○質疑(村上委員) 早速質疑に入らせていただきます。
まず、コロナ禍で騒がれていた未成年の人工妊娠中絶の問題で、かなりマスコミでも騒がれていました。
10代以下による人工中絶が広島県は392人、そして全国で言えば1万3,588人となっております。学習指導要領にも性に関する指導という形で幼、小、中、高で性教育イコール避妊にはなくて、生きる力の教育活動計画として行う意味や、若年出産による貧困リスクや、あと虐待リスクが高まる傾向にあることからも、極めて重要と私は考えております。今回の質疑のテーマは広島県の子供を守り、育て、安心・安全の環境づくりを広島県教育委員会がどのように考えているのか問いたいと思いますので、前向きな答弁をお願いいたします。

まず、広島県教育委員会として、現在、どの程度、性教育を含めた生きる教育の時間に設けているのか。なお、広島県として独自に活動計画を考えて、全体の、幼、小、中、高の全体の活動計画を考えて行うべきだと思いますが、どのようにお考えになるのか、お伺いいたします。

○答弁(学びの変革推進部長) 


まず、現在、どの程度性教育の時間を設けているのかっていうところでございますけれども、特段設けてるということはございませんで、まず、学校における性に関する指導につきましては、学習指導要領に基づきまして、児童生徒の発達段階に応じて、性に関する科学的知識とともに、生命を尊重する態度や自ら考え判断する能力を身につけさせ、望ましい行動が取れるよう、保健体育科、家庭科、特別活動、道徳等を中心に学校教育活動全体を通じて実施をしているところでございます。
また、性に関する指導の計画につきましては、各学校が児童生徒や地域、家庭の実態を適切に把握をして、教育の目的やその基本実現に必要な内容等を教科横断的な視点で計画していくことが重要であるというふうに考えております。
教育委員会としましては、各学校におきまして、関連する教科等がそれぞれの特質を生かし、双方を関連させて・・・・・を進めることができるよう、カリキュラムマネジメントを推進し、性に関する指導が適切に行われるよう指導してまいります。以上でございます。

○質疑(村上委員) 


今、お話聞いても、結構曖昧なんですね。というのが、各学校で任せるということは、校長裁量がかなり問われているということで、校長先生によって中身の内容が変わるようで、私は大きな問題が発生するのかなと思っております。
しかも、その地域の把握ということになったときに、じゃあ、家庭内の環境だとかバックグラウンドをどのように把握していく、そういった措置の取り方だとか、そういったものも健康福祉局と連動取っているのかとか、各市町と連動を取っているのか?という問題もかなりあると思うんですよね。
だから、計画的にやっていただきたいんですけれども、実は東京都、この性教育の手引き、平成31年の3月にこれつくられております。その中で、既に小学校1年生から、体をきれいにしようから始まります。このように、性教育イコール避妊、妊娠という安易のものじゃないということが分かります。


先日、私は大阪市の生野南小学校で取り組まれている生きる教育というのを話を聞いてきました。ここでも、小学校1年生で大切な心と体という授業を行っております。

 

そこで、内容というのが、毎日体を洗うことや、朝、夜、歯磨きをしていますか、あと、自分1人でパンツを脱いでいるんですかとか、それで、男女でどこを触ったらいけないのかということを教えているんですね。これが何かといったら、自分の生活環境によるネグレクト、それは性的虐待を受けている、いわゆる義理のお父さんとか、お父さんが女の子のパンツ、男の子のパンツを脱がしているのか、これは自分1人で脱ぐんだよと、生活環境とかそういったものが、自分がこれをおかしいのかどうなのかって分からない子供ってたくさんいるんですよね。

 

だから、そういったところとかを早い段階で学校の先生が授業を通して子供たちの環境や状況を察知して、福祉局と連動して、虐待などの課題の早期発見をしているということです。
現在、文科省や広島県でこのように早期発見を主眼とした授業などあるのでしょうか。あと、広島県として、小学校1年生からの性に関する指導マニュアル、取組など、どのように考えているか、お伺いします。


○答弁(学びの変革推進部長)

 

 ありがとうございます。
広島県におきましては、性的虐待等を早期発見することを主眼とした授業というのは実施しておりませんけれども、各学校におきましては、教職員が児童生徒の学校生活における十分な観察の中で、児童生徒の変化を見取り、早期に対応するよう努めているところでございます。


また、学校における性に関する指導は、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切に行動を取れるようにすることを目的としておりまして、性に関する指導マニュアルの取組につきましては、学校や児童生徒の実態に応じて行われることが重要であるというふうに考えておるところでございます。


このため、教育委員会としましては、各学校におきまして、主体的に示した指導の手引きがございますので、それらを参考にしながら、性に関する系統的な指導が計画的に実施されるよう、保健教育の基本的な考え方や、あるいは教科等を相互に関連づけるためのポイント等を指導してまいりたいと考えております。以上でございます。


○質疑(村上委員)

 今のでも結構ちょっと曖昧なんですよね。

私の地元の福山市では虐待件数がかなり多くて、実際に親御さん自身が行う子育てやしつけっていうのがネグレクトや虐待だと分かっていないということも多々あるんですよね。
そして、こういった生野南小学校での取組は、1年生から4年生までは、いわゆる成長に応じて自分の命を守り、理解して、教育の中で自分を大切にすることを徹底して教えていくと、かなり虐待が多い地域でしたから。

そして、5年生から他者への思いやりを目的とする心を育てる国語科教育をテーマに、国語の指導の工夫、研究を進めました。
広島県教育委員会では、思いを伝える、いわゆる国語科指導など、何かテーマや課題を持って取り組んでいるのでしょうか、お伺いします。

○答弁(義務教育指導課長)
 自分の思いを言葉にして伝えていく力というものは、児童生徒が他者と共同しながら様々な課題を解決していくために、本当に不可欠な力であるというふうに考えております。
また、そうした力を高めていくためには、児童生徒が実際に人と人とのその関係の中で互いの立場や考えを尊重し合いながら、言葉で伝え合う機会っていうものを教育活動の中で、そういう場面で設けています。

大変な大切だというふうに認識しております。
本県におきましては、こうした・・・・や生活の基盤となる言葉の力というものを発達段階に応じて児童生徒に確実に身につけさせるため、平成15年度から全国に先駆けて言葉の教育というものに取り組んでおります。

児童生徒が授業をはじめとした学校生活の様々な場面で自分の考えを論理的に説明をしたり、相手の気持ちを考えながら自分の思いを伝えたりするよう、こういったことを全県によって取組を
進めてまいりました。現在行っております「学びの変革」におきましても、例えば授業では児童生徒の言語活動を充実させて、教師が話し過ぎず、児童生徒が自ら思考して自分の言葉で表現する機会といったものを増やすことにしておりまして、今後も引き続き思いを言葉にして周囲に伝える力の育成に取り組んでまいりたいと考えております。


○質疑(村上委員) 

結果的に言葉にできずに暴力で訴えるっていう子供たちが多くて、小学校ながら校内暴力がかなり多かったというところを散見してきましたが、今では生野南小学校で校内暴力がゼロになったと。というのは、生野南小学校にはいわゆる子供の養護施設、いわゆる親から捨てられたお子さんがかなりいまして、そういったところで愛情を受けずに育ってしまった子供たちがかなりいたと。
どういうふうに自分の思いを伝えていいのか分からなくて、こうい
った国語教育をしっかりとやっていった結果、進んできたんですね。

そして、4年生まではとにかく漫画を、絵を使って指導していたと。そして、5年生からは何をしていたかといったら、「愛それとも支配、パートナーシップの視点から」というテーマで会話コミュニケーションを教えています。具体的に言えば、漫画から文章に切り替えて、相手の思いを理解する学習能力の向上を意図するものや、あと、LINEのやり取りで違和感、ここに対する違和感は何ですかっていうコミュニケーションの問いかけや、あと、デートDVって言われているものがあるんですけれども、そのデートDVという内容を教えて、その上で、男女がそれぞれデートプランを作成すると。

お互いにコミュニケーションを男女が取って、どういうふうにその感覚が違いがあるのかっていうことを、男女の違いを認識していくっていうことなど進めています。
その結果、全国学力調査で国語は全国平均を上回って、あと、校内での暴力も落ち着いたと、時事通信教育奨励賞優良賞を受賞することができております。
それで、もう一つ、子供たちの不登校のきっかけとなるLGBTの質問をお伺いします。現在、LGBTの子供の割合が一説では13人に1人って言われているんですね。


正しい知識を得られずに、学校での生活に違和感を感じたり、より身近な人ほど相談できない、こういった子供、苦しんでいる子供たちがかなりいると思います。

そういったことを含めて考えるべきなんですけれども、現在、広島県教育委員会ではLGBTに対する取組をどのように進めているのか、お伺いします。


○答弁(学びの変革推進部長) 学校における性的指向、性同一性障害に関する指導につきましては、児童生徒の発達段階に応じまして、互いの人格を尊重する態度を身につけ、望ましい行動が取れるよう、道徳や家庭科等を中心に学校教育活動全体を通じて実施しているところでございます。


また、性的指向、性同一性障害に係る児童生徒への対応につきましては、個別の事案に応じて児童生徒の心情等に十分配慮した対応を行うことが重要であるというふうに認識しておりまして、生徒指導主事研修等におきまして、性的指向、性同一性障害に係る研修を行っているところでございます。


加えまして、24時間子供SOSダイヤルやエソール広島のLGBT電話相談の窓口をカードに記載しまして、県内全ての児童生徒一人一人にメッセージとともに配布したり、各教室にも相談窓口一覧を掲示したりするなど、相談機関の周知を図っているところでございます。
今後も、教育委員会としましては、性的指向、性同一性障害に係る指導の充実ですとか、教職員の意識啓発に努めますとともに、各学校におきまして、児童生徒が自己及び他者の個性を尊重し、望ましい人間関係を構築できるよう、取組の充実を図ってまいりたいと考えています。


○質疑(村上委員) 

ありがとうございます。
今、ちょっとお話をお伺いしたんですけれども、そこら辺がまだポイントとして・・・でいる程度なのかなということをちょっと認識しております。物言える子供たちのためにも、しっかりとそういった取組もしていただきたいんですけれども、福山市の教育委員会ですかね、今回、HPVワクチン接種、御存じの方もいらっしゃると思うんですけれども、いわゆる子宮頸がんワクチンと呼ばれるもので、これ
も年間1万人が罹患しており、さらに年間死亡者数が2,800人いると、こういった中で、特に50歳未満の若い世代での罹患増加がすごく問題になっているんですね。

しかしながら、副作用の症例などから、国で公費負担では受けられるけれども、自己責任というスタンスが、告知に消極的な中で、今回、福山市がHPVワクチン接種の高校1年生女子に通達を行ったんです。9月中から第1回の接種を受ければ、3回接種まで公費負担分を受けられます。これも、高校生となって考えて、自己で
判断するっていう力として必要な教育だと思いますが、全県的に僕は進めていくべきだと思っているんですね。そういったところを教育委員会として、どのようにお考えなのか、お伺いします。


○答弁(学びの変革推進部長) 

子宮頸がんワクチン接種につきましては、国におきまして、子宮頸がんワクチンの有効性と、それから安全性に関する情報や、希望者が円滑な接種を受けるために必要な情報を整理する一方で、積極的な奨励とならないよう、情報提供の在り方を含めて検討されているということでございます。


県教育委員会としましては、情報提供の目的ですとか、あるいは方向性に関する国の検討状況を踏まえつつ、健康福祉局と連携し、適切に対応してまいります。


○質疑(村上委員) 

福山市の教育委員会はなぜそのような形で判断していったのかだとか、医師会等も含めても総合的な判断をお話をしていただきたいなと思います。
ちょっと突然で、平川教育長、申し訳ないんですけれども、ちょっと質問したいんですけれども、この話の中でずっと段階的な発達、いわゆる段階的にっていう言葉がすごく出てきたんですよ。じゃあ、その段階的な発達をする、段階的な発達に応じての教育ってなったときに、東京都ではこのように小学校から高校生まで事細
かく1学年では保健体育ではこういったテーマで教えるということがずらって出ているんですよね。

私はこれ、こういった考え方でそれぞれの校長先生に全てを渡す
のではなくて、広島県として一定テーマを持ってこういった教育も進めていくべきだと思うんですけれども、それは今の段階でちょっと考えて、御所見をちょっとお伺いします。


○答弁(学びの変革推進部長)

 指摘のほう、感謝申し上げます。
今後につきましては、先ほども申し上げましたとおり、県としても生徒指導主事と研修等で県の考え方とかということは示しているところでございますし、今、委員の指摘につきましては、また今後、何か今後に向けて検討できるかということを考えてまいりたいというふうに思っております。


○要望(村上委員)

 僕は今日は納得はしないということですよね。

だから、教育長に今言っているんですけれども、もちろんここで全ての答えを出してくださいということはもちろん言いません。だけれども、やっぱり思いだとか考えだとか、なぜこういうふうな形で進んでいるのか、今の広島県の子供たちの課題だとかというものをしっかりと考えていただきたいなと思っております。


特に、最後要望として終わりたいんですけれども、生野南小学校は6年生になると結婚や子育て、親子関係のキャリアとかも教えていって、家賃やローンだとか、お金のことだとか、そういったとこも教えていくらしいです。

今回、タブレットがこれだけ普及した中で、国語や算数とかとは違って、私が思うのはこういった道徳だとか生きる力に関しては映像化して、そして、先生たちがより校務の負担がなくなるような形で、全校タブレットを導入したからこそ、それをしっかり最大限に生かして進めていただけたらなと思っております。
以上です。ありがとうございました。