことですが、学習の遅れを取り戻すことを目的とすると同時に、教員負担を増やしてはならないと思うのですが、今後こういった授業動画について作成していくのか、お伺いします。

同時に、授業動画を使うことでどういった効果があったのか、併せてお伺いいたします。

◯答弁(義務教育指導課長) 

委員御指摘の県教育委員会が作成した動画については、昨年4月からの一斉臨時休業期間中の授業動画の作成が現場の教員の負担とならないよう、サンプルとして作成したものです。動画の効果といたしましては、担任の先生が自分のクラスの子供たちに向けた動画を作成し、その動画を通して子供に語りかけることにより、先生の顔を見ることができてほっとしたなどの安心感を与えたり、苦手な教科の動画を何度も見ながら家庭学習に取り組んだなどの学習意欲を高めたりという効果があったと聞いております。なお、現在は昨年のような一斉臨時休業という状況にはなく、対面で授業を行っておりますので、県教育委員会としては授業動画の作成は必要ないと考えております。

 

◯意見・質疑(村上委員) 

今お伺いしたところでいくと、今後先生たちが作成していくことはないと。そして、現在たくさんのアプリが出ているので、授業効果でいえば、アプリの活用のほうがいいのではないかというところですけれども、先ほどの副産物的な要素で、学校の先生による手作りの動画に安心感があったというところは、言い換えてみたら、小学校1年生、中学校1年生で学校の環境が大きく変わることへの安心感だとか、夏休み明けの9月にどのように伝えていくのかといったところでの活用など、教育課題の様々なところで使い分けを考えていただけたらいいのではないかと思いました。

 次に、国はデジタル教科書の実証実験を行っており、小中学校等の半分を対象にして予算確保してありますが、広島県として国への申請実態はどのようになっているのか、お伺いします。


◯答弁(義務教育指導課長) 

公立学校の約4割に当たる269校が申請いたしました。

◯意見・質疑(村上委員) 

今、4割の269校が申請していると言われましたが、各市町のネット状況や各学校におけるネットインフラ整備、さらに言えば、小規模学校では本当にクラウドを導入していくのか、様々な事情があると思うので、またそこら辺はいろいろ詳しくお伺いさせてください。

 そして、文部科学省でも進めていっており、教育委員会では、子供たちへの学習効果だけではなくて、子供たちの主体的な学びを大切にしていこうとしています。

子供たちが今、何かやりたいというときに、知識不足であったり、世界には様々な職種がごまんとある中で探し方が分からないということがあると思うのです。
実は以前、NHKが、西成の高校で、シングルマザーになったときにどういった支援があるのかということを授業の中で取り上げたときに、調べ方を知らなかった。
そして、調べ方を学んで調べたことで、様々な支援施策があるということを知ったことなどを報道されていたのです。そういったこともすごく大事だと思います。
子供たちの好奇心を掘り起こす作用として大いに期待できるのは、デジタル教育の大きな方向性だと思います。とにかく各自治体、各学校でのデジタル教科書の推進を、広島県としても強く推進していただきたいと思っております。

 あと、「くりっぷ」の中に、部活指導や生徒指導、学校行事など様々な負担があるということで、先生の働き方改革は必要なのですということが書いてあったのですけれども、一番大きな課題は、各児童生徒に対する学習の遅れや特徴をまず判断して、きめ細かな指導をしていることで、先生はいろいろ試行錯誤されていると思うのです。そういった中で、デジタル教科書にはAI機能による学習機能もありますし、1人1台となっている自宅でのWi-Fi環境も保障対象となっている。生徒の課題認識や教員負担を考えると、既存のデジタルドリルを積極的に活用することを基本方針にするべきだと感じています。

 そこで、昨年度からの小学校3、4年生における英語教育に関してお伺いしたいのですけれども、平成30年度から令和元年度にかけて実施した小学校外国語パワーアップリーダー事業の内容と効果を教えてください。

◯答弁(義務教育指導課長) 

パワーアップリーダー事業につきましては、広島市を除く県内22市町に各1校指定した研究指定校において、新学習指導要領を踏まえた指導方法等の研究を推進し、年3回の研修に地域の小学校教員が参加し、研究成果を普及したものでございます。これらの取組により、指定校において児童の学習意欲が向上するとともに、小学校教員の新学習指導要領への理解が深まり、これを踏まえた授業づくりが各校で進められております。

◯質疑(村上委員) 

それでは、小学校3、4年生の外国語活動と5、6年生による教科の違いを教えてください。

◯答弁(義務教育指導課長) 

小学校3、4年生の外国語活動は、外国語を通して言語や文化について体験的に理解を深め、日本語と外国語との音声の違い等に気づくとともに、外国語の音声や基本的な表現になれ親しむものです。評価については、児童の身にどのような力がついたかを文章で記述します。一方、小学校5、6年生の外国語科になりますと、先ほど申し上げた外国語の音声や基本的な表現を実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身につけることが求められており、こちらにつきましては3段階で評価を行っております。

◯質疑(村上委員) 

今の話をシンプルに言えば、小学校3、4年生では活動なので評価はつかない、そして5、6年生では評価がつくということだと思うのですけれども、他都市では小学校1年生からスタートしているところも結構あったりするのです。

広島県でも型にはまらず1年生からスタートすることなども考えてみてはどうかと私は思っております。特に英語教材でいえば、私もよく見させてもらうのですけれども、NHKフォースクールという番組は、10分できれいにまとまっていて、すごく分かりやすい教材になっております。私も学生時代はテレビの時間が15分間あったりすると、教室内もすごくテンションが上がったり、部屋の中をちょっと暗くしてみんなで見るということがありました。

今回伝えたいこととして、英語はICT教育にすごく向いていると思うのです。小学校教員の負担を減らして、スキルではなく子供たちをどのように楽しませるのか、3、4年生の英語教育活動のほうになっていくと思うのですけれども、広島県教育委員会としてのICTと小学校の英語教育についてのお考えをお伺いします。

◯答弁(義務教育指導課長) 

 

小学校外国語教育においてデジタル教材やコンピューター等を有効活用することは、児童の興味・関心を高め、英語活動のさらなる充実を図ることに加え、教員の指導の効率化につながると考えております。このため、令和3年度は県内13の地域に小学校英語専科を加配し、ICTを効果的に活用した授業改善の取組を進めており、授業の様子をオンライン研修会で広く発信したり、研究成果を県のホームページに掲載したりするなどの取組により普及を図っていくこととしております。

◯質疑(村上委員) 

 

13の専科校をつくられるということで、今後、教科として強化が必要となる小学校5、6年生の英語教育について、授業時数は年間70時間設定されていると思いますが、どのように評価していくのか。さらに、これまで教員免許の中に英語教育が存在しない中で、英語教育における校内研修はどのようになっているのか、お伺いします。

 

◯答弁(義務教育指導課長) 

 

小学校5、6年生の外国語科の目標が、外国語により聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの言語活動を通してコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成することであることから、評価につきましては、児童が授業中に行う様々な言語活動の様子の観察や、テストやワークシートなどへの記述を基に評価を行っております。また、校内研修では、どのような授業がよいか、評価をどのようにしたらよいかについて研修を行っているところであり、県教育委員会としましては、小学校外国語教育のポイントを押さえた資料を提供し、校内研修が効果的に実施できるよう各学校を支援しているところでございます。

 

◯要望(村上委員) 

 

最後に要望ですけれども、今後、教育アプリの選定や動画選定を行うプロジェクトをより高めていって精査していく必要があることと、4月の新1年生や9月の夏休み明けの児童生徒へのフォローなどといったところも動画として考えていけるのではないかと思っております。


 英語教育は活動と教科に分かれておりますが、今後、受験や社会において英語が必須だからこそ、早い段階で英語は楽しいと思える動画、体験活動を増やしてなれ親しむ工夫を要望して質疑を終わります。