私は、公立商業高校に関して限界が来ていると感じております。先日、紀平梨花さんも通う角川ドワンゴ学園N高を視察に行きました。N高は現在一万二千人以上の生徒が全国各地で学んでおり、そして、ネット環境をフル活用し新しい教育体制を実感したこと、要は、多くの刺激を私は受けました。

今回の新型コロナでも関係なく、子供たちは学習を進めている現実もあります。ことしの四月には広島県でもキャンパスがオープンしますが、不登校や授業を受けにくい、通いにくい障害を持つ生徒たちにも好評で、各市町が連携を模索してきております。今の職業のうち四七%がなくなっていく時代と言われております。そういった時代のうねりの中で、商業高校においては、情報処理や会計、ビジネス面の知識と技術を習得することを目的としておりますが、N高は、これからの時代に必要とするプログラミング等を含めて、柔軟に個人の個性や多様化に対応してきております。今後、N高と商業高校が生徒獲得競争にさらされるのではないかと私は実感しました。


そこで、ビジネスフロンティア校など名前を一新し、多様なニーズやデジタル化に対応したカリキュラムを組み込んだ教育システムを取り入れるなど、新しい商業高校としての改革が必要だと思うのですが、教育長に御所見をお伺いします。

 

教育長(平川理恵君) 

今日グローバル化が急速に進展する中におきまして、広島県が持続的に成長、発展していくためには、地域の成長、発展を支えることができる人材から、国際機関など世界を舞台に活躍できるリーダーまで、厚みのある人材層を形成する必要がございます。

 

 そうした中、商業科を含む専門高校につきましては、本県が目指す学びの変革を推進する役割を果たすことを期待しておりまして、その改革を進めているところでございます。
 商業高校については、現在、関係校四校の教員が協力し、民間企業のアドバイザーも加えて、プロジェクト学習の要素を取り入れた新しい学習プログラムを開発中であり、四月からの実施に向けて取り組んでいるところでございます。


 また、商業科教員の資質向上を目的としまして、多くのビジネスパーソンが通う東京のビジネススクールや多様な学び方を提供しているN高等学校に教員を派遣するなど、実践的なビジネススキルや個々の生徒に応じた学習内容の最適化に関する手法等の習得に努めているところでございます。
今後は、企業や高等教育機関等との連携をさらに深め、五年先、十年先を見据えたカリキュラムを実践することにより、全国に先駆けた商業高校の改革に取り組んでまいります。

 

村上栄二君 

ここでの質問は控えさせてもらいますが、今度、大量に退学が出ているある学校で、クラスが減るから生徒数も減るといった問題があったときに、そこの現場は既に教員の加配はあるとはいえ、先生の数は減らしてほしくないという意見もありました。

しっかりそこの部分に取り組んでいただきたいと思っております。実際に大阪市の淀商業高校には福祉ボランティア課というものがあります。今後、学習指導要領の改訂によって、総合的な学習時間が二〇二二年度から総合的探究の時間にかわります。学科という観点ではなくて、職業の選択や自己実現といった観点から、生徒たちに福祉や介護などを経験させることも必要ではないでしょうか。
今後、私学等はカリキュラムが自由で、個性を出して自由にできるのですけれども、公立高校は制限がある中で、平川教育長の挑戦する取り組みにも、私も大いに期待しております。教育委員会事務局の皆様とさまざまな議論をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。