質疑(村上委員)
 よろしくお願いします。
本日は、広島県パワハラ管理体制と生徒指導の現状についてお伺いしたいと思っております。

まず、令和2年6月1日より労働施策統合推進法におけるパワハラ防止対策の義務化の概要を国は示しました。

広島県でもパワーハラスメントの防止を進めておりますが、広島県相談窓件数は何件ほどあるのか、お伺いします。

○答弁(総務課長)
 いわゆるパワハラの近年の相談件数としましては、平成30年度が19件、令和元年度が14件、令和2年度が10月末現在で22件という状況にございます。

○質疑(村上委員)
今、直近のところでは22件とあったんですけれども、市の名前は伏せておきますが、私の下に校長先生から教育長のパワハラがあったという陳情が来たので御質問させていただきます。

陳情には、教育長からのパワハラで、校長先生本人からも降格願等があったようです。

管理監督する側の教育長がパワハラ事案を起こした場合、今回、広島県教育委員会としてどのように対処したのか、お伺いします。

○答弁(総務課長)


 御指摘の事案につきましては、当該職員から県教育委員会に対しまして、関係市町の教育長のパワハラを訴える内容の文書が提出されましたことから、関係者から事実関係等の聞き取りを行い、当該教育長の任命権を有する関係者に対しまして、その対応を報告するとともに依頼したところでございます。


これに対し、関係所からは必要な対応を講じた旨の連絡を受けたところでございます。

○質疑(村上委員)


監督権者は各自治体で流れは、広島県教育委員会から各自治体で対応するという形になっております。
だから、県教育委員会からは教育長に監督指導する権限はないというところをお伺いしました。気になっているのが、校長先生が降格願が出る、出すまで相談できなかった状況になっていた。
要は、容易に想像できるのは、教育委員会の上層部同士で話し合ってあやふやになってしまうんじゃないのかなという懸念があ
る事も想像ができるんですよね。
広島県教育委員会として相談を受けたときに対応しているのか、お伺いします。

○答弁(総務課長) 


県教育委員会が任命権を有しているものについて、パワハラが疑える事案が発生した場合につきましては、労働施策総合推進法に基づき制定をいたしました。


パワーハラスメントの防止等に関する基本方針に基づきまして、事実関係等の調査をした後、懲戒処分の指針に照らし合わせまして、しかるべき措置を取るということになってございます。
なお、必要に応じまして、顧問弁護士から法的な助言を得ながら厳正に対処しているというところでございます。


○質疑(村上委員) 

広島県だと顧問弁護士に相談して対応しているという答弁いただきました。
内部規律を高めるためにも厳正な処分を対応していかなければいけないと思うが、今回のような、学校長が心の状態を完全に崩してしまう事態というのは、学校の管理運営を考えても、必ず避けなければいけない事態だと思っているんですね。

ほかの他都市では相談事案のところで外部人材を入れて内部の人間以外が対応するから安心して相談ができる体制もつくっているところがあります。


学校の先生が相談した時に広島県教育委員会が判断を顧問弁護士と相談している事を知らない可能性って高いと思うんですよね。

だから相談体制を周知し、提示して説明していくことも一つの手法だとは思いますので、先生たちに知って貰う様にして頂くように対応する事を要望します。

 

陳情の相談者は広島県から指導が入って、教育長や教育委員会からも対応が変わったと言われておりましたので、一定機能していることは評価いたします。


しかしながら、今回、校長先生が降格願に至る場合、これまでの教育長への不信感があったり、それから、市の教育委員会の体制という問題があったからここまでになってしまったのじゃないのかなと思いますので、広島県教育委員会として関係自治体から御報告をお願いします。

次の質問に入ります。
生徒指導の現状についてお伺いしたいのですが、県内視察のときに私の母校誠之中学校に視察に行きましたが、校則を用いた生徒指導規程を大幅に削除して、自主、自立の教育方針へとかじを切っております。

 

福山市の学校関係者から、2つの学校が荒れているという報告がありました。

 

関係者からの報告なので、僕も視察に行っているわけじゃないし、その学校にまだ話を聞いているわけではないので、市町の教育委員会への指導や助言をしていくということは言われておりましたので、そういった観点でお話をお伺いします。
 

広島県教育委員会として、福山市では先進的な取組をしているチャイムが鳴らないだとか、通信簿をなくしていくだとか、授業中に水筒を飲む・トイレを自由にできる。
あと、自由な授業体制やっていくだとかで授業中に自由に廊下を歩ける状況
にあるわけです。
生徒の自主、自立で進めていく先進的な取組している学校に対しても、チェック体制がどうなっているのか?お伺いします。

○答弁(豊かな心と身体育成課長)
学校は、まず集団生活の場であることなどから、全ての児童生徒が安全・安心でよりよい学校生活を送ることができるようにするため、校則等の決まりは一定程度必要であり、教育的意義を有していると考えております。

教育委員会といたしましては、こういった校則等の見直しの進捗や児童生徒の変容を確認する視点を持って、指導主事が市町教育委員会と綿密に連携をし、様々な研修や学校訪問等の機会を捉えて児童生徒の学校生活の様子をしっかりと見取り、その成果や課題を把握した上で、指導、助言を行っているところでございます。

○質疑(村上委員) 


福山市は校則や規程を大幅に減らしています。
一つの事例で言えば、髪型は生活に支障がないという規則がありますが、あまりにもざっくりとし過ぎていて、じゃあ、生活に支障がないけれど、社会に出て仕事をするという上では支障が出てくるだとか、曖昧なような状態になっています。

私の考え方として、特に公立学校というのは、退学も停学もないし、それで、保護者も同一の価値観がない。

子供たちも環境もばらばらで、そういった中で授業の中も、障害を持たれている方もいれば、勉強が進んでいる子と進んでいない子もいたり、あまりにも自由な校風っていうのを取り組むというのは、私は違うのかなと。


だから、私学・フリースクールの保護者は、学校で生徒指導をして、そして、具体的且つ共通の進路指導をしてくれるから連れていくっていう同一の価値観があるので取り組むべき事案だと認識しています。


さらに幾つかの学校で通信簿、やっていないということなんですけれども、この通信簿というのは教育指導要領等を含めた法的根拠はないので、やる必要がないというのは私も理解しております。

ただ、この通信簿を通じて、学期末とかに保護者とのコミュニケーションをすることで、家庭内での勉強の仕方だとか、学校での指導の状況だとかを具体的に説明していくコミュニケーションツールではなかったのかなと思っております。
通信簿に変わる対策を講じていくのか、お伺いします。

○答弁(義務教育指導課長) 

通信簿につきましては、児童生徒の学習や生活の状況などを定期的に保護者に連絡し、家庭と学校とが協力して児童生徒の教育に当たるために各学校で作成をしているものでございます。
本県では学びの変革を推進しておりますが、その中で、児童生徒一人一人の成長の過程を丁寧に見取るとともに、児童生徒自身が自らの学びを振り返り、次の学びに向かう意欲を高めることを大切にしており、各学校におきましては、通信簿をはじめ、児童生徒の評価につきましても様々な工夫をしているところでございます。

例えば通信簿を作成していないある小学校において、テストや作文、それから図の作品の写真など、児童の学びの足跡をファイル形式にまとめた学びファイルというものを作成しておられます。学期末や、それから学年末の懇談会においてこの学びファイルを活用し、児童の学習と生活の様子を保護者と担任とが十分に時間をかけて丁寧に振り返りながら、成果や課題を共有し、今後の取組を話し合うことで、家庭と学校とが協力して児童の教育に当たっていただいたものです。

○質疑(村上委員) 


ファイルって相当、先生の負担って大きいだろうなとは思うんですけれども、でも、僕とかは子供のときにはテストの点悪かったのでよく隠していたんですよね。
だから、具体的に子供たちが何で成長しているのかだとか、作文や図画工作が残っていたら、親も思い出の一つになると思いますので、大変だとは思うんですが拡げて頂きたいです。
こういったファイルをしっかりと固めていくと、今後AIで進めていくと、子供のより確かな成長へとつなげることも考えられるので、研究もお願いします。

最後の質問です。
学校指導というのは、絶対に守るべきこと、そして努力目標、さらに言えば、生徒と保護者を見ながら状況を見極めて決めることと、大きく3つに分けて進めているわけですけれども、この具体的な事例をお伺いします。

○答弁(豊かな心と身体育成課長) 

 

学校のルールの一つとしまして、校則等につきましては、例えば入学者説明会やPTA総会などで保護者に直接説明をしたり、ある
いは各学校のホームページに掲載したりするなど、あらゆる機会を捉えて繰り返し周知することで、児童生徒だけでなく、保護者や、あるいは地域の方への理解につなげていく取組を多くの学校で行っているところでございます。
県教育委員会といたしましては、こうした校則等の見直しにつきましては、暴力行為や物を取らないなどの絶対に守るべきもの、そして、整理整頓や時間守るなどの生徒の努力目標と見るもの、そして休憩時間の運動場の使用方法など、児童生徒の主体性に任せてよいものといった観点で検討することが望ましいと考えておりまして、現在、児童生徒同士でこのルールの見直しについて具体的に話し合うなど、学校の実態に応じて少しずつ取組が広がっているところでございます。


○要望(村上委員) 

 

最後、要望で終わりたいと思うんですが。
まず、絶対に守るというところで言えば、法律に定められていること、これはもう絶対に守らないといけないこと。

努力目標で言えば、時間を守るなどの社会規範におけることだと思います。

そして、生徒や保護者が話し合って行うことというのは、グラウンドの使い方も言われてましたけれども、鉛筆をシャーペンもオーケーにするだとか、身近なことっていうのに大体分かれると思う。

普遍的な法的根拠に伴うことに関しては変えてはならない。

 

しかしながら、努力目標という社会情勢とともに変わる価値観というのは、地域や保護者、そして、学校がコミュニティ・スクールという場で変えていくのかなと思っております。

そして、最後の生徒や保護者が話し合うことに関して、生徒会で決めていってはどうかなと思っているんです。
生徒会というのが雑用係だったり、ちょっと面倒くさい、何か役職みたいな感じになりつつあったりはするので、そうではなくて、自分たちの意思を持って学校のルールを変えることが毎年できる事は大変貴重な体験教育の一環になると思っています。

 

ルールを変えるときに、生徒が保護者と自然と話し合っていくっていう過程が大切なことだと思っています。これは一気に進むことはできないと思うのですが子供たちの自主性を尊重する制度設計をよろしくお願いします。
ありがとうございます。