○質疑(村上委員) 質疑に入ります。
私の地元でもある沼南高校に視察に行きましたが、今後の公立高校の在り方そのものを変える事が、国の中央審議会の答申でも記載されてる内容が大きく後押ししている観点からも質問を行いたいと思っております。

まず、普通科をなくして、農業科と家政科と専門性に特化しましたが、広島県全体の普通科と職業専門学科における12月31日時点の就職内定率について教えてください。

○答弁(高校教育指導課長)
令和2年12月末時点の広島県高校、シリツ高等学校における就職内定率につきましては、普通科で76.3%、専門学科で96.2%となっております。

○意見・質疑(村上委員)
今の答弁で、普通科は76%で専門科いろいろな学科があると思うが、90%軒並み超えているという現状で、約20%の開きがあります。
結局工業、農業、商業、専門学科を私立は利益を考えてもやらない分野ですよね。
これからの公立学校の意義は、生徒が増えていた時期と違って、地元企業に残りやすくなる、専門学科の在り方が大きく問われてくることが就職率でも証明されていると思います。
広島県としても、今回沼南高校におけるセンカ学校、センモンカ学校の挑戦を全力でバックアップするべきだと思うのですが、ノウギョウ科や家政科の生徒たちの就職先を調べましたが、農業や家政の学びに特化していないところへ就職しているのですが、なぜ企業は専門学科の生徒を必要としてるのか教えてください。

○答弁(高校教育指導課長)
職業教育を主とする専門学科におきましては、各産業分野の担い手を育成を図るということが求められることから、学校と産業界とで構成される産業教育振興会の支部懇談会における講演会及び意見交換会や、各学校が直接企業と連携を図り、企業の求める人材像の把握を努めるということの取組を進めておるとこであります。
また、専門学科におきましては、企業のニーズを踏まえ、職業人として必要な資質能力の育成を目指し、職業に関する専門的な知識等を習得するとともに、産業現場等における実習などを重視した実践的な職業教育を行ってるところでございます。
このように産業界と高等学校等との連携に基づき、地域の産業界が求める教育活動を実践してることから、企業のニーズと専門学科で育てる生徒との一致につながり、それが高い就職率につながっているというふうに考えているところでございます。

○意見・質疑(村上委員)
以前教育長もすぐに産業界のほうに高校生の就職のことでお願い行ってくださったように連携により強くつながっている事が証明されてるんだなと思っております。
今後人口増に対応した公立校における普通科の在り方は、人口減とともに大きく変わっていくと思うんですね。
先日新聞やネットでもあったのですが、沼南高校の生徒によるクワイの栽培が大きく取り扱われました。
実はこの生徒たち普通科の生徒たちだったんですね。
クワイっていうのは、福山の名産品なんです。
冬の寒い水田の中で収穫をすることで、重労働と高齢化に伴って、以前100あった農家も、現在は33の農家しかなくなってきてる現状があって、こういった地域課題に着目した生徒たちがいたんですが、
農業専攻科っていうのはブドウとイグサの栽培で手いっぱいで、普通科の生徒たちによってクワイの課題を着目して取り組んでくださいました。
専門の先生と施設環境があれば、子供たちは自発的に行動して、勉強していくことが証明されたと。
ということは、この普通科の生徒たちにも、新しい可能性を見いだされた一つのいい例だと思っております。
現在、農業科と家政科と2つの科で、より深く学びを行われているのですが、時代は六次産業によってシナジー効果を生み出したり、あとテクノロジーを活用したスマート農業が問われています。
各科で縦割り教育の弊害があると思うのですが、学科間連携について、今後どのようにお考えなのかお伺いします。

○答弁(高校教育指導課長)
学科間連携につきましては、各学科が互いの教育内容を取り入れ、専門学校の特徴を生かした教育課程を編成するなど、幅広い分野の学びを通して、生徒に広い視野を持たせ、将来社会で活躍できる人材に必要な資質能力を身につけさせる有効な取組であるというように認識をしとるところでございます。
本県の取組といたしましては、平成17年度に6つの専門学科から成る専門高校として開校した総合技術高等学校において、多くの生徒が複数の分野の資格を取得するとともに、就職率も毎年おおむね100%を達成し、生徒が希望する進路を実現する
などの成果を上げてるところでございます。また、先ほど御紹介いただきました沼南高等学校等の例でございますけれども、複数の専門学科等を設置する高等学校におきましても、六次産業を意識した学科間連携を行うなどの取組により、生徒の学びが広がったり、深めたりというような成果を上げているというように認識をしております。

県教育委員会といたしましては、これらの効果的な学習活動をさらに充実させるとともに、これらの成果をほかの学校においても普及させるよう、学校の取組を支援してまいりたいというふうに考えてるとこでございます。

○質疑(村上委員)
具体的なところで言えば学科間連携の効果を示すのが、生徒のクワイの栽培の新聞記事があったんですね。
その左下側に、福山市で順風暮らしという会社の方が、クワイの葉で染めたグッズを発売してるという記事がちょうどあったんですよ。これは家政科の生徒たちの勉強内容の成果にもなって、つながっていく事も考えられるということで、タイムリーだったなと新聞記事を見て思いました。
学科間連携の在り方の一つだと私思ってるのですが、先日中央教育審議会の答申において幾つか気になる点があったので、質問を行います。
答申では、教室内の学びだけではなくて、実際の現場に赴いて諸課題の現状を目の当たりにして、最前線で課題解決に取り組む社会人の姿に学んだりすることが非常に重要とあるのですが、沼南高校の普通科の生徒はクワイの存在と課題を知って取り組んで形にしました。

この国の目指す答申というものを、形にしてきたと思うんですね。

であるならば、沼南高校は、大規模な農業用地の活用や、先生方の知識と企業や専門家とつながりが大切になってくると思うのですが、地域や企業交流に関して、今後どのようにより推進していくのかをお伺いします。


○答弁(高校教育指導課長)

 地域や企業との交流につきましてですけれども、専門学科におきましては、変化の激しい社会で活躍できる資質能力を育成するため、生徒が加速的な変化の中にある地域の産業界で直接的に学ぶことができるよう、産業界と高等学校とが一体となった社会に開かれた教育課程の編成、実施が重要であるというように認識をしとるとこでございます。
そのため、本県では、産業界と教育界の密接な連携により、産業教育の振興を図ることを目的に設置された産業教育振興会において、組織的、継続的な連携が図られておるところでございます。

具体的に申しますと、同振興会の複数の支部の懇談会において、生徒の発表の場や地域産業界の動向、求める人材に関する講演会を行うことで、産業界との連携の強化を図ってるところでもございます。また、各学校におきましては、学校の教育目標の達成に向け、地域や企業等と連携し、外部講師の招聘やインターンシップ等の教育活動を行ってるところでもございます。

県教育委員会といたしましては、引き続き産業教育振興会や各関係機関との連携を密に図るとともに、地域や企業と連携した教育活動の充実が図れるよう、各学校を支援してまいりたいというふうに考えてるとこでございます。


○質疑(村上委員) 

中学校では約5日間、教育実習の学びの場があったりの成果なのか?県立高校の在り方の基本計画を見ていると、就職の離職率は、全国では37%なんですけれども、広島県は32%、約5%から6%ぐらい低かったのですが、3年以内の離職率っていうのが約30%超えている現状からも、学生だけ、学校の中だけではなくて、企業といろいろな開発する事で、企業の社会人と普段からコミュニケーションを取ることで、職場選びも進み、離職率を、早期に防いでいくだとか、コミュニケーション能力っていうのはこれから、公立学校では問われてくると思うんですね。
特専門科の問われる学校であればあるほど、経験がより重要となっていくと思っております。
さらに、また違う観点で御質問させてもらいますと、中央教育審議会の答申の中に、施設整備の充実に関して、教育委員会等の学校設置者による計画的な整備、それを支える国や地方公共団体における財政的措置の充実が重要とありますが、具体的に国からの予算が示されているのか、そして広島県として、沼南高校に対して、普通科の生徒の数が減ったから、そのまま予算が減っていくようなことのないように、専門学科に対する予算についてどのようにお考えなのかお伺いします。


○答弁(高校教育指導課長) 

専門学科の設備等に係る予算につきましては、学校の教育目標や育成すべき資質能力を踏まえた教育活動を行うために整備する必要があることから、各学校の要望に係るヒアリングや調査を行いまして必要性を精査して、整備に係る予算等を配分してるところであります。今後の設備等の整備につきましては、科学技術の進展や産業構造の変化に伴い、必要となる専門的な知識、技能等も変化するとともに、高度化していくことを想定されることから、時代に合った教育が実践できるよう、有効な設備等の活用方法についても研究を深め、計画的に整備を進めてまいりたいというように考えてるところでございます。


○要望・質疑(村上委員)

安芸高校や呉昭和高校からの陳情でも、叡智学園に使う予算を少しでも回してほしいということ、意見、これ実は本音だと思うんですよね。

これだけ科学技術がどんどん進んでいく中で設備投資していくっていうのは、すごくナンセンスだと思ってて、東部技術センターや農業技術センター、専門学校ですかね。
高等専門学校とかとオンラインで結びながら、実習研修していくだとか、広島県にある資源っていうのを生かしていく、こういった、企業もどんどん設備投資していくなら、企業研修と学校研修の連携を進めていくっていうことはすごく重要な観点だろうなと私は思っております。
特に公立学校において、挑戦する学校をしっかりと支えていただきたいなと思っております。
実際に中央教育審議会の答申の中で、高等教育機関等と連携し、先取り履修等の推進と記載されていたんですね。
これって3年間ではなくて、5年間で国家資格を取る学習環境をつくる発想ではないかと、私の中で思い浮かんでくるんですが、こういったところは視野に入れてるのかお伺いします。

○答弁(高校教育指導課長)
高等教育機関等との連携につきましては、産業構造や雇用環境の変化、たゆまない技術革新に対応するため、大学等の高等教育機関等と接続や連携に関する取組は大変重要であるというふうに認識をしております。
本県の、そういった高等教育機関等の連携等、様々な取組がありますけれども、一例といたしまして、5年間で国家資格を取得させる取組につきまして、ちょっと御紹介させていただきたいと思っています。地域産業の担い手として必要な看護師の国家資格を取得させる教育システムを備えている広島皆実高等学校におきまして、
平成14年度から高等学校衛生看護科3年間と専攻科2年間合わせた5年間の一貫した看護教育を行い、16年連続で全ての生徒が看護国家試験に合格などの実績を上げているというものがあります。教育委員会といたしましては、本県の、先ほど申し上げました専門学科の様々な状況でありますとか、他県の先進的な取組等も勘案しながら、高等教育機関との連携でありますとか、接続の在り方について研究を深めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○要望・質疑(村上委員)
国の答申と現場の課題っていうのは大きくあると思うのですが、高校段階から進学を見通したカリキュラムで、職業の選択につながるっていうのは、より、センカ学校に関しては地元に根づく、即戦力となる政策につながると思いますので、挑戦していただきたいと思います。だからこそ、今後センカ学校による校長先生の任期っていうのは、最低でも5年程度赴任してもらうことを一つの基準にしていただきたいなと私は思っております。
地元企業であるキャステムさんの視察に行ったときでも、言われてたのは、大学卒業者よりも高校卒業者よりも高等専門学校、いわゆる高専学校ですね、ここの生徒が欲しいと、いわゆる現場を知って、物を知って、知識もある生徒が必要なんだと言われておりました。国の答申でも、企業が求めてる社員は大学卒じゃなく、即戦力であるというところからも、この沼南高校の取組を皮切りに、県立学校の改革へとつなげていただければと思います。

あと一つ、最後に質問なんですけれども、先日大阪の咲洲で、私、ワクチン接種デモンストレーション会場視察に行きました。いろいろ必要だと感じたことがあったのですが、廃校利用をすればワクチン接種のところで様々な課題を解決するのではないかと思いまして、というのは駐車場の問題だとか、人を分けて、とにかく細かく分類していくセクションが必要だとかというところもあるのですが、法的な問題で、施設インフラは教育委員会が持っている事で貸し出す際の課題があれば教えてください、使用に関する課題があれば教えてください。

○答弁(施設課長) お答えいたします。
新型コロナウイルスのワクチン接種会場に教育委員会が所管する施設を活用することにつきましては、令和3年2月1日付で文部科学省から協力要請の通知が発出されておりまして、県立高校の廃校施設、これ現在4校ございますけれども、法令上等の特段問題はなく、県教育委員会としても協力をしてまいりたいというふうに考えております。一方で、廃校施設は、長年使用していない施設であることから、ワクチン接種会場として必要な条件と合致するかどうかの確認が必要であること、また、廃校施設によっては、体育館やグラウンドなどを地域に開放してるものもございまして、貸付先との調整が必要になることなどの課題もございます。こうした課題もございますけれども、関係機関から新型コロナウイルスのワクチン接種会場として廃校施設を使用したいというような要望等がございましたら、積極的に登録を行うというスタンスで検討を行ってまいりたいというふうに考えております。


○意見(村上委員) 

ありがとうございます。今後大規模なワクチン接種が始まると思いますので、先ほど言われてたところでいえば、水道だとかガスのこのインフラの問題が相当、老朽化してる等あると思いますので、早々にチェックしながら、各市町に協力体制図れるようによろしくお願いします。以上です。