巴陵院は皇室のお寺で禁裏御所房と呼ばれ高野山内第一格式のお寺であり、法印を終えると前官と呼ばれます。

タクシー運転手さんからも「高野山の前官様とお話をさせて頂く事は大変貴重であり、前官様の中でも一番御人徳のあるお方が浦上前官様です」
これまでも何度もお参りしてきましたが、皆さんが一様に言われます。




私の質問でお坊さんになぜ?なろうと思ったのか?
また何が大切な事なのか?の質問に対して。
「父が早く亡くなり物心ついた時からそうなっていた。
お坊さんでもサラリーマンの方でも何でも通じますが、お坊さんとしてキチンと生きる事。
その責を持ってキチンと生きる。
立場において平凡ではあるが健全である事。
奥さんは毎日をいいコンディションを整える。
そして、何が自分にとって一番大切な事なのか?考え抜く事。
朝起きて決心し、夜は達成を感じる。
今日という日は一日しかないとギリギリまで追い込んだ生活をすれば、おのずと自分の道は見えてくる。
達成とは毎日を新しい景色で生きるという事。
非連続の連続性の中で人生は意味のあるものとなる」

10年後の仏教・高野山の世界は?

現在の教えあるがままを淡々と生きる。
本質は変わる事無く継続していく事。
日本人の心の故郷は富士山であり、最後に帰ってくる場所は高野山で在り続ける事。
日本人の還る場所でである事

子育て世代に言いたい事は?
知識やマナーは大切な事であるが、人間として間違いない道を歩む事。
基本的なあり方と日常生活で親の背中を見せるしかない。

子ども達に言いたい事は?
親がやってきた事を積み重ねていく。
積み重ねると大きなものが出来ていく。
親の真似が人生の取っ掛かりとなる。
得手不得手は親の手から離れる時には何が善し悪しか考えられるようになりなさい。