4 新たな監査体制については、公営企業のなかでは最大限の対策を講じていると聞いているが、民間企業ではどの

ような監査体制をとっているのか。また、どのような権限があるのか。先ほど説明いただいた交通局の監査体制との違いと併せてお聞きしたい。



○ 民間企業では、会社の設立、組織、運営及び管理については、会社法に基づくこととなっており、関西大手5私鉄は、会社法に基づく監査役会設置会社を採用している。



○ これら民間企業の監査体制は、監査役の半数以上を社外監査役で構成する監査役会を設置するとともに、社内に監査役を補佐するための監査役室を設置している。この監査役室とは別に、社内業務が適法で効率的に遂行されているかをチェックする内部監査を行うための監査部署を設置している。



○ これに対して、交通局の監査体制は、監査役担当の補佐と、内部監査の実施担当を同一部署で行っており、この点が民間企業と異なるところである。



○ また、民間企業の監査役であれば、会社法に基づき、

・取締役の職務の執行の監査

・取締役に対する事業報告請求権

・取締役会の招集請求権及び招集権

・取締役の違法行為差止請求権

・報酬等に対する意見

 などの権限を有しており、監査に係る権限を法的に担保されているところが交通局の監査役担当と異なるところである。

意見

5 民間企業の監査役は会社法に基づく各種の権限が担保されているが、交通局の監査役相当は、そこまでの権限はないようであり、これは則る法律が異なるので仕方ない事は充分理解できます。

いずれにせよ、民間企業では、経営責任を負って事業を遂行する経営陣も、しっかりとした権限を有する監査役とそれを担保する株主との緊張関係があるからこそ、健全 かつ機動的、柔軟な事業執行が可能になるのであり、そういった観点からも、株式会社という経営形態に早急に移行すべきと考えます。

廃止条例については、先日、否決されたものの、それまでに5度もの継続審査を重ね様々な議論を行ってきたことは、議会が民営化の必要性を認識しているから積み上げてきたのだと理解しております。

刻一刻と変化する社会経済情勢や市場ニーズに対応しながら、事業を営む組織としてガバナンスを確立するには、公営企業では制度的な限界がある、と私は考えている