福山市選出の村上栄二です。

12月4日に引き続き、旧被服支廠についてお伺いします。
私の下にも様々な意見を頂きました。長崎県・広島県でも被爆建物の保存・継承・解体に関して、先送りできない政治課題であると思います。
県議会の使命の第一は県民の命・財産を守る事です。


前回、県の方針表明したからこそ、一日でも早く進めていくために組織体制の在り方と井原委員がおっしゃられていた利活用の方針についての質疑をさせて頂きます。


1:県の1~3号棟の西側の脅威を取り上げてまいりましたが、国が所有する4号棟の南側の脅威に関して,国の認識及び方針をお伺いします。

○ 中国財務局に確認したところでは,

・ 4号棟についても,県の1~3号棟と構造や建築時期等が同じであるため,建築後100年以上を経過し,老朽化が進行しており,倒壊等の危険性があるという点において,安全面での課題を抱えていることについては,県と同様である。

 

・ 危険防止の観点から,普通財産としてできる範囲において修繕等万全の措置を講じるが,普通財産である以上,多額に費用を要する大規模な改修や耐震化を行うことは困難である。

 

・ 他の省庁や県・市から有効に利用したいとの要望があれば,所管換えや処分等を検討する。

 

・ 仮に4号棟を解体撤去することとなった場合においても,本件財産の特性を踏まえ,その跡地を単純に民間へ売却することはなく,隣接する県有地と一体としてふさわしい利用方法について,県・市とともに協議・検討していきたい。

 

と伺っております。

(※ 中国財務局に確認中。)

2:国は普通財産として考えており、平和教育を含めた利活用も考えていない、国民の安心安全も県・市に丸投げで方針決まったらお金は出しますよというスタンスはよくわかりました。だからこそ、早急な判断が必要だと思います。
県民の命と財産を守る事を第一の使命とする県は,平成29年の建物安全性等調査の報告書から,旧被服支廠が危険な状態にあることを認識した状態にありますが,今回発表されたような対応を実施しない状態で、事故や災害などが発生し,市道通行者,近隣住民や住宅に被害があった場合、県はどのような責任を問われることになるのでしょうか?

 

○ 財産管理者として,所有する財産の危険性を認識していながら,何の対策も講じなかった(諸般の事情があったにせよ,講じられなかった)ことにより被害が発生した場合,県は建物所有者としての管理責任を問われることとなり,民法の規定に基づいて損害賠償責任を負うこととなります。

民事賠償だけではなく故意・過失で刑事事件の可能性もありますよ?

何度も話しますが、私は千葉県のゴルフ場や鉄柱が折れているのを見た時に、一日でも早く被服支処の在り方を一刻も早く進めないといけないと思いました。「現存する最大級の被爆建物・旧広島陸軍被服支廠倉庫を全棟保存してほしい」というネット署名も開始されていますが、この文書の中には近隣住民の問題などは一切出さず財政上の理由で解体するというニュアンスになっています。

無責任な立場でどちらか一方だけの観点で私達は語る事が出来ません。

県内視察で私達委員は安心安全の観点と被爆建物に対しての歴史的価値口々にしていたのが印象的でした。
私達政治家はどちらか一方だけの立場で物事を判断できないからこそ、合理的根拠に対して、一定の数字で判断しないといけない。

3:では,今回難しい方針を示した県として、旧被服支廠の県の使命及び業務内容についてお伺いします。

 

○ 旧被服支廠は築100年を超え,劣化が進行し,平成29年度に実施した建物安全性等調査においては「震度6強以上の地震で倒壊又は崩壊する危険性が高い」との調査結果が出されており,市道通行者や西側の民家及び住民にとって危険な状態となっております。昨年発生した大阪北部地震によるブロック塀倒壊事故を受け,現在,危険なブロック塀の撤去等を進めている県といたしましては,建物所有者としての管理責任において,危険な状態にある旧被服支廠についても,安全対策を最優先に進めざるをえない状況にあります。

 

○ このことを前提に,平和・建築分野をはじめとする関係者や専門家の方々からご意見を伺うとともに,国や広島市とも協議・調整,意見聴取等を行った上で,旧被服支廠が有する価値,保存の規模や態様等を比較検討致しました。その結果,1棟を保存することとし,令和2年度から順次,建物西側壁面の補強工事及び屋根等の改修・補修を行うとともに,2棟を解体撤去する対応方針を取りまとめ,12月4日の総務委員会においてお示ししたところでございます。

○ 1棟を保存することとし,2棟を解体撤去するという対応方針につきましては,県としても「苦渋の決断」でありますが,一方で,過去の利活用検討における有識者の意見や,今回,平和・建築分野の関係者等から聞き取った「旧被服支廠が有する価値」を認めた上で,今後,保存する1棟及び解体撤去する2棟の跡地について,できる限り利活用が図られるような形にしていきたいと考えており,安全対策と並行して,国や広島市とも連携しながら具体的な利活用策についての検討を進めてまいりたいと考えております。

3:国も県も,旧被服支廠が普通財産である以上,基本スタンスは、あくまで財産管理を行い、処分するというのがひとつの形であります。県の内部に、平和推進や旧被服支廠建物の利活用についての検討組織があるのでしょうか? あるとしたらどういった内容の協議・研究する組織となっているのでしょうか?

 

○ 国・県・広島市で,平成28年9月1日付けで「旧陸軍被服支廠の保存・継承にかかる研究会」という協議機関を設け,これまで,研究会及び担当者による作業部会を合わせて12回開催しております。

 

○ 「庁内での研究組織」というものは設けておりませんが,この研究会に,県の関係部署(平和推進PT,都市圏魅力づくり推進課)も参加してもらっております。

 

○ この研究会は,

・ 旧被服支廠の当面の利活用策

・ 中期的視野に立った保存・継承の策

・ その他保存・継承にかかる事項に関すること

について研究を行うことを目的としており,財産管理課は旧被服支廠の財産管理者であることから,現在,県を代表する部署という位置づけで,この研究会に参加しているところでございます。

4:ではその組織を、今後は利活用策の検討だけに専念させる事は可能でしょうか?


○ 12月4日の総務委員会でご説明した対応方針のとおり,安全対策と利活用を分けて検討を進めてまいりたいと考えております。既存の「旧陸軍被服支廠の保存・継承にかかる研究会」には,県から財産管理課,平和推進PT,都市圏魅力づくり推進課がメンバーとして参加してきたところですが,対応方針の取りまとめに当たり,観光課,営繕課を加えて検討するよう,体制を拡充したところであり,今後どのように進めていくのかについて,議論を始めようとしているところであります。

質問:財政課を入れなければ絵に描いた餅になると思うのですが、入らないのでしょうか?
 

○ オブザーバーで入って貰います。
そこでの議論によっては,一気に話が進むということもあると考えます。

観光課による総合観光政策の土台になるという事。

営繕課・財政課によって現在のような野ざらしのような状況ではなくなるという事より、具体的な事が検討される組織体系になっていく事がわかりました。

5:4日の委員会で課長も[苦渋の決断]と説明されておりました。

相当の批判があった事と思いますが、第一段階として県の方針を示した事は大変大きな決断であったと同時に住民にも県民にも関心を持ってもらい議論を加速させる機会になったと思います。

これまでも議論が進まなかったのはそれぞれが何に責任を明確に持つのか?という仕分けが出来ていなかった事が原因と考えられます。
最後に質問ですが、今回の旧被服支廠の問題で組織及びミッションを変えていく議論も必要だと思うのですがお答えください。

 

○ 今後,利活用策を検討していくに当たっては,旧被服支廠が有する価値の観点などから,たちまち今年度は,既存の研究会の中で検討していきたいとております。

要望:被爆建物としての建物遺産としてだけではなく、中西さんや当時にかかわりを持った方たちの意見を集めた記憶遺産として継承して頂く事も大変重要ではないでしょうか。

今後、語り部の方達もご高齢という事もあり、映像で残していく事が大変重要な観点であると思います。

これは私の提案ですが、1号棟を映画館にして欲しいです。

VR等を活用し、平和学習などで全国の子供たちが来て頂き、平和学習発表会で使える素材を用意する場。

普段は平和団体に委託し、被爆建物で当時の映像などを見る事は戦争の悲惨さを伝える体験としてはとても有意義だと思われますし、修学旅行生にターゲットを絞る事で2・3・4号棟はバス駐車場やお土産売り場としても活用できるのではないでしょうか?あくまで一つの提案ですが、ビジネスはウオンツという欲しいではこれからの時代はうまくいきません。
そうではなく、ニーズを理解する事。
広島県が求められているニーズは平和
です。

 

利活用の組織と外観保全の組織とキチンとわけて早々に進めて頂きたいと思います。