韓国経済は大企業の効率化主義で豊かさをモノや量で図ってしまった。
偏りのある大きな経済成長のツケはこれから大きな負担となると思われます。
景気低迷を背景に、今年1~10月の間に45社の信用格付けが引き下げられた。これは韓国が通貨危機に見舞われた1998年以来の高水準で、最大財閥のサ ムスングループも例外ではない。営業利益で利子も払えない「ゾンビ企業」も3000社を突破しており、年内にも想定される米国の利上げをきっかけに破綻 ラッシュが始まる懸念もある。
韓国プラント最大手のサムスンエンジニアリングは10月23日、「シングルA」から「トリプルBプラス」に格下げされた。同社はサウジアラビアなど 中東のプラント工事で巨額な損失が発生し、7~9月期に1兆5127億ウォン(約1603億円)の営業赤字を計上。
韓国信用評価は「2013年から新規受 注が大幅に縮小しており、短期間に営業実績を改善することは容易ではない。また、自己資本を上回る純損失を計上したことで財務構造が大きく弱体化した」と 格下げの理由を説明している。
サムスングループでは、造船業のサムスン重工業や、サムスン精密化学も今年に入って格下げされた。他の大手財閥でもポスコグループのポスコプランテックやポスコ建設、斗山グループの斗山重工業や斗山建設、さらに大韓航空やアシアナ航空も格下げ対象となった。
格下げされた企業は、新たに社債を発行して資金調達する際には、高金利を余儀なくされる。
さらに、米国が12月にも利上げに転じると、韓国など新興国に流入していた投資マネーが米国に還流し、通貨が暴落に見舞われる恐れがある。
加えて、中国経済の失速や、円安による日本の輸出企業の競争力強化など、韓国企業にとっての悪条件も山積している。
本業の儲けである営業利益で支払い利息をカバーできず、借金で延命している「ゾンビ企業」の存在も韓国経済に影を落としている。
韓国銀行(中央銀行)の「2014年企業経営分析」を見ると、ゾンビ企業は、リーマン・ショック直後の09年に2698社だったが、14年末時点で3295社まで急増した。米国の利上げをきっかけに、韓国国内の金利が上昇すれば、ひとたまりもない。